ほんのひととき

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“旅や本にまつわる読みもの”を日々お届けするウェブマガジンです。月刊誌「ひととき」の人気連載や特集の一部、文化・歴史をテーマとする書籍の内容や、ウェブ限定記事もお楽しみいただけます。[運営]株式会社ウェッジ ✉️honno.hitotoki@wedge.co.jp

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    ひととき2024年8月号【特集】京都発、観光列車で巡る夏

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    京都古社に隠された歴史の謎 知られざる古都の原像と信仰

    古川順弘
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    語りだす奈良 1300年のたからもの

    西山 厚
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    「そうだ 京都、行こう。」の30年

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    君たちはどの主義で生きるか ~バカバカしい例え話でめぐる世の中の主義・思想~

    さくら剛

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  • 旬・美・遊

    旬のおでかけ情報をはじめ、気になる新刊や新商品、見逃せない展覧会や伝統的なお祭といったご当地の話題など、さまざまなトピックをお届けします。

  • 地元にエール これ、いいね!

    日本全国の“地域の宝”を発掘する連載コーナー「地元にエール これ、いいね!」。地元の人々に長年愛されている食や、伝統的な技術を駆使して作られる美しい工芸品、現地に行かないと体験できないお祭りなど、心から「これ、いいね!」と思える魅力的なモノやコトを、それぞれの物語と共にご紹介します。

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    おすすめの展覧会をご紹介します。

  • 「ひととき」の特集紹介

    旅の月刊誌「ひととき」の特集の一部をお読みいただけます。

  • あの街、この街

    各界でご活躍されている方々に、“忘れがたい街”の思い出を綴っていただくエッセイです。

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伝統×前衛─奈良の新しい食文化を発信【narawashi nagaya】

 奈良県橿原市の重要伝統的建造物群保存地区・今井町にたたずむ築約150年の長屋を生かして、奈良の新たな食文化を育む複合施設「narawashi nagaya」が6月にオープンした。  このうち、飲食スペースは3つの業態で運営する。奈良県生駒市でミシュラン一つ星を獲得したリストランテの堀田大樹シェフが監修する「dulce communico」は、奈良の果実を使ったデザートをコースで提供し、ティーペアリングも楽しめる。同スペースを、国内外の料理人が奈良の食材を用いて腕を振るうポ

    • 【水だんご】名水の里・黒部「生地」で育まれたおやつ(富山県黒部市)

       北アルプスから富山湾へと流れ込む黒部川左岸の扇状地帯に「生地」という小さな港町がある。この町では古来、「清水」と呼ばれる湧き水が至る所に点在し、人々の暮らしに潤いを与えてきた。今も清水スポットが20カ所あり生活に利用されているほか、個人宅の湧き水を含めると600カ所にもなるという。  生地には、地元の人々が愛してやまない名物がある。「水だんご」「水だご」と呼ばれて親しまれてきた。米粉に片栗粉を混ぜて蒸し、滑らかになるまで突いたら棒状にし、あめ玉ほどの大きさにする。食べる前

      • 東京都指定有形文化財「百段階段」で味わう、妖しくも美しい7つの物語|ホテル雅叙園東京「和のあかり×百段階段2024~妖美なおとぎばなし~」

        2015年から夏の恒例催事として行われてきた企画展「和のあかり×百段階段」。9回目を迎えた今年は「妖美なおとぎばなし」をテーマに、粋を凝らした作品が全国から集結。2024年9月23日まで、ここでしか味わえない贅沢な空間が堪能できます。 それでは、めくるめく不思議な物語の世界へとさっそく足を踏み入れてみましょう。 竹取物語はじめに訪れたのは、十畝の間。 林立する竹灯籠と、和紙でつくられたやわらかな月の光が表現するのは、幻想的な「竹取物語」の世界。荒木十畝の描く花鳥画と一体に

        • 親子で楽しむ! 嵯峨野鉄道1dayトリップ|〔特集〕京都発、観光列車で巡る夏

           旅先の選び方が、子どもが生まれて変わった。自分が何をしたいかではなく、学習や情操教育を考え、探すようになった。京都はその意味で大変魅力的だが、わが子はまだ小学1年生。寺社めぐりは将来にとっておくとして、今回の旅は、親子で大好きな鉄道をテーマに少し足をのばしてみる。  まず、京都駅からJR嵯峨野線(山陰本線)で15分程度の嵯峨嵐山駅へ行き、そこで乗り換える「嵯峨野トロッコ列車」だ。 鉄道好きの息子は、車内で叫ぶ。 「あのトンネル、レンガ造りだ!」  嵯峨野トロッコ列車が

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        • 【水だんご】名水の里・黒部「生地」で育まれたおやつ(富山県黒部市)

        • 東京都指定有形文化財「百段階段」で味わう、妖しくも美しい7つの物語|ホテル雅叙園東京「和のあかり×百段階段2024~妖美なおとぎばなし~」

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        記事

          最果ての地で感じた小さな生活の営み|仁科勝介(写真家)

          2023年春から、平成の大合併で無くなった旧市町村を巡っている。大学生のときに現在の市町村を巡り終えることができて、大きな喜びと達成感に包まれたけれど、わずかな物足りなさがあることも感じていた。旅という行為への物足りなさではない。日本という土地の全体像を肌で感じ取るには、まだ足りていない、という感触だった。そうして旧市町村を巡る旅を始めて460日経つ。2200ほどの旧市町村を巡る旅であり、今は1200ほど訪れたところだ。 さて、青森県で有名な観光地はいくつかある。奥入瀬渓流

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          叡山電車「きらら」で貴船まで|〔特集〕京都発、観光列車で巡る夏

          「京都の人は叡山電車で貴船に行きますか?」。夏のはじめに質問をいただいた。行きます行きます、少なくとも私が貴船へ行くときは、叡電です。  もちろん貴船へ行く方法はほかにもある。けれど、貴船は市内とはいえ、気温だけでなく、空気感もまったく異なる別天地。気の生ずる根源として「気生根」の字もあてるほど、そんな聖域へ足を踏み入れるには、いつもとはちょっと違う手続きが欲しい。  そうしたとき、鴨川デルタのほど近く、「出町柳」という小さな駅から1両か2両でゴトゴト走っていく叡電は、非

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          【MIHO MUSEUM】特別展「奈良大和路のみほとけ ─令和古寺巡礼─」の見どころを、仏像イラストレーターの田中ひろみさんが現地レポート!

          滋賀県甲賀市信楽町「MIHO MUSEUM(ミホ ミュージアム)」の夏季特別展「奈良大和路のみほとけ ─令和古寺巡礼─」〔会期2024年7月6日(土)~9月1日(日)〕のプレス内覧会に参加しました。 緑が多くとっても素敵な「MIHO MUSEUM」で、私の大好きな奈良の仏像の数々を拝めるという素晴らしい展覧会です。 記事冒頭の入口ポスターの写真は、大安寺蔵の奈良時代の秘仏・馬頭観音菩薩立像。展示期間は8月6日〜9月1日のため、私が訪れた時はお会いできませんでした。 会場

          【MIHO MUSEUM】特別展「奈良大和路のみほとけ ─令和古寺巡礼─」の見どころを、仏像イラストレーターの田中ひろみさんが現地レポート!

          不忍池でハスと風鈴の音を愉しむ(上野恩賜公園)

          上野恩賜公園にある不忍池のハスが見頃を迎えています。蓮見デッキでは8月12日まで、2,000個の風鈴が涼しげな音を奏で、夏の風情を盛り立てます。 ここでは不忍池の歴史を振り返りながら、美しく咲き誇るハスの姿をお届けします。 江戸時代から人気だった不忍池のハス不忍池のハスがいつから植えられているかは、はっきりわからないそうです。ただ、1677年に出版された『江戸雀』という本には、不忍池のハスを詠んだ和歌が所収されています。 涼しやと池の蓮を見かへりて 誰かは跡をしのばずの

          不忍池でハスと風鈴の音を愉しむ(上野恩賜公園)

          数十年かけて一度だけ咲く花──アオノリュウゼツラン咲く日比谷公園へ

          「センチュリープラント」の別名を持ち、“一世紀に一度しか咲かない花”とも言われるリュウゼツラン。7月11日に日比谷公園で開花が観測されて以来、連日多くの人がこの“幻の花”を観に、日比谷公園を訪れています。 今日は、開花から一週間余りを過ぎたアオノリュウゼツランの現在の姿をお届けします。 リュウゼツランは数十年かけて一度だけ花を咲かせたあとは、枯れてしまうそうです。日比谷公園では、2019年にも別の株のリュウゼツランが咲き話題となりましたが、いまはその子孫が同じ場所に植えら

          数十年かけて一度だけ咲く花──アオノリュウゼツラン咲く日比谷公園へ

          村井美樹さんと行くきらめく丹後鉄道紀行|〔特集〕京都発、観光列車で巡る夏

          海に向かって出発進行! スタートは京都駅の31番ホームから。乗り込むのは特急「はしだて」5号、天橋立行き。この列車は「丹後の海」と名付けられた美しい車両で運行されている。  日本海の中でもひときわ澄んだ藍の色、丹後の海原を映したようなメタリックブルーの車体が「これから、海に行くぞー!」という気分を盛り上げてくれるのだ。村井さんは? とホームを見回すと、発車前の列車とツーショット。その手もとを見ると可愛いこけしがニコッ。 「旅に出る時はいつも、行き先や、列車の色に合わせたこ

          村井美樹さんと行くきらめく丹後鉄道紀行|〔特集〕京都発、観光列車で巡る夏

          唐招提寺の鑑真和上像に込められた弟子たちの想い──西山厚『語りだす奈良 1300年のたからもの』

          唐招提寺の忍基は、講堂の梁が折れる夢を見た。 眼が覚めた忍基は、これは鑑真和上が亡くなる知らせに違いないと考えた。 いやだ。師がいない世界で生きるのは耐えがたい。鑑真和上は、ほかのどこにもいない、最高の師だった。 弟子たちは、師が生きておられるうちに、肖像を造ることにした。師の姿をこの世に留めるために。 まず、土で師の姿を造る。その上に麻布を漆で何枚も貼り重ねていく。一番上には、師の衣をいただいて着せた。それが終わると、背中に窓を開け、中の土を取り出す。 麻布の上に

          唐招提寺の鑑真和上像に込められた弟子たちの想い──西山厚『語りだす奈良 1300年のたからもの』

          福岡・IMURIの土鍋和風おこげ|柳家喬太郎の旅メシ道中記

           学生時分からの非モテ文系男子で“格好つける”のが苦手です。おまけにお洒落に疎い。どのくらい疎いかというと、昔こんなことがありました──。  僕が真打になって間もない頃。「笑点」でお馴染みだった故・林家こん平師匠を筆頭に大人数の編成で、北関東から北海道まで北上する長旅の仕事があったのです。  どこかの街で、公演後の酒席でした。こん平師匠は無類の卓球好きだったのでジャージ姿で寛ぐことも多かったんですが、いつも身綺麗にして上等そうな服を着ていらした。そんな話から、僕の弟弟子が

          福岡・IMURIの土鍋和風おこげ|柳家喬太郎の旅メシ道中記

          「俳句と一緒にいたいと 一途に恋していた20代でした」神野紗希(俳人)|わたしの20代

           俳句との出合いは愛媛・松山の高校時代。放送部の活動で取材した「俳句甲子園」でした。高校生の句は、進路や恋愛に悩んでいたりして、「この気持ちは分かる!」と思ったのです。当時は蜜柑山から海を眺められる町に祖父母や両親、弟と暮らし、高校までは自転車で片道40分。風を感じながら、俳句を考える。蝶も気にしなければただの蝶ですが、春はモンシロチョウで夏はアゲハと違いがある。言葉にするって、見えなかったものを可視化することなんですね。  そういう毎日だったので、上京後の大学生活にはなか

          「俳句と一緒にいたいと 一途に恋していた20代でした」神野紗希(俳人)|わたしの20代

          猫と炭鉱と水の記憶~台湾新北市「猴硐礦工文史館」|へうへうとして水を味ふ日記

          前にもここの駅で降りた。そのときは「猫村」がお目当てだった。 台湾北部の平溪線は、ランタンあげや十分瀑布などが日本でもよく知られる炭鉱開発のための元・産業鉄道である。基隆川の上流に沿って走る平溪線のまどからは、日本の鉄道ファンが「台湾の保津峡」とも呼ぶ渓谷美がひろがり、炭鉱跡に足を運ぶ廃墟ファンもすくなくない。 その駅のひとつ「猴硐」では、いつの間にか駅構内や住宅地にやたらと猫が増え、それをお世話する団体もできて各国の猫好きが訪れるようになり、「猫村」という人気の観光スポ

          猫と炭鉱と水の記憶~台湾新北市「猴硐礦工文史館」|へうへうとして水を味ふ日記

          二つの本屋|佐佐木定綱(歌人)

           二つの本屋があった。    ひとつは商店街にある陽明堂「日原書店」、ひとつは駅前デパートの中にある「紀伊國屋書店」。25年ほど前の二子玉川の風景である。  「知っている人」は土曜の夕方になると日原書店を訪れる。週刊少年ジャンプを土曜の16時ぐらいに売り出すのだ。早売りである。禁じられている。    外からは見えない入り口の横のスペースにこっそりと、表紙を隠すベニヤ板まで載せられて、そのブツは積まれている。期待と禁断症状に震える手でそこからいち早くジャンプを抜き出すときの喜

          二つの本屋|佐佐木定綱(歌人)

          夏のクラクション|文=北阪昌人

           夏休みの教室には、誰もいなかった。夕陽が斜めに射しこみ、机や椅子の影を色濃く落とす。  私は自分が担任する教室を、ゆっくりと見渡す。高校の国語教諭になって30年あまり。今も夏の夕暮れ時の教室が好きだ。いつものように、ブラスバンド部の練習が始まった。  ファン、ファーン!  アルトホルンの音が聴こえた瞬間、急に胸が締め付けられるような郷愁を覚えた。何度も聴いていたはずなのに、今日はなぜか違って聴こえる。  昨晩、祖母の夢を見たせいだろうか。この音は似ている。櫛田川沿い

          夏のクラクション|文=北阪昌人