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著…周防正行・白石まみ『舞妓はレディ』

 癖の強い訛りのせいで、何度も悔しい思いをしながら、優雅な「京ことば」に馴染もうと努力していく主人公・春子を描いた小説。

 同名の映画のノベライズです。

 このストーリーからは、「いざとなったら変えられる」と思い込んでいても、実は言葉遣いを変えることは本当に難しいということが伝わってきます。

 人は、つい今まで使っていた言葉を使ってしまいますから。

 「しまった」と思うのに、とっさに口をついて出るのは、やっぱり普段から馴染みのある言葉。

 言葉は便利だけれど、そういう「怖さ」もありますよね。

 例えば、普段は下品な言葉を使っている人が、改まった席でだけ上品な言葉を使おうとしても、うまくいきません。

 「その時だけ」を取り繕おうとしても、無理なのです。

 必ず、いつも使っている言葉がポロッと出てきてしまいます。

 それが言葉の怖さ。

 そうした怖さに立ち向かって、これまでの人生では初めて出会う言葉を一から習得し、舞の技能をも身につけるのは、並大抵の根性では成し遂げられません。

 それに挑んだ春子は凄い!

 春子を支えた人たちも凄い!


 〈こういう方におすすめ〉
 方言に興味がある方。
 言葉遣いを変えたい方。

 〈読書所要時間の目安〉
 1時間半〜2時間くらい。

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