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著…石田衣良『恋は、あなたのすべてじゃない』

 石田衣良さんによる、女性向けの恋愛アドバイス本。

 タイトルから分かる通り、思い詰めたりせず気持ちに余裕を持って恋愛を楽しんで、というスタンスで書かれています。

 頭では分かっているつもりでも、ザ・恋は盲目!状態だと見落としてしまいがちな事が沢山書いてあって、ハッとさせられます。

 例えば、

 「〝ずっとつきあっていこうね〟とか〝結婚しようね〟と、将来を誓いあうような約束について。恋愛初期の気もちが盛りあがっている時期に、女の人はこういう言葉を男から聞きたがりますよね。でも、それを簡単に口にする男は、あんまり良心がない気がする」
(『恋は、あなたのすべてじゃない』から引用)

 という文に共感!

 個人差もありますが、つい「言葉」を欲しがりがちな人はいるものです。

 けれど、未来のことなんて誰にも分かりませんよね。

 お互いのことをまだよく知らない、付き合いたての状態ならば尚更。

 なのにそういう将来を匂わせる重いセリフを軽々しく言える人の頭の中には、「こう言っとけば相手の機嫌をとれるだろ」という狡さがあるような気がします。

 そんなペラペラな言葉に引っかかって、後で「あの時ああ言ったじゃない!」と責めても、そんな人は「え? 俺そんなこと言ったっけ?」とスルリと逃げていきそう。

 また、

 「〝いい恋をしたい〟と〝いい仕事がしたい〟は対立しない。望めば気もちのもちようで、誰でも手に入る。だから〝恋をあきらめて仕事を選ぶの〟なんて、悲しいことはいわないでほしいんです」
(『恋は、あなたのすべてじゃない』から引用)

 という文にも励まされます。

 つい、恋と仕事は対立しそうな気がしてしまいますが、そうじゃないと言って背中を押してもらえるのは心強いです。

 最もハッとさせられたのは、

 「外国にこんな寓話があるんです。ある宿屋に、旅人のためのベッドがあった。でも、そのベッドは自分より体が大きい人が来たら手足を切り、小さい人は関節がはずれるほど引き伸ばす。どんな旅人が来ても死ぬしかないから誰にも使ってもらえない……わかりますか? 〝かくあるべし〟にしばられて、それ以外を切り捨ててしまうような考え方は誰も幸せにしないし、自分さえも幸せにはなれないんです」
(『恋は、あなたのすべてじゃない』から引用)

 という文。

 「ありのままの自分を愛してくれる人と出会いたい」なんて思いがちですが、「ありのまま」を自分勝手に捉えるのは良くないですよね。

 相手に「わたしのやり方にあなたが合わせてよ!」と一方的に強いる関係はうまくいかないし、お互い不幸になってしまいそう。

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