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蜂鳥 要
2021年7月28日 10:49
日蝕それは夏のうだる様な暑さの中。皆既日食の日の出来事である。皆が日食に嬉々としている。人々は黒い下敷きのようなメガネで太陽を見ていた。1組のカップルの男性はキザな台詞をはき、女性はうっとりと太陽を見ていた。また別の少年たちは、昼日中なのに暗くなった事にワクワクしているようだった。明るくなるとお祭りムードの消し飛ぶ様な悲鳴が聞こえた。ふと周りを見廻すと異様な生物がいる。そ
2022年5月25日 01:20
0.Prologue日本のとある片田舎のA村その村は大きな化学工場で潤っていた。それは赤い月が怪しく輝く夜だった。工場近くにある森の湖畔。長身のスラっとした長髪の女性が佇んでいる。鈍色がかった湖にの反射にてらされたその顔は美しく、しかし無表情に近い微かな憂いを帯びていた。湖に静かに波紋が広がっていく。同時に森にいた多くのカラス飛び立った。カラスの羽音が去っていった後の静寂
2023年4月25日 14:03
1.帰路うとうととしていた。バスの中で、男は重たい気持ちと一緒にまぶたをあげる。妻は出産準備の為に入院している。状態が芳しくないらしい。妻と出逢ったのは学生時代。私の一目惚れだったが、後から妻も私を気になっていたと言う。仕事も軌道に乗り、独立する事が出来た。しかしながら子宝には恵まれず、不妊治療を3年続けてやっとの妊娠だった。積極的に妻と頑張ってきたが、今日の診断で落ち込