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著…J・P・サルトル 訳者…加藤周一 白井健三郎 海老坂武『文学とは何か』

 サルトルってかっこいい!

 俺に惚れると火傷するぜ、と言わんばかりの、この内容。

 すべての人が私の書くものを読んだらどうなるか?」と考えなければならぬ。

(著…J・P・サルトル 訳者…加藤周一 白井健三郎 海老坂武『文学とは何か』P30から引用)

 精神化とは即ち取り戻しである。そして精神化し取り戻すべきものは、多彩で具体的なこの世界の他にはない。

(著…J・P・サルトル 訳者…加藤周一 白井健三郎 海老坂武『文学とは何か』P150から引用)


 とサラッと言ってのけるのですから。

 サルトルの文章には癖があり、非常に難解なので、わたしはこの本を読んでいる途中で何度も中断しました。

 しかし、サルトルの語り口があまりにかっこいいことに魅せられて、最後まで読むことが出来ました。

 マラルメやカフカやサン=テグジュペリについても想いを馳せながら。

 作家が見た作家の姿。

 それを語るサルトル。

 そして、サルトルもまた、同じく他の作家に見られていたことに気かされます。

 書斎以上に愉快な墓場はあるまい。そこには死者がいる。死者たちは絶えず書いた。

(著…J・P・サルトル 訳者…加藤周一 白井健三郎 海老坂武『文学とは何か』P34から引用)


 と語ったサルトルも、今では死者。

 あの世がどうなっているかは分かりませんが、サルトルは死者となっても尚、どこかで今も絶えず原稿を書いては、世界を取り戻しているのでしょうか。



 〈こういう方におすすめ〉
 サルトルの精神性に関心がある方。

 〈読書所要時間の目安〉
 何度も中断しては休憩しながら、一か月以上。

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