喜六家清八こと山口識行

1982年10月30日から東海道の宿場町(新居)の片隅で、「普通に笑って過ごせる」地域…

喜六家清八こと山口識行

1982年10月30日から東海道の宿場町(新居)の片隅で、「普通に笑って過ごせる」地域寄席「本果寺寄席」を企画、継続して開催しております。私は、静大落語愛好者の会OB、主催者の特権で前座を務めております。約51年前から落語・演芸関係の書籍・音源・映像の収集中です。

最近の記事

  • 固定された記事

喜六庵の「あくびの稽古」にお付き合い下さい その十一

本果寺寄席の10年と瀧川鯉昇師匠 Part.1 私は、東海道の宿場町「新居」の小さな会場で、1882年10月30日から、普通に「笑って過ごせる」地域寄席を企画し、継続して開催してきました。予定では、2024年11月24日には、瀧川鯉昇師匠の会を100回記念会として開催する予定です。初回から26回目まで、10年間一緒に動いてくれたスタッフのうち、4人の方は亡くなってしまいました。当然ですが、初回から昨年の第97回まで一緒に参加してくれた常連の方々からの「もう伺えません」連絡も増

    • 復刻版「よせあつめ瓦版・ランダム」その8(94.11.1~11.30)

      1994年11月2日(水)  「上方芸能119号」が届いた。今回の特集は、創立80周年を迎えた「宝塚歌劇」であったが、立命館大学の安斎育郎教授の「霊感を科学する」で、タカツカ・ヒカル氏を取り上げていた。今年の7月に対談した時の印象を次のように書いている。  「ともあれ、この広告会社のサラリーマンは、自分でもよく分からない『ヒーリング・パワー』なるものを拠り所に世間を煙に巻き、一方では『タカツカ・ヒカル手かざしヒーリング・パワー教教祖』を演出しつつも、他方の心の片隅では、不条

      • 復刻版「よせあつめ瓦版・ランダム」その7(94.10.1~10.31)

        1994年10月3日(月) 大阪芸能懇話会より「藝能懇話」の第八号が届いた。  平成元年に第一号が創刊された。この会誌は、大阪の小屋の藝・座敷の藝の資料の紹介を主目的としているため、かなりマニアックであるが、貴重な資料を掲載してくれるので楽しみにしている。例えば、明治40年2月の上方主要寄席出番表を当時の新聞記事から集約してまとめてくれている。当時の大阪・京都・神戸で活躍する芸人の数が約140名という状況がわかり、それぞれの土地での番組傾向が読み取れておもしろい。 1994

        • 復刻版「よせあつめ瓦版・ランダム」その6(94.9.1~9.30)

          1994年9月3日(土)  浜松東映劇場で、ムーンライトシアター「さらば、わが愛」(中国香港合作)を観る。  京劇の古典的名作「覇王別姫」を劇中劇ら取り入れ、京劇の立ち役と女形の愛情の物語である。二人は、1920年代の少年時代から鞭打たれながら、名優に成長するが、日本軍の侵略や共産革命、反右派闘争、文化大革命と時の政治に翻弄される。この間に、立ち役に好きな女楼出身の女性が出現し、三つ巴の愛憎劇が繰り広げられる。  とにかく三時間の上映時間があっという間に過ぎてしまい、観客席に

        • 固定された記事

        喜六庵の「あくびの稽古」にお付き合い下さい その十一

          復刻版「よせあつめ瓦版・ランダム」その5(94.81~8.31)

          1994年8月1日(月)  山田洋次監督の新作落語集「真二つ」が新潮文庫として出版された。  柳家小さん師との対談は、本書が初収録とのことだが、昭和54年8月に発行された「落語」の創刊号からの転載でした。今、読み直してみると、映画の作り方について、「ぼくの知ってるアメリカのシナリオライターにいわせると、『何十億という投資をするには、やまかんでやるわけじゃない、それに見合うだけの技術が作り手に積まれているんだ』と。彼はわりに日本の映画界を知ってる人だけど、『日本の若い作家達は、

          復刻版「よせあつめ瓦版・ランダム」その5(94.81~8.31)

          第100回本果寺寄席は、11月24日(日)17時開演です。ご予約は、9月1日からお受けしてます。

          「瀧川鯉昇・鯉三郎 親子会」  新居・寄席あつめの会の主催者、喜六家清八こと山口識行です。  当会は、1982年10月30日、二ツ目時代の春風亭愛橋(元・瀧川鯉昇師匠)の勉強会としてスタートしました。  東海道の宿場町「新居」の片隅で、普通に「笑って過ごせる」地域寄席として企画、継続しております。  これまでの来演者は45名、延べ330席の「噺」を聴いていただけました。 と き 2024年11月24日(日)            16時30分開場 17時開演 19時終演

          第100回本果寺寄席は、11月24日(日)17時開演です。ご予約は、9月1日からお受けしてます。

          復刻版「よせあつめ瓦版・ランダム」その4(94.7.1~7.31)

          1994年7月1日(土)  京都市内のレコード店で、珍品CDを購入した。  1枚目は、古今志ん生の「火焔太鼓」をラップに仕上げた「ラップ火焔太鼓」(ポニーキャニオン)。編集スタッフに落語を理解している方が多いらしく、実にうまくできていて、本編を知らなくても楽しめます。2枚目、3枚目は、中村とうよう氏のSP盤コレクションのCD化に取り組んでいるメタ・カンパニーから発売されていた「萬歳の至芸・砂川捨丸」「天才的話芸ミスワカサ・玉松一郎」です。  特に、昭和13年に当時の吉本が中国

          復刻版「よせあつめ瓦版・ランダム」その4(94.7.1~7.31)

          復刻版「よせあつめ瓦版・ランダム」その3(94.6.1~6.30)

          1994年6月5日(日)  NHK衛星第一で、「ザ・ロンゲストディー・ノルマンディー作戦50周年」を見る。  ノルマンディーのドイツ兵の墓地で、アメリカの観光客(元兵士)が墓石を土足で踏みにじっていた。逆に、ドイツの現役の部隊が一年に一度、墓石を手洗いしている場面もあった。後日、この場面に対して様々な意見があったようだが、考えさせられる事が多く、ドイツの戦争責任・補償の基本方針の原点を見たような気がした。 1994年6月9日(金)  NHK衛星第二で、「フォーク大全集」。今

          復刻版「よせあつめ瓦版・ランダム」その3(94.6.1~6.30)

          復刻版「贋作・ひとりごと」No.16

           スクラップの中から、新たに次の三部が見つかりましたので、こちらも復刻させていただきました。 遠文連ニュース「はぴねす」No.174(1982.4.10)より  毎晩、毎晩、何かに誘われてしまうため、テレビの前に居ることはほとんどない。時々、お誘いのない時チラッと見ると、安易なクイズ番組の多いことに驚かされる。  テレビのクイズ番組って、正直言って好きじゃないですね。  正解だった時の回答者の表情、どうもこれがいただけない。テレ笑いで、はにかみながら自分で拍手して、何か、

          復刻版「贋作・ひとりごと」No.16

          復刻版「よせあつめ瓦版・ランダム」その2(94.5.1~5.31)

          1994年5月5日(木)  浜松シネマウエストで、和田誠監督作品「怖がる人々」を観る。  日本版トワイライトゾーンで、日本の恐怖小説の中から5作品を映像化してある。「火焔つつじ」「箱の中」「吉備津の釜」「乗越駅の刑罰」「五郎八航空」。タイトルほどには怖くないのだが、この5作品を選び出した、和田誠の感性には拍手を送りたい。  日本映画の低迷は長く続いているが、一つには観客動員数が落ちたから「ヤクザ映画」を止めようという、採算だけで、時代状況を考えようとしない勝手な映画老人たちの

          復刻版「よせあつめ瓦版・ランダム」その2(94.5.1~5.31)

          復刻版「よせあつめ瓦版・ランダム」その1(94.4.1~4.30)

          よせあつめ瓦版・ランダム(芸能・文化のスクラップ・ノート)  1994年4月1日から96年1月31日まで、22ヵ月間、観たり、聴いたり、読んだり出来たスクラップ・ノートを書いていました。  当時、高級品であった富士通のビジネス型パーソナル日本語ワードプロセッサー「OASYS30AF」を使っていました。重量8.4kgで3.5インチFDでした。本体もフロッピーディスクもすでに処分しました。ところが、コピー用に印刷してあった原紙は保管状態が良く、鮮明に読み取ることが出来ました。そ

          復刻版「よせあつめ瓦版・ランダム」その1(94.4.1~4.30)

          復刻版「贋作ひとりごと」No.15

          遠文連ニュース「はぴねす」No.288(1991.10.10)より  たべものの常識ある値段って考えた事がありますか。土地代や人件費が高くつくから高いという都会の一方的な常識が地方にも広がってきているようです。特に再開発ビル内のテナントはひどいんではないでしょうか。企業だから、自由社会だから、何をやってもいいのですが、特に静岡県庁所在都市の新テナントは、はっきり言って暴利です。売上見込み、利益見込みを大幅に上回ったといって喜んでいるアホがたくさんいてますが、一体、何を考えて

          復刻版「贋作ひとりごと」No.15

          復刻版「贋作ひとりごと」No.14

          遠文連ニュース「はぴねす」No.281(1991.3.10発行)より  仕事柄、車の中でラジオを聞く機会が多いのですが、NHKの健康相談とか育児相談とか聞いておりますと、カルチャーショックを受けて、身につまされる事が多々あります。聞きかじりで申し訳ないのですが、例えば、現在、平均寿命は女性の方が約10才は長いとされておりますが、もうすぐ同じになるのだそうです。男性が長くなるのなら良いのですが、女性が短くなっていくのだそうです。  医学的に難しいことはわかりませんが、思春期に

          復刻版「贋作ひとりごと」No.14

          復刻版「贋作・ひとりごと」No.13

          遠文連ニュース「はぴねす」No.272(1990.6.10発行)より  私の15年来の朋友である春風亭愛橋が皆様のお陰をもちまして、真打に昇進致しました。しかも、風薫る五月に「春風亭鯉昇(しゅんぷうてい りしょう)を襲名という二重の歓びとなりました。五月上席は新宿末廣亭、中席は浅草演芸ホールにおいて披露公演を行ってまいりました。浜松市出身で、唯一真打まで到達した噺家です。1983年には、「NHK新人落語コンクール最優秀賞」、1988年には「にっかん飛切落語会若手落語家奨励賞

          復刻版「贋作・ひとりごと」No.13

          復刻版「贋作・ひとりごと」No.12

          遠文連ニュース「はぴねす」No.265(1989.11.10発行)より  国とか地方自治体が中心になって全国でリゾート地の開発計画が推し進められてますよね。いつ、誰が何の目的のために実現させようとしているのか浅学な私にはわかりませんが、既に不動産業者、プランナーのおいしい金儲けになっているのではないでしょうか。おそらく彼らは自然保護とか自然環境とのバランスなどは考えていないだろうし、自分たちの孫の代までの環境も考えていないと思うのです。博覧会騒ぎの次がリゾート地開発騒ぎなの

          復刻版「贋作・ひとりごと」No.12

          復刻版「贋作・ひとりごと」No.11

          遠文連ニュース「はぴねす」No.258(1989.4.10発行)より  ご縁がありまして、2月19日に西武シティ8で「桃山晴衣・三弦の世界」のプロデュースをしました。1時間のコンサートと30分の講演という内容だったのですが、この講演のテーマも私が独断と偏見で決めさせていただきました。「邦楽の美意識・アジアの中の邦楽・伝統芸能は博物館にしまっておくほうが良いのか」というよくばりなテーマたったのですが、うまくまとめていただけました。  講演の概略としては、明治維新後・第二次世界大

          復刻版「贋作・ひとりごと」No.11