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絵…エウゲーニー・M・ラチョフ 訳…うちだりさこ『てぶくろ ウクライナ民話 (世界傑作絵本シリーズ)』

 こんばんは。

 寒い国の物語なのにあたたかい絵本をご紹介します。

 おじいさんが落とした手袋の中に、ねずみが住み着いて、かえるも加わって、うさぎも入ってきて、…というように、手袋の中がどんどんシェアハウス化していくストーリー。

 先に手袋の中に入った生き物は、次にやって来た生き物を「どうぞ」と受け入れ続けます。

 きつね、おおかみ、いのしし、くまもOKなのですから驚きです!

 何という伸縮性。

 何という懐の深さ。

 草食動物も雑食動物も肉食動物もみんな歓迎だなんて凄い。

 お互いを食べることも、食べられることもなく、皆であたたまる動物たちの姿に心がじんわりします。

 大きな生き物がやって来ると、さすがの手袋の中の住人たちも「ちょっとむりじゃないですか」と難色を示すのですが、結局はみーんな手袋の中に入れます。

 さて、多くの生き物が仲良くシェアしているこの平和な手袋の中に、まだ居ない生き物がいます。

 それは人間です。

 もしかしたら、いつか人間同士が争わずに生きられる日がきたら、人間もこのあたたかい手袋の中に「どうぞ」と入れてもらえるのかもしれませんね。

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