Holic

素人だけど創作の物語を書いています。 テーマはありません。 書きたいから書くだけなので…

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素人だけど創作の物語を書いています。 テーマはありません。 書きたいから書くだけなので不定期です。 読んでくれてありがとう。 フォローしてくれると喜びます。

最近の記事

「えぇ…。子供には日頃から夢は絶対に叶う。そう言い続けていました。」 ー 『ねぇ、ママ!キレイな鳥さんがいるよ!一緒に飛びたい!』 ー 「まさか、こんなことになるなんて…。」

    • 『デジャヴ』

      あれ、まただ。 この風景、そこの家具、その時計、ここにいる自分。 これで何度目だろう? だとすると…。 ゴーン ゴーン ゴーン やっぱり時計がなった。 何でここにいるんだろう。 自分のため?何のために!必要ない! じゃあ誰かのため?誰かって…誰? それに誰かのためだとしても何のために…。 なーんかおんなじこと考えてる気がするなぁ。 どこからか視線も感じるけど…。 気のせい…ってことにしとこ!

      • 『過ち』

         むかし、地球がまだ自然が豊かで、たくさんの動植物に溢れていたころ、地球にたったひとり、人間の赤ん坊が生まれた。  近くにいた野生動物たちは、警戒しながらも鼻をクンクンさせて、その初めて見る生き物にゆっくりと近づく。  好奇心旺盛な動物が一匹、その赤ん坊のすぐそばまで近づいた瞬間に人間の赤ん坊は異変を感じ取り、周囲の静けさを力強く引き裂いたかと思うと動物を驚かせ混乱させた。  その赤ん坊に驚いたいくつかの動物たちは離れていったものの、その場に残り続けた動物がいた。  

        • 『好奇心の穴』

          ぼろのアパートには、壁に小さな穴が空いていた。 それに気づいたのは、越してきてから半年が経とうとした頃。 模様替えをしようと、小さい目のタンスを動かしたときに見つけたものだった。 入居当初から、角部屋に住む隣人は決まった時間になるとドンドンと騒がしくなり、20分もしないうちにまた静かになる。 それを繰り返していたが、注意するのはあまりに怖かったのでその時間を避けて帰宅するようになっていた。 けれど、その穴は好奇心を刺激した。 隣人は、どんな人なんだろうか。その答え

        「えぇ…。子供には日頃から夢は絶対に叶う。そう言い続けていました。」 ー 『ねぇ、ママ!キレイな鳥さんがいるよ!一緒に飛びたい!』 ー 「まさか、こんなことになるなんて…。」

          『晩御飯』

          「ゆなちゃんは、かわいいねぇ。」 「ほんっとうに、かわいいねぇ。もー食べちゃいたいくらいかわいいねぇ。」 「あ、そうだそうだ。晩御飯の用意しなきゃ。」 ー ママー、晩御飯なにー! 「今日は、骨つき肉の煮込みよー!」 ー やったー! ー あれ?ゆなは?

          『晩御飯』

          『上にいるよ』

          怖い話を聞いたり話していると、たまに寒気がしてブルッと体が震える。 そういう時は、後ろにいるんじゃないかって思ってゆっくり振り返ろうとしたとき思い出したんだ。 「そういう時って上にいてキミのことずーっと見てるんだって。」 そう言って、反射的に上見ちゃったんだ。 そしたら、足首掴まれちゃったよ(笑)

          『上にいるよ』

          別アカウントでも執筆してるんですけど、あっち見てこっち見てあれ書いてこれ書いてって結構楽しんでる(ノ∀`) おかげさまで短編書いてるけど進まない(ノ∀`)アチャー

          別アカウントでも執筆してるんですけど、あっち見てこっち見てあれ書いてこれ書いてって結構楽しんでる(ノ∀`) おかげさまで短編書いてるけど進まない(ノ∀`)アチャー

          『台本』

           彼は朝目覚めると必ずシャワーを浴びる。そして濃いめのコーヒーをマグカップにたっぷり注ぐと、息子が誕生日にくれた手作りの椅子に腰を掛け木々の隙間からキラキラとこぼれる光が窓から入ってくる風景を見ながら熱いコーヒーを口にする。コーヒーを飲み干し、今度は少し酸味が増したコーヒーをたっぷりと注ぐと、パソコンへと向かい残りの時間を趣味のために費やし始めた。  彼の趣味は、物語を書くことだった。それでお金を稼いでるわけではないし、なにか賞に応募する訳でもないが自分の想像力を形にするこ

          『台本』

          トランスのための書き物

          今この文章を読んでいる。 真っ白な背景に浮かぶ黒い文字が、見える。 少しだけ呼吸がゆっくりと 深くゆったりし始めることに気づく。 これを読んでいると、肩の力が抜け始め 次に胸も力が抜け始める。 力が抜けた事を感じながら視野が少し狭くなっていることに気づくとまぶたがゆっくり閉じていく。 まぶたが閉じきるまえにハッと目が醒めると いつも見慣れた白の背景に浮かぶ黒い文字が見える。 居眠りしたような感覚を覚えながら、体にさらに力が戻ってくるのを感じることで 明日の

          トランスのための書き物

          『子供は母親が育てなければいけない。』 これって誰が決めたんだろうね?

          『子供は母親が育てなければいけない。』 これって誰が決めたんだろうね?

          『タイムスリップ』

           彼は、月曜日から金曜日まで忙しさに殺されるところだった。  仕事の内容といえば、彼の部署の作業員に仕事を振り分け必要なものを準備し、なるべく流れを止めないようにするというものだった。  彼は役職を与えられていないのに、役職者よりも頼られてんやわんやになっていた。  時に苛立ち、トイレに行くと言ってスマホをイジってサボる。そんな感じでなんとかバランスを保とうとしていた。 「中田さん。アタシもう上がるんですけど、明日の朝の仕事ください。」  いつもそう言ってくる作業員

          『タイムスリップ』

          『悪夢 -Part2-』

           次第にその悪夢は頻度を増していった。  仕事でごまかしのきく範囲をとっくに超えたころ、新たに悪夢から逃げる手段として、ドラッグやポルノ、酒にギャンブルとありとあらゆるものに手を出しては、時折のぞかせる理性的な部分がさらに苦しさを与えた。  強烈な刺激を得る。  その度に一瞬の快楽で悪夢から逃げようとするが、いつまでも、どこまでも追ってくる“それ”は決して姿を見失う事なく、一定の距離を保ちながらそっと存在して、ほんのわずかな隙を見せた瞬間に襲ってくるのだ。  いや、も

          『悪夢 -Part2-』

          『悪夢 -part1-』

          (め … ろ … … …) (… … やめ … ろ … …) (やめろ… … …) (やめろ!!!)  飛び起きたとき、呼吸は乱れ、心臓はいまにも破裂しそうだった。  暗闇に赤く浮かび上がる「03:47 AM」の光。着ていたものは汗でぐっしょりと濡れ、ベッドも湿っていた。  うなされていた悪夢と汗を流すために、不快感と共にシャワーへと向かう。 キュッキュッキュッ。  程よく熱いシャワーが、今までの不快感を吹き飛ばすようだった。だが、目を瞑るとフラッシュバック

          『悪夢 -part1-』

          『ある男の物語 -Part2-』

           赤い扉の世界は、とても穏やかな世界に住んできた自分には、到底順応できないような、非常に攻撃的な世界だった。 ---  どうやら、名家の集まりのような世界ではあったが、その世界の人々のやり取りはヒト同士の会話ではなく、自らの思惑をちりばめたようなまるでスパイの諜報合戦のようだった。  時には狼が羊の毛皮をかぶり、ライオンが猫なで声を出す。  お腹を見せてくつろいでいた犬が、主人がいなくなった瞬間いたずらをしだす。  そんな本心なのか、欲望を満たす為の布石なのか、見分

          『ある男の物語 -Part2-』

          『ある男の物語 -Part1-』

           その男は、代わり映えのない毎日を静かに過ごしていた。  朝起きてまず家の観葉植物たちに水をやり、簡単な食事を作ると、唯一の家族であるミニチュア・ピンシャーと共に朝食を食べる。  食後にコーヒーを飲みながら新聞を読み、世間の情報に触れることを大切にしている彼の職場は、自宅から3ブロック離れたところにあり簡単な運動にもなっていた。  彼が身支度を整えると玄関のそばで、見送ってくれるその子がいた。  頭をなでながら「行ってくるよ」そう優しく話しかけ、ちょこんと座るその子に

          『ある男の物語 -Part1-』

          『焦らなくていいからね』

          「本日は、お越しいただいてありがとうございます」 「皆さんに、お会いできることをとっても楽しみにしていたんです」  それは、一昨年のことだった。 (心理学体験セミナーかぁ…)  ちょうど、以前勤めていた会社を鬱でやめたジョセフの目に止まったのは、ネットの広告だった。 「怪しいけど、ちょっと気になるなぁ…」 「体験で大したお金もかからないし、変な勧誘してきたらさっさと帰ればいいか」  そういって気軽に申し込んだセミナーだった。 「体験とはいえ、こうして心理学に興

          『焦らなくていいからね』