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著…レスリー・デンディ+メル・ボーリング イラスト…C.B.モーダン 訳者…梶山あゆみ『自分の体で実験したい 命がけの科学者列伝』

 ●「人は高温にどこまで耐えられるか?」を知るため、自分をあぶり焼きにしようとする。

 ●「食べ物は胃腸の中で砕かれるのか? 腐敗するのか? 化学変化を遂げるのか?」を知るため、食べ物を袋や木の筒に入れて飲み込む。

 といった実験の数々が紹介されている本。

 凄まじい探究心に圧倒されます。

 自らガスを吸って意識を失ったり、体を麻痺させたり、電気ショックを与えたり、ロープで首を吊ったり、病気に感染したダニやシラミに皮膚を噛ませたり、放射性物質を飲み込んだり…。

 ほとんどの実験は正気とは思えない内容です!

 「好奇心は猫を殺す」といった言葉がありますが、「もっとデータが欲しい」という好奇心は研究者を殺すことがあるのでしょうね。

 しかし、他人や動物の命を犠牲にせずに、あくまでも「自分」を実験台にした人たちの功績は大きいとわたしは思います。

 成功例も失敗例も、現代の医学・科学の発展に大きく役立っています。

 先人たちの努力と犠牲無くしては、たとえば現代人の命を救っているワクチンも、手術の際に無くてはならない麻酔も、この世に生み出されなかったでしょう。

 それを思うと、無謀とも言える実験に挑んだ方たちに感謝の念が尽きません。

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