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作…リルケ 訳…石丸静雄『リルケ詩集』

 「君らはその少年の日の
 どんな思い出も持たないのか?
 ひとつも持たないのか?
 そのころ何があったか
 もうおぼえてはいないのか?」
(『コロンナ家の人たち』から引用)

 という一節がわたしは特に好きです。

 リルケ自身の意図とは違うかもしれませんが、わたしはこの一節に、ある光景をイメージします。

 それは、汚い大人になって愚かな行いをしようとする自分を、子どもの頃の自分がジッと見つめている…そんな光景です。

 例えば、5歳の頃の自分をイメージしてみて欲しいです。

 もし、5歳の自分と今の自分の目が合ったら、あなたはどうしますか?

 あなたがハッとして自分の行いのうちどれか一つでも正すことが出来るなら、あなたはきっと何歳からだって人生の仕切り直しが出来るでしょう。

 しかし、目を背けてしまったり、そもそもその視線に気づきさえもしないなら、5歳の自分から幻滅されてしまうでしょうね…。

 わたしだって別に聖人君子というわけではないので、5歳の自分から「何やってるの?」と呆れられるようなことを仕事でもプライベートでも沢山やらかしてきました。

 だからこそ、わたしは「ごめんね、これからは頑張るね」と5歳の自分に言って、自分の振る舞いを変えられる自分になりたいと思っています。

 5歳に限らず、10歳の自分とも、15歳の自分にも、20歳の自分ともそうやって誠実に向き合える自分になりたいです。

 そしていずれは5年後、10年後の自分から「あの時頑張ってくれてありがとう。お疲れさま」と言われたい。

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