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自分にできない事。

昨日、職場で日付の計算の説明を受けたのですが、最終的には私は理解ができませんでした。

教えてくださった方に申し訳ない気持ちになりました。
イヤミをチクッと言われてしまいましたが、私は頭を下げることしかできませんでした。


小学生の頃から私には「計算のセンス」と言うか「数の概念」みたいなものが無いようなのです。
3+4を指でやれば7になることはわかります。
ただ、頭の中ですぐには出てきません。
掛け算は足し算です。
九九は「歌」として覚えたので、途中からではよくわかりません。
割り算は筆算しなくては解けません。
自分の社員番号も5ケタもあるので、最初の1つしか頭に入りません。

2−3は−1というのも学校で習ってから「なんとなくわかる」ようになるまで半年もかかりました。


そんな私の感覚は一般教育レベルの計算がサクサクできる人にとってはイライラするのだと思います。


私が小学生の頃から包丁を持った母に怒鳴り散らされていたのも、参考書や計算ドリルを投げつけられていたのも、トランプを投げつけられていたのも、みんな私の数の概念がズレているからでした。

7歳にならない私は一生懸命毎日毎日大量の計算を練習しました。
母が血眼になって作成した計算問題をストップウォッチを使ってタイムを計りながらこなしていきます。
昨日より早く計算できないと罰が与えられます。
「グズ!」
「のろま!」
「できそこない!」
「おちこぼれぇっつ!」
母に罵声を浴びせられながら、ひたすら計算をしました。
泣きながら泣きながら、いつ包丁が降ってくるか怯えながら。
「自分が恥ずかしいと思わんのか」
「こんなに大切に育ててやってるのに」
「裏切り者」
「お前なんか要らない」
言葉の包丁も恐ろしかった。
そして、包丁の刃で母はテーブルをドンドン叩くのです。

計算が終わらなければ食事もとれない。

今日こそはいいタイムで計算するぞと思っても、すぐにへし折られてしまいました。

いま思えば、こんな包丁で脅されてまでして「いいタイムを出さなきゃ」なんて…
子どもってなんて哀れなんだろう。
報われやしないのに、親に報いようとする。

最後には母に言われていましたね。
「あんたなんかには何も期待しとらんわ、ハッ」

何年もの間、学校から帰ると毎日やる儀式みたいなもの…でした。


トランプは計算練習の道具でした。
母が2枚同時に私に見せてくるのですが、瞬時に合計の数を答えられないとケースごと投げつけられました。


算数と数学以外は(自分で言うのも変ですが)とても成績が良かったので、やはり勉強全てができなかったわけではなく、「数」「数字」がネックでした。


理解ができないのがバレると大変なので、私はずっとわかっているふりをして生きてきました。
学校のテストはとにかく問題を多く解いて、答えを頭の片隅に染み込ませました。
同じ問題が出てくれたらそれで済むからです。
中学時代はいろんな出版社の問題集を深夜の2時まで解いていました。

「私は頭が悪いから人より頑張らないと…」
そう思っていました。

小学生の頃は包丁で脅されてまで計算したのと、暗記するのと、歌として認識する方法でなんとかごまかしました。

高校入試も「数をこなして丸暗記作戦」で突破したので、ある意味スゴい能力の子だったかも…。
本当に、いま目の前に10代の自分がいたら「よく耐えた!」と抱きしめてやりたい。




昨夜の勤務で思い知りました。
「数の概念」がズレているんだ、と。
決して「わからな〜い」と放置をしているわけではなく、必死に考えながら説明を受けているのです。
それでも途中から視界や意識に昔のテレビみたいな“砂嵐”がかかり、何の話を聞いているのかもわからなくなります。


教えてくださる方に「質問は?」ときかれても「わからないところしかないから、まず何を質問したらいいのかわからない」んですよね。
固まります。





この記事をを書いているうちに、考えがまとまりました。
日付の計算は電卓使ってやろうっと。
マニュアルに当てはめて電卓で計算する。
多分それが一番確実で速い。

無理に周りの人みたいなやり方をすると、また視界の半分が砂嵐になってしまう。
頭ひとつ分高いところで包丁がギラッと光って恐怖に縛られる。
身体が強張って手指が震えてしまう。


別に仕事を放棄しようってのじゃない。 



努力は散々したけれど、手に入らなかった能力。
それが私にとっては「数の概念」「計算のセンス」だった。
そう思って、電卓という補助具を使い仕事をするしかないと思います。



どんな事も「普通にできる」ってスゴイことだと私は思うんです。
昔から、ずっと。

周りから面倒くさい人だと距離を置かれても、無理をして倒れるよりマシ。


そんな私は来週から転勤です。




読んでくださった方、ありがとっ!!

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