作…デビ・グリオリ 訳…若林千鶴『NIGHT SHIFT よるなんて…』
一日中疲れている。
自分が自分でなくなっていく。
とても苦しくて不安なのに、この感覚について周りの人へ言葉で説明出来ない。
どうして良いのか分からない。
自分の心の奥にある暗闇が怖い…。
これは、そんなうつ病を実際に経験した作者がうつ病の世界を表現した絵本。
一言で「うつ病」と言ってもその症状は千差万別なわけですが、うつ病を抱えている人の気持ちを少しでも想像したい時の参考になりそうです。
この絵本では、うつ病を「闇」と「ドラゴン」という形で表しています。
主人公はその闇からもドラゴンからも逃げきれません。
やがて、ドラゴンをやっつけられない自分の無力さを受け入れます。
すると真っ黒でも真っ白でもない羽根を見つけます。
その羽根を見つけてからは、少し気持ちが楽になった様子。
訳者も巻末でおっしゃっている通り、この絵本の表紙を見てみると、原題の「NIGHT SHIFT」の「NIGHT」の「I」が、主人公が見つけた羽根の形になっているのが素敵です。
「I」は主人公自身のこと。
うつ病のせいで自分を見失いそうになっていた主人公が、ほんの少しかもしれませんが自分を取り戻したということなのかもしれませんね…。
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