🇫🇷映画「パリ警視庁:未成年保護部隊」　愛とは？ 家族とは？ 母性とは？

虐待や未成年犯罪をテーマにした社会派映画でありながら、愛とは何かを突きつけられる映画です。

『パリ警視庁:未成年保護部隊』（原題：Polisse）
パリ警視庁で様々な犯罪から未成年を守る未成年保護班の警官たちの姿を公私に渡ってリアルに描いた異色作。
第64回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した他、第37回セザール賞で作品賞をはじめとする13部門でノミネートされ、有望女優賞（ネドラ・アヤディ）と編集賞を受賞している。
日本では劇場未公開だが2015年2月6日にDVDが発売。

引用元：Wikipedia

監督は女優でもあるマイウェン。リュックベッソン監督の元妻。リュックベッソン31歳、マイウェン15歳の時に妊娠し、16歳で結婚、出産、その後離婚されています。リュックベッソンの代表作である「レオン」はマイウェンとの関係からインスパイアされた映画といわれています。

マイウェンがパリ警察の特別部隊へ同行取材をし、この映画を作成、映画に出てくる数々な事件はどれも実際にあったものだそうです。

そんな子どもたちの厳しい現実を常に目の当たりにし、解決に取り組む警視庁、未成年保護部隊のメンバーたち。その反面、それぞれが私生活や自分自身に問題を抱えている。そんなメンバーの公私に渡る様子が描かれているのがこの映画の見どころです。

この映画に私は心の奥底を揺さぶられ続けました。これはマイウェンと私のホロスコープの関係から明らかになるのですが、それは後半に。

薬物中毒の母親から保護された子どもが滞在していた施設から母親によって誘拐されたという事件が発生。未成年保護部隊のメンバーは母子を発見しますが、ヒステリー状態の母親は生後半年の我が子を故意か事故か、地面に投げつけてしまう。母親は捕まり、子どもは意識不明の厳しい状態で救急搬送。その後意識が戻ったと連絡があり、歓喜に湧く未成年保護部隊。そして事件解決の打ち上げとばかりにクラブで盛り上がる。

ここが私にとって最も印象深いシーンです。

意識が戻るとは、決してその前の状態とイコールではなくて。生命維持ができても、高次機能がどこまで回復していくのかは未知数です。ましてや生後半年、脳機能に大きなダメージを受けたのは間違いなくて、それでなくても母親は薬物中毒で育児困難。もちろんいつかはそこから脱却できるかもしれないけど、少なくとも今は厳しい。

そして未成年保護部隊は子どもの意識が戻ったことに歓喜している。その子のその後の人生の責任は当然彼らにはない。

ICUで働いていると、同じような気持ちになるのです。患者さんのわずかな変化を見逃したら命に関わり責任は大きいとは思いますが、それがICUという場での看護師としての役割なだけです。

そしてそれら医療行為が本当の意味でご本人やご家族にとって幸せなのかは私にはわかりません。医療処置は鎮痛薬は使うけど苦痛も伴います。そして、この急性期を乗り越えたとしても障害を抱えたその後を支えていくのはご家族です。それよりも、これも寿命として安らかに自然の流れに任せることの方が幸せじゃないのか、と思わずにはいられないことも多いです。

未成年保護部隊も、医療者も、その時の自分の役割を全うすることが仕事で、それ以上の責任を背負う必要は当然、ありません。でも、その重圧からか自分の仕事を過大評価しがちになりやすい。私も痛いほどわかります。クラブで盛り上がっている未成年保護部隊のメンバーたちが、そうして自分たちの仕事への士気をギリギリのところで保とうとしているようで、そして本当の現実を考えないようにしているように感じて。もちろん彼らは何も悪いことをしていない。そんなことまで考えていたら自分の仕事を全うできない。でも…　

そしてどれだけ社会的に良いことをやっているような仕事・立場でも、結局、子どもにとって母親との関係性が最も重要となってくる。当然父親もですが、母親との関係がベースだと思うのです。そこを誰も代わりをやることは出来ません。

でも、子どもはセックスをすれば求めていなくても生まれることがある。じゃあ、誰もが最初から母親なのかといえばそんなのは無理に決まっている。でも、母親になるという覚悟を持たないといけないのは当然で。でも、私は自然派育児に盲目的に邁進し、それが母親としての役割を全うしていることだと勘違いしていました。人を愛することを能動的にしたことがなく、今も母性や子育て、家族という課題に葛藤し続けています。そんな自分なのに、子どもたちは唯一の母親である私を全力で欲している。むしろ私に愛が欠けているから、欲しているのかもしれない。そして母親はどんな自分でも求めてくる子どもの存在に安心し、自分の肯定材料にしていく。

子どもたちの問題をタイムウェーバーで分析すると大抵が私自身の問題に行き着きます。その現実が苦しくて目を背けたくなるけども、そうやって逃げ続けていいの？それが母親の役割じゃないの？と問われていると思います。

この映画のキーパーソンともなる、右の女性警部補のイリス。まじめで正義感が強く冷静だけど、潔癖さゆえに夫との関係はうまくいかず摂食障害を患っている。夫と愛情深く結ばれているとは程遠い関係。そんな彼女の前に、加害者と被害者として現れたコーチと生徒。でも、その生徒の男の子はその関係性に苦痛も何も感じていない。むしろ2人の関係は純粋な愛なのかもしれない。それに対し愛とは程遠い現実の自分。

子どもを持つということへの責任、親子の愛、性が絡み歪んだ形になっていく関係、夫の我が子への行為を訴えないといけない妻の葛藤、人間関係の衝突、別居、離婚・・・多くの登場人物、一人一人誰もが葛藤を抱えていて、愛なのか、欲望なのか、それが歪んだ時に加害者が生まれるだけで、そこに大した差はないんじゃないかと思わされるのです。

そんな世界を描き、作品として生み出したマイウェン監督。彼女自身が16歳で出産、結婚した経験も、この映画に大きく関係しているように思います。

監督のマイウェン

そして心を揺さぶられ、大きな影響を受ける背景に、やはり占星術の法則がありました。

私とマイウェンは、ホロスコープで小惑星の「セレス」がポイントとなっています。セレスは母性や養育に関わる小惑星です（参照：基本の専門用語と意味一覧 +ホロスコープの出力方法）。

私もマイウェンも、ASC、DSC、MC、IC（これらは最も個人の気質に関わる）にセレスがタイトなアスペクトを形成しています。

しかも、マイウェン のセレスと私のドラコニックチャートのASCのサビアンシンボルは同じです（双子座２２度）。

さらに、私のMC-IC軸とマイウェンのセレスは同度数（２２度）のスクエア（９０度）関係です。スクエア関係は強力に人と人とを結びつけます。

他にも重要な関係が。太陽とアングルの５つの軸と軸の重なりです。これも強力に人と人とを結びつけます。

太陽とアングルの５つの軸と軸の重なり
双子座２２度
・私のASC（ドラコニックチャート）
・マイウェンのAv（ドラゴニックチャート）
射手座２２度
・私のDSC（ドラコニックチャート）
・マイウェンのVt（ドラゴニックチャート）

参照：運命を可視化する「太陽とアングルの５つの軸」

そして軸と軸の重なりだけでなく、軸が垂直に交わる（スクエアとなる）関係も存在していました。自分の軸とスクエアとなる軸を持つ相手は、自分に必要なマスターピースを持っています。これはパートナーシップを考える時にとても重要なポイントとなります。

太陽とアングルの５つの軸と軸のスクエア（活動宮４度）
蟹座４度　：私のドラゴンヘッド（トロピカルチャート）
山羊座４度：私のドラゴンテイル（トロピカルチャート）
牡羊座４度：マイウェンの太陽（サイデリアルチャート）
天秤座４度：マイウェンの地球（サイデリアル・ヘリオセントリックチャート）

参照：最凶アスペクト「スクエア（９０度）」の本質
 

少しだけシンボルネームを紹介します。

牡羊４「二人だけで人里離れた歩道を通って散歩する恋人たち」
天秤４「キャンプファイヤーを取り囲む人々」
蟹４　「ネズミと議論する猫」
山羊４「大きなカヌーに乗り込む一群の人々」

上２つ（牡羊と天秤）がマイウェンの持つ軸、下２つ（蟹と山羊）が私の持つ軸です。

牡羊座４度はマイウェンの太陽（サイデリアル）で、この映画のテーマとリンクします。「二人だけ」「人里離れた歩道」は、社会から隠された場所をあらわします。「恋人たち」は愛の問題です。「二人だけ」と「恋人」が示す２という数字や男女は、陰陽、表と裏、光と影などを表します。

私にとって蟹４度と山羊４度は大きなテーマの一つです。その象意に家族愛があります。その課題に向き合う時のヒントであったり、欠けている要素がスクエアの牡羊と天秤の４度にあります。私にとってマイウェンはその存在であり、だからこそ、この映画が大きな影響力を与えてくれたのだと思います。

蟹４度と山羊の４度はクリント・イーストウッドも持っています。彼には８人の子どもがいますが、彼が「家族愛」や「子どもを持つこと」を強く意識している結果とも考えられます。（その話は有料ですけど面白いのでぜひこちらを→「７ハウスの天王星Part.5「おしどり夫婦の秘密は90度!?」）

マイウェン／COURRiER

サビアンシンボルは自分の意識や精神のDNA（遺伝子）です。サビアンシンボルを知ることで、自分のDNAを知る。そして、同じDNAを持つ人、自分に必要なマスターピースのDNAを持っている人に強力に惹きつけられます。

そこから自分のDNAに刻まれている意識や精神を再認識していきます。

サビアンシンボルを知らなかったら、私の人生に母性や家族が重要だと明確に意識することはなかったと思います。でも振り返れば「子育てお母さん」に向けた講座をしていたこともまさに母性の世界。実は自然にやっていたのに、認識していなかったという矛盾。サビアンシンボルによって自分の進むべき方向性への根拠が明確となり、迷走していた私の道標となり、ようやく、その意義を実感するに至っています。

そのDNAが生み出す運命は決して楽なことばかりではありません。だからこそ、それを克服した時に大きな財産となっていくのだと思います。でも、楽じゃなくて、自分の深くに向き合うことになるので、逃げ続けたんですけどね＾＾；でも逃げられない。自分の運命だから。

ご自身のサビアンシンボルを知ることは「本当の自分とは何者か？（生まれ持った自分の気質）」「人生の課題とは？」を知ることになります。分析セッションでご自身のDNAを確認しにきてください。

エビデンス・ベースド・アストロロジー / ５チャート分析セッション | 自然の法則とカラダをつなげる学びの場 - honoiro

この映画を観た瞬間、私に通じるものを感じ、マイウェン監督のホロスコープを調べ、上記したドンピシャの繋がりを発見、そして私に映画を薦めてくれたのがサビアンシンボル分析セッションを行なっている夫です。この能力は本当にすごいと思います。

分析セッションではこのように自分にとって重要となるサビアンシンボルを持つ著名人、関係する映画を多数クライアントさんにお伝えしています。

苦しくもありながらも、こうして心にささり、熱くなる作品に出逢え、考えさせられ、心が満たされました。（この映画に興味を持たれた方、ぜひとも詳細な映画の内容を調べずにご覧下さい。Wikipediaも読まない方がより映画を楽しめます。）

満たされて終わりではなくて、ここから自分の人生に反映させていくことが必要ですね＾＾；

タイムウェーバーセッションを行っています。悩みや人生の課題に対し、必要な意識・行動は何か、分析します。

タイムウェーバー 深層心理分析セッション（Etsuko） | 自然の法則とカラダをつなげる学びの場 - honoiro

映画・本から学んだことを綴ったnote記事です。

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