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たった740円で、「明日、会社クビになっちゃっても何とかなる」って確信できた話。

ただのやせ我慢だろ。

この本を手にとった最初の印象であった。

本を買うときは、
ネットで購入することも多い。
ただ最低でも月に1回は
リアル書店で本を買うことにしている。

リアル書店では、
ジャケ買いをする。

つまり店頭で見かけた
パッケージデザインだけで
判断して購入するのだ。

中身を見たら、
まったくの期待はずれに
なることも多く後悔することも
少なくない。

だが新しいジャンルにふれることでの
発見の恩恵のほうが大きい。

こんなことが好きだったんだって、
意外な自分に出会える。

月に1回はぜひリアル書店に
足を運んでみることをお勧めしたい。

むしろ表紙のデザインで
判断するのではなく、
目をつぶって本屋の棚から
取り出した本や、
もしできるなら、
ガチャガチャで出てきた
本を読むような体験もしたい。

そして今回手にとった本はこちら。


年収90万円でハッピーライフ 
大原扁理(著)
ちくま文庫

これは、現在は台湾に移住した著者が、
東京郊外で週休5日の
年収100万円以下で
隠居生活のノウハウや
感じたことを著したものである。

ところで、みなさん。
来年から、

「週2日しか会社来なくていいから、
年収90万円で暮らしてね」

って言われたら、どうしますか。


ご自身が独身だったというケースで想像してくださいね。


「無理だろ、ムリ、絶対むり」


これが私の感想であり、これは本を読んでからもこの気持ちは変わらない。

なので、私は年収90万を礼賛し、
勧めるためにこの記事を
書いているわけではない。

できることならそれなりに稼いで、
お金がもたらす自由もある程度はほしい。
そんな執着心をもつ凡人である。

自分の感じたことを偽っていないか。

やっぱり自分の感覚が
大事ってことなんだな。

あらためて以下を読んで、しみじみ実感。

じゃあ、どんな場合にも当てはまる、
一番大切なことって何でしょうか?
それは、「どうすれば自分が幸せか?」を、
他の誰でもなく、
自分自身が知っていることではないかな。

いい大学に行って、
いい会社に行って、
30歳ぐらいまでに結婚して、
子供は二人いて、部長クラスくらい
まで出世して、
定年退職後は孫に囲まれて、
幸せに余生を過ごす。

いまの賢い若い世代は、
この「物語」が遠いものだと
気がついているだろう。


おじさん世代に
まもなくさしかかろうとする世代は、
ギリギリなタイミングで、
この物語を描く価値観を、
見せつけられていた気がする。


ステレオタイプの幸せを
追いかけても、幸せになれない。


5,6年前のこと。
年収450万-500万前後で
とんでもない金額のマンション
のローンを組んだ友人が続出した。
それも一つのライフステージの中での
大きな決断である。


本当にそのマンションに
価値を感じているなら、
何か不測の事態が起こっても、
バイトでも副業でも何でもして、
知恵を絞ってローンを払っていけばいい。


苦労を伴ったとしても、
自分なりの納得感があればそれでいいのだ。
自分で納得して選択したという事実。
それが生きているという実感を教えてくれる。

この実感を大事にすれば
人は幸せに暮らしていける。
誰かと暮らすことになったとしても、
その価値観のベクトルを
入念にチューニングしていけばいい。

その実感を偽ったり、
向き合わなかったりすると
後悔や不幸が待っているのだ。

この本の著者は、
自分自身の実感を大事にして
週休5日の隠居生活を
選んだ。どんなにページを
読み進めても、やせ我慢感や
無理強いをしている様子は感じられない。
むしろ楽しんでいる。


さてさて、自分やあなたが選んでいく
ライフスタイルとはどんなものなんだろう。

もし明日、会社をクビになったら

たとえば、もし会社をクビになったら。

世間のものさしに照らし合わせると、
「不幸度MAX」の状況である。

でも私はきっと焦らない。

経済的な自由が少し制限されたとしても、
その時の実感を大事にして選択していくだろう。

さすがに年収90万だと
厳しいけれども、なんとかなる
だろうという根拠のない自信を
この本はもたらしてくれた。

このマインドがたった740円(税抜)
で手に入りました。

決して年収が下がると言う事実が
大丈夫だということを言いたいのではない。

その時々の状況で自分自身が納得した
対処法や決断、手を打てるかが大事
なのだ。 

筆者も含め、将来の人生設計において、
経済的な自由というテーマは比重をしめる。


ただお金があるかないかという単純な
物差しや周囲の価値観に流されずに、
1人1人の実感や価値観を大事に
してほしいと思う。

ここに気づかないと、すべての物事の価値
を数字だけで捉えてしまう貧しい人間が
出来上がってしまう。

人は年を取ると、どんどんどんどん
価値観が凝り固まってしまう。

数字をシビアに見てきている人なら、
なおさらである。

ミスチルの昔の大ヒット曲。

「何が起こっても変じゃない そんな時代さ
覚悟はできてる」

あの曲から四半世紀。
いまも変わらない。

明日クビになっても、
「こんなことって本当にあるんだね」って
そう言って笑い飛ばす。

そうなっても、あらためて前をむく。
自分が納得できる決断を淡々と
していく。

人生100年時代。
多分だけど、先は長い。
そんなタフな自分でいたいとも思う。





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