著…原田マハ『旅屋おかえり』
旅に出たい。
しかし、どうしても旅行できない事情がある。
だから、旅番組を観て、まるで自分が旅をしているかのような気分を味わっている。
…という方におすすめの小説。
この小説の主人公は、所属者がたった一人しかいない零細プロダクションにいるタレント・岡えりか。
愛称は「おかえり」。
彼女は小さな旅番組に出演していたのですが、その番組は残念ながら打ち切りになってしまいました。
しかし、幾つも重なった偶然が、彼女を再び旅へと誘います。
今度は、「旅行したくても出来ない方の依頼を受けて代理で旅をする旅屋」として。
…以上がこの小説のあらすじです。
依頼人によって旅の行き先も目的も様々なのですが、「わたしに依頼をしてくださった方たちの想いにこたえたい」と、どの仕事にも誠実に取り組む彼女のひたむきさに心を打たれます。
また、彼女の旅をサポートする方たちの人情にもグッときます。
みんな、なんてあたたかいんだろう…。
人と人のご縁を味わえるのって、まさに旅の楽しみの一つですよね。
さて、わたしがこの小説の中で特に好きなのは、
という箇所です。
旅そのものも良いものですが、旅の醍醐味って、きっとこういうところですよね。
「おかえり」と「ただいま」を言える相手がいる…。
そういう旅の締めくくりって、本当に素敵。
〈こういう方におすすめ〉
旅番組を観て、まるで自分が旅をしているかのような気分を味わっている方。
〈読書所要時間の目安〉
2時間〜2時間半くらい。
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