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著…田中ミエ『ダンナ様はFBI』

 VIPの警護のため日本にやって来たFBI捜査官と偶然出会って、気に入られてしまった著者。

 電話番号や住所を教えていないのに、FBI捜査官から「仕事の特権で調べさせてもらった」と、勝手に電話や手紙がくる…。

 返信しなくても手紙がくる…。

 何通もくる…。

 と、この本は「誰だ! ストーカーに特権を与えた奴は!」とツッコミを入れたくなる非常に怖い内容でスタート。

 さすがFBI捜査官と言うべきか、

 ●特に用件のない内容を手紙に書くことで、著者に「NO」を言う隙を与えない

 ●定期的に手紙を送ることで、次第に著者が自分との繋がりを感じるように仕向ける

 といった巧妙な手法が用いられたのだそう。

 そのうち彼から「将来あなたと東京で暮らす相談をしたい」と告白。

 最初はこの一連のアプローチに寒気が走っていた著者も、この段階になると拒否するわけでもなく素直に彼の気持ちを受け入れるのですから、わたしは感心しながらこの本を読みました。

 これがFBI捜査官による孔明の罠か!

 著者が独身最後の海外旅行をした時、「海外旅行をする」と彼には伝えなかったのに、どこの国へ行っていつ日本に帰るか把握されていて、しかも彼に空港で待たれていた、というのも凄い…。

 国際的なストーカーじゃないか!? と正直恐ろしくもあるのですが、それだけ好きで堪らなかったってことなのでしょうか?

 彼はFBIを退職し、今では違う仕事をしているそうですが、FBIで培った知識や経験が日常生活にも大いに影響しているというエピソードが幾つも載っているのが興味深いです。

 また、これは2008年12月に第1刷が出た本なので、著者と彼が現在どうなさっているのかとても気になります。

 お元気ですか?

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