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著…坂本美雨『ネコの吸い方』

 こんにちは。

 もしネコの世界で「人間に読んで欲しい本フェア」をやったらランクインしそうな本をご紹介します。

 坂本美雨さんの『ネコの吸い方』です。

「カレーは飲み物」という言葉を聞いたことはあっても、「ネコを吸う」という言葉を聞くのは初めて。

 「ネコを吸うって何?」と興味を惹かれて読み始めたところ、本全体から溢れ出す堪らないもふもふ感に癒されました。

 著者によると、「ネコを吸う」とは、大好きなネコと心を一つにしようとする行為。

 たとえば、ネコの後頭部や背中に人間の顔を埋めてみたり、ネコの肉球を嗅いでみたりしながら、スーッハーッと深呼吸。

 その感覚は、「孫が可愛くて可愛くて目に入れても痛くないんですよ」とニコニコしっぱなしの祖父母に近いものがあるかもしれません。

 さて、大事なポイントがあります。

 著者のこの「ネコを吸う」という行為は、ネコという大切な命に「大好きだよ」と伝えるためのコミュニケーション。

 決して、可愛いオモチャで好き勝手に遊ぶことではありません。

 著者にとって、ネコは「人間の所有物」ではなく、子どもの頃から一緒に暮らしてきた大切な家族でもあり、芸術活動にバイブスを与えてくれるミューズでもあり、他の人間との縁を繋いでくれる良き相棒でもあることが、この本から伝わってきます。

 だから、ネコが嫌がることはNG。

 ネコも人間同様、好きなことも嫌いなことも一匹一匹違いがあり、抱っこが好きなネコ・苦手なネコ、撫でられるのが好きなネコ・苦手なネコがいるので、「吸う」のもネコの様子を見て行い、決して嫌がることはしません。

 「大好き!」「大切にしたい!」「わたしに幸せをくれるネコに恩返しをしたい!」という情熱がこの本から伝わってきて、それがとても素敵です。

 愛情って、「もっと注ぎたい」と思えば思うほど、どんどん湧いてくるものなんですね。

 もしかしたら、ネコの方は内心「毎日毎日吸われて、まいっちゃうなぁ。愛され過ぎているよなぁ」と苦笑いしているのかもしれませんが、この本に写っているどの写真でもネコが満たされた表情をしているのがとても印象的です。

 世の中には、虐待されたり、「処分」という冷たい言葉のもとに命を奪われて、こういう幸せな表情になれないネコもいますが、一匹でも多くのネコが沢山の愛情を感じながら暮らせるようになったらいいな…(勿論ネコだけに限りません!)、とわたしはこの本を読んでいるとつくづく思います。

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