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著…福井県立図書館『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』

 図書館の利用者さんたちから寄せられた「〇〇さんが書いた〇〇って本ありますか?」といった質問をまとめた本。

 病院の待合室、図書館、バスや電車の中といった所でこの本を読むのは非常に危険なので絶対におすすめしません。

 それはなぜか?

 質問のユニークさもさることながら、司書さんの回答文にキラリと光るジョークセンスが炸裂しているからです。

 わたしは歯医者の待合室でうっかりこの本を読んでいて、涙を浮かべながら笑うのを我慢していたのですが、こらえきれず吹き出してしまい、その瞬間わたしを呼びに来た歯科衛生士さんと目が合いました…。

 著者名もタイトルも微妙にずれていたり、他の作家や作品と合体していたりと、利用者さんたちからの質問は様々。

 しかし、利用者さんがどんなにうろ覚えの状態であっても、司書さんたちは質問の意図を汲み取って、「どんなシーンがありましたか?」等と確認をしながら謎解きを行い、お目当ての本を見事に探してくれます。

 その力量に頭が下がります。

 こんなにプロフェッショナルなお仕事なのに、司書という職業が薄給なのが信じられません。

 もっともっと司書さんたちのお給料を上げて欲しいです!

 さて、利用者さんたちからの質問について、本のタイトルに絞っていくつか例をあげてみます。

 ●(誤)『ぶるる』
  (正)『るるぶ』

 ●(誤)『蚊にピアス』
  (正)『蛇にピアス』

 ●(誤)『ゴリラ爺さん』
 ●(正)『ゴリオ爺さん』

 ●(誤)『トコトコ公太郎』
  (正)『とっとこハム太郎』

 ●(誤)『痔』
  (正)『痣』

 ●(誤)『わたしを探さないで』
  (正)『わたしを離さないで』


 くっ…!

 さては利用者さんたち、わざと全力で司書さんたちを笑わせに来ていますね…!?

 図書館という静寂に包まれた空間でなんという罪深いことを…!

 これを笑わずに対応しないといけないなんて、なんという苦行…!

 …余談ですが、わたしは最近行きつけの図書館で、利用者さんが司書さんに「まさよしの本ってある? お笑い芸人の」と尋ねているところに出くわしました。

 まさよし…!

 いそう!

 同じ名前のお笑い芸人!!

 …ってわたしも他人事のように笑っていますが、わたしも司書さんにトンデモ質問をやらかしたことがあるので本当は他人のことを笑えません…。



 〈こういう方におすすめ〉
 微笑ましい覚え間違いを見てクスッと笑いたい方。

 〈読書所要時間の目安〉
 30分くらい。
 …でも、笑いを堪えながら読むと、もっとかかります。

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