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著…ドナルド・キーン『私が日本人になった理由 日本語に魅せられて』

 日本語の美しさに興味がある方におすすめの本。

「日本には〝国破れて山河あり〟という諺がありますが、私はむしろ逆ではないかとさえ思います。時の流れの中で、時に山は崩れ、川も流れが変わることもあるでしょう。しかし、人の言葉は残ります。古代エジプトやギリシャの言葉は残っている。それは山よりも川よりも強いとさえ思える。芭蕉はそれを実感したと私は思っています」
(P110から引用)

 というドナルドさんの言葉にハッとさせられます。

 これまでわたしは、日本人を日本人たらしめるものは何なのか分からなかったのですが、ドナルドさんのこの著書を読み、そのうちの一つに気づかされました。

 何度、戦争や災害といった壊滅的な状況に陥っても、その度に立ち上がる。

 再建するだけではなく、素晴らしい芸術文化をも花開かせる。

 そして喜びも悲しみも、和歌、物語、俳句といった「言葉」に託して後世に伝える。

 そうしてきたのが古き世の日本人だ…と教えられた気がします。

 わたしもこれを機に日本の古典文学を読み返そうと思います。

 まずは、ドナルドさんが愛した源氏物語を。

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