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29歳経営者がイタリア挑戦に失敗して学んだ10のこと(前編)

私は言語力0、人脈0、貧弱な資金とありったけの気合いだけを持ち、
2022年末から2023年末まで1年ほどイタリアに行ってました。

料理でもサッカーでも芸術でもなく、イタリアの広告業界で俺は成りあがるぜ!!と色んなものを捨てて乗り込んだわけなんですが、
結論、人生そんなに甘くなかったです。激苦。

29歳にして初めて学んだこと、それは「準備って大事!!!」ということです。(遅すぎる気づき)
気合いと勢いだけでは、言語習得も、ビザ申請も、
こんなにどうにも出来ないのか!という事実を痛感して参りました。
(↓こちらは、出発前の意気揚々として私)

たかが1年間の海外生活といえど、日本でしか生活したことなかった僕にとっては山のように学びがありましたので、
今回とりあえず身をもって学んだことを前編後編合わせて10個書いてみます。とっても長いので全部読まなくてもいいです。興味あるものだけ読んでみてください!!!
(後半はまた後日出します。)


①家族を大事にするということ

こんなことを1番目に書くなんて、キミは何しにイタリアに行ってたの?と思うかもしれませんが、実は一番学んだことが”家族愛”かもしれません。
気づくキッカケになったのは、友達の実家に泊めてもらった時です。
まず、出会いの瞬間からびっくりしました。
自分の両親を紹介するとき、めちゃくちゃ褒めて紹介するのです。

「私のお父さんは昔、○○を作ったり、凄い立派な仕事をしてた人なんだよ!」
「私のお母さんの料理は本当においしいから、今日の夜楽しみにしててね!」

と紹介され、さらにそのお母さんも我が子のことを、
「ミリー(友達)は本当に明るくて楽しい子だから、絶対あなたに合うと思うわ!」と言ってくるのです。
家族間とは思えない、とっても素敵な紹介の仕方だなと思いました!

とっても素敵なミリーの家族。みんなでディナーをクッキング

日本には謙遜という文化があるので、むしろ家族を下げて紹介すると思います。例えば僕なら、
「僕のお父さん、面白くない冗談とか言ったりするけど、ほっといてね。」
「ウチの家庭料理、口に合うか分からないから、遠慮なく言ってね」
と紹介したことでしょう。
これはこれで日本の文化なので好きですが、家族間でも褒め合って、リスペクトを言葉にする関係って素敵だなと思いました。

次の日、二日酔いで起きてきた子供に対し「大丈夫? I LOVE YOU」と両親がハグをし始めるのです。
多分、僕の親なら「せっかく友達来てくれてるのにあなた飲みすぎでしょ」と小言を言われているはずです。

ヨーロッパはクリスマスを大事にしていて、ほぼ必ず家族全員、親戚一同で集まって大パーティをします。子どもが40歳であっても、何歳になっても。

イタリア人の男は自分の母を愛しすぎて、パートナーから煙たがれるマザコン問題でたまに議論になったりするほど。それはそれは、家族愛が強い。

とにかく何が言いたいかというと、
親からこれだけ愛を注がれて育ったら、そら自己肯定感も高くなるわ!と。
その自己肯定感の高さゆえ、あの欧米人たちの謎の自信に繋がってるのかと。
島国で生まれ、日本人という人種しか知らなかった僕には衝撃でした。

家族を大事にするということは、自分の自己肯定感を高めたり、
承認欲求を満たすことでもあるという気付きを得ました。

②海外での起業、予想の50倍大変

・ビザの取得ってこんなに大変なんですね!!
特にコロナ明けからヨーロッパでは移民対策をかなり強化していて、
学生ビザでさえ、半分くらいの割合で落とされたりしています。

僕も一度、東京のイタリア大使館に学生ビザ申請を却下されました。

留学の目的を聞かれ、
「今からイタリア語を学びにイタリアに行きます」と伝えると、
早口のイタリア語で難しい質問をされます。
「え?」って聞き返すと、「あなたの語学力ではビザを通せません。」と
その場でゲームオーバーです。一瞬でイタリアが嫌いになりました。

渡伊前でもこんなに難しいのに、現地での対応なんて比になりません。
恐ろしく不愛想な人たちと、イタリア語だけで起業やらビザやらのやり取りをするのです。それを全部1年以内にやり抜こうと思っていたのですから、私はただの愚か者です。

しかし、実際に体験できたからこそ、0準備では絶対無理だということが身に染みて分かりました。
そこから自分に足りないモノを補ってくれる人を必死に探しました。イタリアで起業を経験した日本人、日本語ペラペラなイタリア人、行政書士をやってるイタリア人、色んな現地の方々と友達になれました。

1年間という期間では叶いませんでしたが、しっかり時間をかけ、
最低限の準備を揃えれば決して不可能ではないという自信を得ました。
……と、むしろ、ビザの問題だけだったらまだ楽ですよね。。

イタリアに来た直後。辛すぎて、闇過ぎて川ばかり見てました。

・「文化の違い、当たり前の違い」を理解することの難しさ

イタリアで個人で広告業をやっているイタリア人たちとも友達になり、日本とイタリアの広告業界の違いを教えてもらいました。
そもそもイタリアは日本と比べ、とにかくファミリービジネスや個人事業主のような小規模なビジネス形態が多い。そして新参者とは取引をしない、とにかく圧倒的なコネ社会だそう。
だから資金力のない僕がイタリアで広告クリエイティブ業をやるとしたら、
予算の小さな案件を沢山抱え続けないと生活が出来ない。ということだったり、現地の実際の声を聴くことで多くの学びを得ました。

言語の違いはもちろん、国民性として何が好きで何がタブーか。
文化の違いを把握するにはとてつもない時間がかかります。
海外で仕事をするって本当に難しいことなんですね。。
それを形にしている方々は、心から尊敬します!!
僕もまたいつか、しっかり準備をして、再挑戦したいと思っています。

③英語話せないってこんなヤバいの?

僕は最初、イタリア語の語学学校に通っていました。
イタリア語をまるで話せない状態でしたが、英語も全く出来ませんでした。
ほとんどがヨーロッパ人で、アメリカ、南米系、少しアジア人というグローバル学校だったんですが、最初はみんなもイタリア語を話せないため、
全員が英語で会話をしていました。
各国の友達全員それぞれ母国語を持ちながらも、当たり前に英語で会話をする姿に僕はびっくりしました。「え…。どの国の人も、何歳の人でも、みんな英語話してるやん。。。」
会話に一切ついていけない僕は「ソーリー、ジャパニーズオンリー!」と言うしかなく、とても恥ずかしい思いをしました。

学校初日。ディナーに誘われるも、一切会話に混じれず、お誕生日席で孤独体験。

英語が話せないって、日本から一歩外に出るとこんなに恥ずかしいことだったのか!!!
この焦燥感は、今までのどんな海外旅行でも味わえない感覚でした。
グローバル要素0だった僕からすると、なぜ英語を身に着けなければならないのかという理由を知れたことが、とっても大きな収穫でした。
もし自分に子供が出来たら、いきなり英語を学ばせるのではなく、まずそもそもなぜ英語を学ぶ必要があるか。ということを体感させたいなと思いました。またそれは先のお話ですが、。

④語学力0でも意外と生活は出来る

ここで言いたいことの結論としては、
語学力0でも意外と生活は出来るけど、でも絶対に勉強してから行った方が良い!です。
むしろ言うなれば、生活自体は意外と簡単に楽しく出来ちゃいます。

日本にいる友達たちからは、
言葉喋れないのにどうやって生活してるの?とよく聞かれていましたが、
ノリさえよければ、簡単な単語と文法だけでも意外と会話出来ちゃうんですよね。
といいつつ、ノリとは何だろうか?と考えると、
一番大事なのは「あなたといると楽しいです!!感」なのかなと思います。
変にテンション上げる必要は無いと思います。
「今、楽しい~!!」感。これめっちゃ大事な気がします。
なんか楽しそうな人ってどこの場でも重宝されます。

言葉が喋れなくても実際にそうだったので、意外と重要なスキルなのかもしれません。

1か月後には15人の友達を自宅に集めて、ホームパーティーを開催できるようになってました。

でもまあ、やっぱり遊びだけ。
友達同士の会話を聞こうとすると早すぎてほとんど何言ってるか聞き取れないし、僕の発する言葉はレパートリーの少ない単語を使いまわすだけになってしまう。

言ってしまえば、
言葉が拙い子どもと遊ぶことは出来るけど、一緒に仕事をしたいとは思えない。
という感じでしょうか。
もし海外で仕事をしたいなら、楽しく過ごせても、やっぱりどこまでも勉強の継続が必要だと感じました。他言語習得って、本当に奥が深いです。

ただ、こんなに言葉をしゃべれなくても生活出来ちゃうんだ!っていうのは自分でもとても意外だったので、もっと気軽に海外に行くべきでもあるなと思いました。

語学留学ってこんなにラフで良いんだ!というのも1つの学びでした。
おじいちゃんおばあちゃんが夫婦で来てたり、親子旅行のついでに来てたり、1週間の休みがあったからバカンスがてら来た!という櫃が沢山いました。
日本だと、まず海外に行くという意識が相当ハードルが高い気がします。
さらには社会人になってから語学留学に行く!なんて言い出したら、
「人生に悩んでるの?大丈夫そう?」なんて言われかねません。

全く何にも話せなかった僕が行けたので、絶対誰でも行けます。

⑤外国人が怖くなくなった

これは英語が話せない日本人あるあるかもしれないんですが、それまで僕は外国人に話しかけられることがとっても苦手でした。英語話せないし、どう接したらいいか分からなかった。

だから今回の経験で、外国人の友達が沢山出来たというのは、僕にとってかなり大きな収穫でした。数えたら63か国の友達が出来ていました。
イタリアには世界中の人が集まっています。まさか私にエルサルバドル人の友達が出来る日が来るとは思ってもいませんでした。

外国人の友達がたくさん出来たことで、外国人に対する苦手意識が完全に吹き飛びました。むしろ、日本に来てくれている外国人と沢山お話してみたい!って思えるようになりました。
世界が広がるというのはまさにこういうことを言うのかもしれません。

あと、世界中に友達が出来ると、何となく世界を知れる気がします。
知り合う友達みんなに「SNSは何が人気なの?」「学校ではどんな教科を勉強するの?」「日本って聞いたらどんな印象を持つ?」などなど、気になる質問を毎日のようにしまくってました。
好奇心旺盛な僕にとっては、無限に質問が出来るあの環境がとても刺激的で毎日が楽しかったです。

さらに、海外旅行をするときに世界中にいる現地の友達に連絡すると、
その現地の人しか知らない通な場所や、自宅に招いてくれたりするので、
その国での日常生活を体験させてくれたりします。

一人旅か、日本人の友達としか海外旅行に行ったことない私からすると、
現地の友達に会いに行く海外旅行ってこんなに楽しいんだ!という新たな発見をもらいました。

メジャーな観光地を回るより、現地の人のリアルな暮らしを知りたい僕からすると最高の旅行が出来るようになりました。

全く興味がなかった国にも興味が湧いてきました。

とまあ、つらつら書きましたが2年前、イタリアに行くことにビビりまくっていた僕からすると、全く想像も出来ないようなことばかりが起きて本当に刺激的な日々でした。

長い人生、一度くらい日本以外の国で生活してみるのもアリかもしれません。全く海外に興味がなかった僕が言っているので、間違いないかと。

こちらが後編です!お時間あればぜひ見てくれたら嬉しいです。

まつばさ
https://twitter.com/matsupono

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