著…こかじさら『寿命が尽きるか、金が尽きるか、それが問題だ』
92歳の実父と90歳の実母。
そして、子どもがいない89歳の叔父叔母夫婦。
これは、そんな4人に翻弄される著者の気持ちを赤裸々に綴った本。
著者と同じような立場の人にも読んでもらって共感して欲しいですが、わたしは是非、政治家にもこの本を読んで欲しいです。
なぜなら、高齢者とその家族を取り巻く介護やお金の問題の現実が綴られていますから。
大事なことなので2回言います。
現実です。
「ピンピンコロリ」なんて夢物語。
綺麗ごとなんて言う余裕なんてまるで無いくらい、現実はハード。
みんな、自分1人が生きるのだって大変。
なのに、同じタイミングで複数人の介護やお金の問題を抱えるなんて、めちゃくちゃハードです。
著者が抱えている4人は、性格・老い具合・家事能力・経済力・コミニュケーションのしやすさ等がひとりひとり異なります。
身内である分、遠慮は全く無し。
一筋縄ではいきません。
著者が丁寧に話をしても、4人はそれを理解する能力が衰えており、また、これまで長く生きてきた分プライドもあるので、言い争いに発展することもしょっちゅう。
1人をお世話するだけでも大変なのに、4人のお世話がのしかかるのですから、
という著者の叫びが心に響きます。
これが現実。
「あと〇〇年子育てをしたら子どもから手が離れる」とゴールがある程度見えている子育てとは違って、介護には「あと〇〇年介護したら手が離れる」といったゴールはありません。
人によっては100歳を超えても生き続ける時代ですから。
そうして自分の気力・体力・時間・お金を費やして、ようやく介護が終わったと思ったら、今度は自分が介護を必要とされる側になるのです。
これが現実…。
わたしだったら逃げ出すかもしれません。
著者の場合は、4人から解放される日を待ち侘びながらも、ストレスが爆発しないよう、適度に他者からサポートを得たり、趣味を楽しんだりしてきたそう。
この人生百年時代にとても参考になる本だと思います。
〈こういう方におすすめ〉
介護とお金の問題に関心がある方。
〈読書所要時間の目安〉
2時間半〜3時間くらい。
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