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《毒親育ち、しばし休戦》〜男の肩に鼻水乗せて〜

(見出しの画像に使われているイラストは『ヒグチユウコ』さんのもの。この方の作品展で私はマスクが水没するほど泣きました。ぬいぐるみの“ねこ”くんが一生懸命生身の猫になるために奮闘するお話です。自分を“いらない子”だと思っている“ねこ”くんに自分が重なって美術館で大号泣しました…)


私は毒親サバイバー。
虐待を受けていたため15歳で心療内科に通い始め、いまだに睡眠導入剤がなくては眠ることのできない30代半ばの女です。
去年、やっと親から夜逃げすることに成功し、ひっそりと暮らしています。


「初恋の悪魔」というドラマに触れ、記憶や愛着に問題がある私の中にも『恋人がほしい』という望みがあることを再認識しました。
記憶に問題のあるこのドラマのヒロインにだって『あなたを守ります!』と言い張ってくれる彼氏くんがいる…

羨ましい…


自分には愛着障害があり、今までは2パターンしかありませんでした。
『両想いになるのが怖くて逃げ出す』パターン。
『押しに弱すぎて断わりきれず、下僕にされる』パターン。←しかもモラハラDVギャンブル依存症借金ありだったりする😨




今回ドラマに触発されて、私はデートの申込みに行きました。
いま、その方とお付き合いしています。


いままで関わった男性とは明らかに違い、穏やかでのんびり屋です。
知り合って1年は経つのですが、まだ彼が怒っているところを見たことがありません。
かなり我慢強くて平和主義。

彼はご家族と仲がよく、大きな一軒家で暮らしています。

私と出会ったことで、自分がいかに大切に育てられてきたかを思い知っているそうです(笑)。


不思議と彼と一緒にいて心地が良く、緊張もしません。
一緒にスーパーへ買い物へ行って、一緒に魚を焼いて、一緒に食べます。

ちょっと彼は世間知らずなところがあるため、私に叱られることがちょくちょくあります。
だけど、彼は反論したりせず叱られてくれています(かなりすごいことです)。
偉ぶったり、知ったかぶりをしないひと。


はじめは大家族のひとというだけで、私は彼を毛嫌いしました。
タイミングが合わなかったりして一時期は彼とは疎遠になりました。
それでも、きちんとお話(デート)をしてみてから『ああ、私とは相性が悪そうね』と判断してもいいかな、と思ったのでした。


一緒にいて緊張しないひと。

そんな彼は、たまに大泣きする私を心配して「よしよし」しにきてくれます。
私はひととの距離感がおかしい人です。
いつも笑顔ですが、その笑顔も私にとっては定文型みたいなもの。

私「私の笑顔は偽りの笑顔。
“偽笑”なのよ。
私は周りを騙してしまってる。
あなたのことも!
自分の感情を殺す癖は治らないよ!」

彼「偽笑?そんなもの気にしなくていい。
〇〇は優しいから、相手を思いやって笑顔で接しているんだろう?結局は「優しいから」なんだよ?そんな小さいこと気にしなくていいよ。」

わ〜ん💦💦💦
ずるずる〜てれ〜

👃
💧



彼の服はたまに私の鼻水でテカテカになります。






私は一歩が踏み出せなかった。
私なんか誰にも好かれやしない。
そんな私なんかの思い込みが少しほどけて、私は不思議と自然体でいられる彼氏を捕まえました。


えーと、毒親サバイバーの愛着障害ありさんは、基本『身なりが清潔』で『控えめな性格』な女性が多い気がします。

だから、私は今回『男の人にデートのお誘いをしたら、かなりの高確率でいい手応えである』と言う法則めいた現象を目の当たりにしている。

そりゃそうよね。
だって、人様のご迷惑にならないように身なりを整えて、丁寧な言葉を使い、控えめだけど周りがちゃんと見えている、空気の読める女。なんだもんね。


私は恋愛市場に自分はお呼びでないと思いこんでた。

違った。

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