#232 3月11日を受け止めたい

私は東日本大震災で被災しました。
家族は無事でしたが知人や大切な人たちが亡くなりました。
会社も流されてしまいました。

福島原発が爆発し私は移住を決意しました。
あの時一人一人が悩みながら
どのように生きていくかを選択したと思います。

毎年3月11日が近づくと何だか落ち着きません。
何をするわけでもないのに落ち着きません。

ただ今年何となく思ったのは
何をするわけでもないからこそ落ち着かないのかもしれません。
しかし、何かをしようという気にもなかなかなれません。

例年は3月11日が平日だったこともあり会社で黙祷をしました。
フリースケジュールですから出勤している人たちだけで。

しかし昨年はじめて工場でも黙祷をしませんでした。
私は一人車の中で黙祷しました。

3月11日はやはり私にとって特別な時なのです。

年月が経つほどにこの日だけは人を遠ざけるようになりました。
特に2時46分のその一瞬だけは
自分と違う意識が入ってくることが嫌でなりません。

今年は子どものスポ少の応援の日でした。
タイミングの悪いことに2時46分は試合の真っ最中でした。
子どもたちには申し訳ないと思いつつ
数分前に会場を出て一人黙祷をしました。

僕が明確に思い出す数名に語りかけ
亡くなった全ての人にも語りかけました。
『これからも生きていきます』と意志を伝えました。

東日本大震災を忘れるわけがない。
これからも自分のありのままの感情を
素直に表現していくとおもう。

どんどん殻にこもっていく自分も受け止めたい。
いろんな人の3月11日があることを受け止めたい。

パプアニューギニア海産
代表取締役工場長 武藤北斗


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