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レシピ
食エッセイにはレシピが付き物である。私はそれを、うまく活用できたことがほとんどない。”ほとんどない”という言い方さえ、見栄を張っているぐらいだ。
このあり方は、邪道だろうか。周りに食エッセイ好きがいないから分からないのだが、レシピを見て実践してみるまでが一般的なのだろうか。それとも、むしろレシピの方が主目的?
悩んでいても埒があかないので、今度食エッセイを購入した際は、掲載されているレシピを用いて調理してみよう、と心に決めた。
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実践本に選んだのは、水森亜土の『亜土のおしゃれ料理』(ちくま文庫)。選んだ理由は、次に引く「はじめに」の一節を読んだからだ。
「料理のセンセのむずかしい講義なんか気にしないで、気楽にどんどん自分で自己流でやってしまえばいいンです。"下手な鉄砲も数打てばあたる"って諺の通り、失敗したっていろいろとためしているうちに、一つの味が出来ちゃうものでゴザルぞー。」
(水森亜土『亜土のおしゃれ料理』ちくま文庫、P9)
こういう記述があると、緊張がほぐれる。「この本でなら、気楽に実践できそう」、そう思えた。
「フランスパンにツナをはさんだサンドイッチが大好物。ツナはキャベツ、きうりもすこし入れマヨネーズ味のもの。
ツナ(マグロのフレークのこと)のかんづめを切って、中から"み"を出す。キャベツ、きうりをきざんでもんでおく。両者合わせてマヨネーズ、塩、コショーで味つけ。パンにはさむ。パンにバター、ときがらしをつけてもつけなくても自由。アドはからしは苦手。
ツナのかんづめ半分でサンドイッチ作ってお弁当にして、残りの半分は、また同じに使ってもいいし、夜、炒めものに入れたっていいでしょ。」
(水森亜土『亜土のおしゃれ料理』ちくま文庫、P152〜153)
色々考えた挙句、選んだのが「ツナサンドイッチ」。「お手軽すぎでしょ」という声が聴こえてきそうだが、まだ頑張った方だ。最初「バターピーナッツとマーマレードのサンド」という、パンにバターピーナッツとマーマレードをぬるだけの料理(?)を選ぼうとしていた。バターピーナッツもマーマレードも普段から個別に使っているので、それを同時にぬるだけで済んでしまう。あえて何かを購入する必要すらない。
正直「ツナサンドイッチ」においても、購入しなければならなかったのはフランスパンだけだ。ツナもキャベツもキュウリも、よく食べるから自宅にある。
自宅にあるものだけで調理できるレシピを、あえて選んだ。「お手軽レシピ!」と謳っておきながら、材料は専門店でないと買えない、なんてお料理本をときどき見かける。それと比べると、『亜土のおしゃれ料理』の内容は親切である。
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何の苦労もなく完成した、ツナサンドイッチ。味はそれなりに満足のいくものだったが、「ツナとマヨが入ってれば、基本おいしくなるのでは?」と思ったりもする。
今度機会を設けて、友人に毒見をさせる予定だ。
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