著…小早川明子『ストーカー 「普通の人」がなぜ豹変するのか』
19年以上もの間、1500件以上の相談を受け、500人以上ものストーカーと対面してきた著者の本。
これまでに起きたストーカー事件の概要や考察を読むと、ぞわ〜っと鳥肌が立ちます。
特に怖いのは、
という加害者側の心理。
世の中には色んなタイプのストーカーがいます。
しかし、どのストーカーも、きっと自分がストーカー行為をしている自覚なんて無いのでしょうね。
明らかに異常なつきまといをしていても、加害者からすれば「自分は加害者ではなく普通であり、むしろ自分の思い通りにならない被害者の方がおかしい」と考えてしまうのかもしれません。
被害者の方はたまったものじゃないですよね…。
ベットリと執着されて…。
また、ストーカーに限りませんが、どの犯罪に関しても、なぜ加害者ばかりが守られて被害者は保護してもらえないケースが多いのだろう? とわたしはつくづく疑問を感じます。
被害者が警察に相談してもきちんと対応してもらえず残念ながら殺人事件に発展してしまったり、加害者が執行猶予中または出所後などに報復も含めて被害者を再びつけ狙うケースもあり、恐ろしいです。
加害者の身柄を拘束出来ない場合があることや、刑期が終われば罪を償ったことになるといった建前はわたしの愚かな頭でも理解出来るつもりですが、被害者が「いつかまた加害者が目の前に現れるかもしれない」と怯えて暮らすのは…物凄くモヤモヤします。
被害者は追い詰められ、心身を病んだり、引越しを余儀なくされたり、残念ながら命を奪われる場合だってあるのだから、もっと守られるべきなのではないかとわたしは思います。
被害者にも生活があるので、シェルターに一生匿うわけにはいきませんが、例えばせめて加害者が被害者に接近したら警告音がけたたましく鳴って警察官または警備スタッフが駆けつけてくれるなどのシステムが必要だと思います。
もしこうしたシステムを普及させようとすれば「加害者にも人権がある」と騒ぎになりそうですが、被害者を守れるうまい仕組みづくりも必要ですよね。