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著…ビル・プライス 訳…定木大介、吉田旬子『逆境だらけの人類史 英雄たちのあっぱれな決断』

 およそ260万年前から人類が下してきた様々な「決断」を紹介する本。

 人類がその「決断」をするに至った背景、主役となった人物、そしてその「決断」の功績が載っています。

 石器を作る。

 人類の始まりの地とされるアフリカを出て、世界中へ散らばる。

 狩猟・採集だけではなく農耕を始める。

 文字を刻む。

 国と国が平和条約を結ぶ。

 民主主義を生み出す。

 といった、世界史の中でも特に目立つ47の事例(アメリカにまつわるもの多め)がこの本の中で紹介されています。

 「決断」というテーマからは多少脱線しますが、わたしは人類共通の祖先であるたった一人の女性についての記述に興味を惹かれました。

 「ミトコンドリア・イブ」と呼ばれるこの女性は、今からおよそ20万年前の東アフリカのどのかで生きていたと考えられるそうです。

 20万年前…!

 気の遠くなるような大昔ですよね。

 そんな大昔から人類が誕生や死を繰り返してきて今に繋がっているということに、ただひたすら圧倒されます。

 普段は意識していなくても、どの人の体の中にも、祖先から脈々と受け継いできた歴史が刻まれているのです。

 そして、大昔のアフリカで何が起きたかはまだ分かっていませんが、人類が慣れ親しんだ生まれ故郷を離れ、世界中へと散らばっていったということにも、壮大なロマンを感じます。

 人類は好奇心から新天地を求めたのでしょうか?

 それとも、干ばつや飢饉といった事情で、未知の土地へ出て行くしかなかったのでしょうか?

 自分の遺伝子の中にきっと組み込まれているであろう先祖の記憶を辿ってみたいです。

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