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ウスターソースを自家製する

皆さんは中濃ソース派?それともウスターソース派?どちらかな。

私は中濃ソース家庭で育ったため、ウスターソースは大人になるまで未知の調味料でした。

そんなウスターソース。
なぜ作ろうと思うのか?

それは好奇心です、好奇心。



ウスターソースと中濃ソースの違い

作る前にひとつ解決しておきましょう。
「ウスターソースと中濃ソースの違い」についてです。
解決せんでもええわい、という方はすっ飛ばしていただいてかまいません。

◎ソース類の定義(ウスターソース類の日本農林規格)

次に掲げるものであって、茶色又は茶黒色をした液体調味料をいう。
①野菜若しくは果実の搾汁、煮出汁、ピューレー又はこれらを濃縮したものに砂糖類(砂糖、糖蜜、および糖類)をいう。以下同じ。)。食酢、食塩及び香辛料を加えて調製したもの
②①にでん粉、調味料等を加えて調製したもの

▶ウスターソース:粘度0.2Pa・s未満
▶中濃ソース:粘度0.2Pa・s以上2.0Pa・s未満

農林水産省HPより

要するに、ウスターソースと中濃ソースの最も大きな違いは「粘度(とろみ)」にあると言えます。






自家製ウスターソース【材料】

お待たせしました。レシピです。

A:
トマト(大)1個半、玉ねぎ1個半、人参1本、セロリ30g(葉も含めて) 生姜1かけ、にんにく1片

・油小さじ1
・昆布2枚、水50㏄

B:
黒胡椒8粒、クローブ2個、シナモン2分の1本、ナツメグ少々、ローリエ1枚

C:
醤油150㏄、みりん30㏄、お酢50㏄、砂糖大さじ1、甘酒大さじ3、りんごすりおろし1個分

作る前に。
スパイス類は事前に計っておくといいですね!


【作り方】

①トマトは湯むきし、ざく切りにする。
 人参をみじん切り、にんにく・しょうが・セロリの茎(葉はそのままでOK)をすりおろす。

※写真の人参はみじん切り前


②玉ねぎをすりおろす。



③鍋に油を引き、玉ねぎを加えて炒める。



④玉ねぎが茶色く色づいたら、セロリの葉以外の①を加え、人参が透き通るまで炒める。



⑤セロリの葉、Bのスパイス類、醤油、昆布を入れて45分煮込む。

醤油と昆布を入れることによって、一気にごはんに合う香りになる。


⑥りんごのすりおろしを加えて15分煮る。

砂糖だけでは補いきれないフルーティーな甘みを足す


⑦火からおろし、ローリエ、シナモンスティック、セロリの葉を取り出す。粗熱が取れたらミキサーにかける


⑧さらし(または厚手のペーパーでも。破れるのが難点)で⑦を濾す。濾した後の搾りかすも取っておきましょう。料理にいろいろ使えます。

根気のいる作業ですが、がんばりましょう


⑨濾した汁、酢、砂糖、みりん、塩、甘酒、濾したものの2分の1量を加えて弱火で15分煮込む。

ソースだソースだ!



⑩完成。煮沸した瓶に入れて保存します。



調味料のこと

☆坂富醤油


地元、上田市の坂富酒造さんの「キッコーサカトミ醤油」。
令和4年度の全国醤油品評会にて農林水産省大臣官房長賞を受賞したそうです。受賞のニュースを聞いたのですが、どこで販売しているのか分からず見つからず…
数か月前に酒屋さんに行き、ようやく発見!
ここぞというときに使っています。濃すぎず、風味豊かでとってもおいしいお醤油です!

☆三河味醂

三河みりん。こちらは愛知県碧南市のもの。
一番好きな味醂です。そのままロックで飲めるくらい、コクがあって美味しい。ということは料理に使ってももちろん美味しい。野菜料理など淡白になりがちなものこそ、美味しい調味料を使うと味が決まります。

☆濃縮甘酒

濃縮甘酒は水やお湯で割って使う、少し濃い目の甘酒です。甘くて濃厚なので、私は最近ココナッツミルクの代わりに使ったりもしています。今回は甘味としてお砂糖のように使いました。


こんなふうに使ってみた

フライものはもちろん、目玉焼き(私はソース派)、トマトソースやカレーの隠し味に加えても。醤油が入っているので、なんにでもなじみやすいですね。

ポテトサラダにかけたり


トマトソース。濾したもののほう(搾りかす)を使用

日本にウスターソースが海外から伝わったのは明治時代ごろ。しかし、海外の"純正"ウスターソースは日本人の味覚に合わなかったので、醤油をベースに試作を重ねて販売に至ったようです。やはり我々の口には醤油が合うということでしょう。
余談でした。

もちろん王道フライにも



ところで私がウスターソースを初めて使ったのは外食の席でした。中濃ソースのつもりでフライにかけたら勢いよく流れ出てきたサラサラの液体。あっという間にお皿を茶色く染めていきました。サラサラなのに、香りと味は中濃ソースとおんなじ。いったいどう使えばいいのか、そもそもウスターソースってなんなんだ…。
というわけで、自分にとってウスターソースは上手に使いこなせない調味料のひとつであり続けていました。

実は5,6年前にも今回とは違うレシピでウスターソースを作ったことがあります(調味料DIYが趣味なので)。しかし、その時はなぜか周りから「フライよりも卵かけご飯に合う味」と違う方向で好評を博してしまい、自分でも何を作ったのかわからなくなりました。労力がいつも正しく報われるとは限りません。
今回は当時の反省を踏まえ、出汁感を少なめに、つまり鰹節を入れなかったのがよかったのかなと思います。この味ならTKG醤油の他人の空似ではありません。今度は堂々とウスターソースとして、卵かけご飯ではなく、フライめがけて勢いよく注ぎ口から世界に飛び出して行ってほしいと思います。

梅雨時期といえば梅仕事などが定番ですが、”ウスターソース仕事”にトライしてみるのもまた一興かもしれません。


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