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著…井本猫良『[短歌集]猫が詠む日常:猫からの共感必至?の猫楽吟』

 猫の気持ちを想像しながら読める短歌集。

 詠み手は猫。

 解説するのも猫。

 本来は猫にこそ読んで欲しい本ですが、猫好きの人間にも堪らニャい本です。

 どの歌も「たのしみは」から始まり、「とき」で終わります。

 クスッと笑わせてくれるものから、ちょっとホロリとくる歌までバリエーション豊か。

 たとえば、

 「たのしみは 紙を広げて読む人の 前に座りて目顔見るとき」
(第二歌から引用)

 は微笑ましい光景が目に浮かぶようです。

 猫って、人間が何かしている時こうして寄って来ますよね。

 ピアノやパソコンの上に乗ってきたり。

 これがまた邪魔なんだけど堪らなく可愛い!

 また、

 「たのしみは 童の涙舐むりとり こころからだのうち晴れしとき」
(第十四歌から引用)

 という歌にもグッときます。

 猫って、冷たい生き物であるかのようなイメージもあると思います。

 しかし、実は傷ついている人の隣にいつの間にかやって来て、静かに寄り添ってくれる優しさもありますよね。

 わたしの亡き愛猫もそうでした。

 普段はクールで、抱っこも嫌がるくせに、わたしが泣いていると誰よりも先に気づいて駆け寄って来てくれました。

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