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著…神田桂一、菊池良『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』

 古今東西の作家、ミュージシャン、俳人、歌人、詩人、YouTuber、ジャーナリストたちがもし『カップ焼きそばの作り方』をテーマに文章を書いたらこんなことを書くかもしれない! と想像を膨らませる本。

 なんて豊かな想像力。

 ワクワクしながら読めます。

 どの作品も、その人物が使いそうな文体をよく掴んでいるなと驚かされます。

 淡々としていたり、体よりも心の中の描写が多かったりと、人それぞれ特徴がありますよね。

 例えば太宰治先生の場合、ただカップ焼きそばを作るだけなのにやたら悲観的…。

 コナン・ドイル先生の場合、シャーロック・ホームズが調味料の減り方にまで注目しながら捜査を始めます。

 松本清張先生の場合、料亭が出てきます。

 わたしは特に江戸川乱歩先生をイメージした作品がお気に入り。

「先ずなるべく凡てを開かないように注意しながら蓋に手を掛けましょう。ビビビビ……と骨の髄に響く様な音を立てて、蓋が開き、ぽっかりと口の開いたその容器の中に、乾燥麺が横たわっています」
(P56から引用)

 焼きそばや青のりの匂いというよりも、怪奇の香りがいたします!

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