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著…カジタミキ『花の立体切り絵 組み合わせてつくる繊細なかたち』

 不滅の花。

 そんなものはこの世に存在しません。

 けれど、「決して枯れることのない花を自分の手で作り出したい」というのは、古来から人間が抱いてきた夢の一つでもあります。

 これは、切り絵で美しい花々を作り出そうという本。

 上級者向けだと思います。

 この本には、サクラ、クロッカス、ヒマワリ、コチョウラン、ホオズキ、カーネーション、カンボタン、ツバキといった春夏秋冬を彩る作品が紹介されています。

 どの作品も繊細な手仕事の賜物。

 ページを捲る度に魅了されます。

 こうした切り絵を透明な花瓶に挿したら、さぞ映えることでしょうね。

 作り方の工程や図案も載っているので、わたしも練習を積み重ねて、いつかはこうした美しいものをこの手で生み出したいです。

 自分のために飾るのも良し。

 大切な誰かに贈るのも良し…。

 枯れる花も愛おしいものですが、枯れない花を愛でるのもまた幸せなことだと思います。

 花が人間に分け与えてくれるエネルギーは凄いですね。

 わたしは特に、表紙にもなっているゲッカビジンに心を掴まれました。

 ゲッカビジンは、数ある花の中でも特に儚い花。

 誰にも知られず咲いて、誰にも知られずしぼんでしまうことが多い花。

 この作品には、まるでその開花を目の当たりに出来たかのような、そんな静かな感動を覚えました。






 〈こういう方におすすめ〉
 枯れる花のことも、枯れない花のことも、こよなく愛す方。

 〈読書所要時間の目安〉
 ざっと目を通すだけのつもりでも、1ページ毎にじっくり見たくなる本なので、少なくとも30分以上はかかります。
 実際に作品を作る練習をすると、もっとかかります。

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