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著…小野不由美『鬼談百景』

 一話につき2~3ページずつ怪談を収録した本。

 どのエピソードも、はっきりとした恐怖の形は描かれません。

 どれも、「なんだか変だな」と感じさせるぼんやりした輪郭と、たとえようのない寂しさが根底にあります。


 七不思議のようなものから都市伝説のようなものまで、九十九話あります。

 そのことが百物語を連想させて、ゾクリときます。

 目を惹くのは、怖さというよりも寂しさを感じさせるエピソード。

 今もどこかで少年が心細いまま階段を登り続けていそうな話。

 自殺した女性の幽霊が学生時代を懐かしんで校庭を見つめているような話。

 女の子の無念の涙が描かれた話。

 どれもこれも哀しい…。


 

 この『鬼談百景』の後に『残穢』を読むのがおすすめです。




 〈こういう方におすすめ〉
 怪談が好きな方。

 〈読書所要時間の目安〉
 1時間〜1時間半くらい。

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