Hideaki Kotaka

日本旅行作家協会会員/食文化研究家。メディア、イベントを基に「旅・食・音楽・人」を結ぶ…

Hideaki Kotaka

日本旅行作家協会会員/食文化研究家。メディア、イベントを基に「旅・食・音楽・人」を結ぶコーディネーター。放送局を経てRONIN、サラエボとマルセイユで主夫稼業、2020年3月に日本帰国。世界80以上の都市地域訪問。『香高堂の旅する生活記~地中海の北縁』を書き始める。

最近の記事

ある男の物語=再開発なのか災禍発か

●ある男の物語=再開発なのか災禍発か  5月下旬、その男は<食生活ジャーナリストの会>出席のため日比谷図書館に向かうと、日比谷公園の噴水広場がは囲われ、工事も停止したままだった。日比谷公園再整備計画には囲む大木伐採して、三井系のミッドタウンと新たな再開発ビルから、日比谷公園内にデッキを降ろす構想があるようだ。  神宮外苑再開発、築地再開発、晴海の都有地再開発、この大型開発を主導するのがすべて<三井不動産>、この三井不動産グループに東京都の幹部十数人が天下りしていたこと

    • ある男の物語=自然へのリスペクト欠如なのか、太陽光発電

      ●ある男の物語=自然へのリスペクト欠如なのか、太陽光発電 NHKの朝ドラ「虎に翼」は絶好調のようで、法律に関わる人間の理念と哲学が良く描かれている。 その男の生まれ故郷は釧路、湿原を見ながら18年近く育ってきた。釧路湿原にソーラーパネルが続々と建てられていると言う。2012年は25か所だったが、2022年には20倍の577か所に増えている。大半が自然保護地域で建物は建てられないが、どうやらソーラーパネルは建築物の対象外になるようだ。自民党の裏金問題、都知事選選挙ポスターを

      • ある男の物語=物事の観方と形、円周率

        ●ある男の物語=物事の観方と円周率  その男は「何ともつまらなく、息苦しい世の中になった、もっと緩くて、寛容でいいのに」と考え込む。  人は物事や事象を形として見るようだ。同じ形のものを見ても、三角形、正方形、台形等それぞれ違いがあっても、「角々しい眼差し社会」になったようだ。円の形を見て、そこに物事を入れたら、余りが出る。余裕ある心は「そこを観ることから生まれる」のではないかと、その男は考える。  ふと、円周率が<3.14>から<3>になったのは何時だろうか。そう教

        • ある男の物語 夏越の祓=1日一粒、1日一歩、1日一遍

          ●ある男の物語=1日一粒、1日一歩、1日一遍 明日から7月、文月だが、文披(ふみひら)月や袖合(そであい)月の名称もあり、愛し合う織姫と彦星が逢う月という意味で<愛逢月(めであいづき)>とも言う。 梅雨の時期、気圧の変化がその男の身体を襲い、不調の底を彷徨わせる。だがその男は復活を目指して、そして、織姫に逢うためにも「元気じゃないけど、悪くない」程度には活きて行きたい。1日一粒、1日一歩か、1日一遍でも書き継ぐ心意気を持ちたい。昔はグリコ一粒で1875分、300メートル

        ある男の物語=再開発なのか災禍発か

          ある男の物語夢月=足裏には身体状況が反映

          ●ある男の物語夢月=足裏には身体状況が反映する  その男は、4月下旬に5回目の初期肝臓ガンの手術を受けたが、アルコールも適当な時期から嗜み始め、順調な日々を送っている。だが、頭のモヤモヤ感からはなかなか抜け出せない、どうやら「足裏病」に罹ったようだ。言葉は浮かびメモを取れるが、文章として書き継げないでいる。  その男は、十年以上身体ケアをしてもらっている方への現況報告をした。 <5月現在現在の身体的状況> ①歯肉の炎症はほぼなくなっている。義歯右上は安定、先日左下義歯

          ある男の物語夢月=足裏には身体状況が反映

          ある男の物語 夢月記=駅構内電車内でクマ?に遭遇

          ◆ある男の物語 夢月記=駅構内電車内でクマ?に遭遇  その男は、日曜夜8時過ぎ、電車乗換の為ある駅の階段を降りようとしていた。後ろから60歳ぐらいのクマが、ぶつかりながら降りてきた。ちょうど電車が到着、乗り込もうとしたら、さらにクマはその男にぶつかりながら乗り込み、シートに座り込んだ。 2度目だから「謝りの会釈ぐらいをしないか」と思いながら、横目に見て先のシートに進み、実を鎮めた。数秒後、ふと顔を上げると目の前でクマが見下ろしていた。目が遇うと「降りて俺と殴り合うきがある

          ある男の物語 夢月記=駅構内電車内でクマ?に遭遇

          ある男の物語=紗月の空に天女と鬼女を思う事

          ◆ある男の物語=紗月の空に天女と鬼女を思う事 「天女は、いつまでもそのままとは限らず、鬼女になる時もある。鬼女は時には純心さ溢れる天女のように振舞う」  その男は5月のある土曜の昼下がり、世田谷の用賀から桜新町を彷徨った。それは倉庫のような建物の花屋で、心地よいヴィオラとピアノの音を聴いたせいかもしれない。40年近く前に、この辺りに住んでいた。その時、天女がいたのか思い出さない。  今の世に「天女はいるのか」「鬼女は天女になれるのか」「鬼女に溺れる身を恥じることが出来る

          ある男の物語=紗月の空に天女と鬼女を思う事

          ある男の物語夢月①=はて!? 老仁は荒野を駆ける?

          ◆ある男の物語夢月①=はて!? 老仁は荒野を駆ける?  その男は過日、歯医者の壁に「健康のために口を大きく開きましょう」との張り紙を見た。口を大きく縦横に開くことを繰り返すと、首や肩の伸びを感じ、胸襟も開くように思えた。更に腰が伸び、お腹も引っ込む感覚を得る。そう言えば、コロナ以降身体が固くなりやすいと感じていた、身体と精神の老化を防止出来れば良いのだが。口を大きく開きながら、美味しいお酒と食べ物、楽しい会話を交わす愉しみの営みがあればと願うばかりだ。  <老年性五月病>

          ある男の物語夢月①=はて!? 老仁は荒野を駆ける?

          地中海北縁記第5章~また旅猫GRISに恋して その4

          【地中海北縁記第5章~また旅猫GRISに恋して】 その4 《また旅猫記番外編「僕はトラ、君を守るよ!」》  2016年12月16日追記  僕は今、丸い瀬戸物に入ってソファに置かれているGRISを守っている。だって、ペナンから東京、ダカール、サラエボ、マルセイユとずっと一緒だったからね。僕は死ぬことがないから、このまま居られる。主人たちは一緒に僕を火葬しようと思ったらしいが、見守ることを望んだようだね。 僕の名前はトラと言うらしいのだ。主人たちが「トラちゃん」と言うから、そう

          地中海北縁記第5章~また旅猫GRISに恋して その4

          地中海北縁記第5章~また旅猫GRISに恋して その2&その3

          【地中海北縁記第5章~また旅猫GRISに恋して】 その2《また旅猫天に召される、死期を前にした猫の覚悟》  GRISの最期は欧州時間で206年11月25日の夜8時前、日本時間では26日朝方4時前、我が家の「また旅猫=GRIS」が旅立った。家のカミサマの膝上で、静かに永遠の眠りに入ったようだ。私は東京におり、その2時間前に鳴き声を聴いたが、電話で鳴く声が聴けるのは初めてだった。その声はまるで「明日帰ってくるのね、必死で頑張るけど、ちょっと無理みたい」と鳴いていたようだ。  腎

          地中海北縁記第5章~また旅猫GRISに恋して その2&その3

          地中海北縁記第5章~また旅猫GRISに恋して その1~

          【地中海北縁記第5章~また旅猫GRISに恋して】  我が家には18年連れ添った<GRIS>というメス猫がいた。1999年、家のカミサマが赴任先のマレーシアのペナン島のゴルフ場で拾い、持ち帰った。お転婆なGRISはすくすくと育ったが、この上もなく臆病でもあった。だが日本とペナンを2度往復し、さらに家のカミサマのダカール赴任に伴って、パリ経由で日本を2度も往復した。その後東京で数年落ち着いた生活をしていた。2013年、猫には思いもよらぬ寒いサラエボ行きとなったが、それでも日本を2

          地中海北縁記第5章~また旅猫GRISに恋して その1~

          ある男の物語①「枚方市にて昼飲み鴨鍋ライブ」

          ある男の物語①「枚方市にて昼飲み鴨鍋ライブ」=旅空香高堂  3月24日(日曜)昼前、その男は京都駅に降り立った。近鉄奈良線で丹波橋駅へ、京阪電車に乗り換えて枚方市駅に向かう。その駅のガード下にある居酒屋メイズダイニング で<昼飲み鴨鍋ライブ>が行われた。2017年の<昼飲みすき焼き鍋ジャズライブ>以来だった。  ミュージシャンは、京都は先斗町や三条大橋などを中心にストリートミュージシャンとして活動している小竹親(ちかし)、心に響く魂のブルースシンガー市川芳枝、そして7年前

          ある男の物語①「枚方市にて昼飲み鴨鍋ライブ」

          【地中海北縁の旅と生活】第4章<南仏マルセイユ生活始まる>⑥

          香高堂 第4章<南仏マルセイユ生活始まる>⑥ 《10月下旬、難民状態からの脱出と引っ越し》    やっと、狭い部屋での難民状態から抜け出すことが出来るようだ。新居はアパートメントホテルから歩いて10分ほどの場所だ。サラエボから既にマルセイユまで到着しており、入管手続きを受けている。10月21日金曜の14時に引越荷物が届く予定で、フランスの狭いエレベーターでどのくらい時間がかかるのか心配であるが。  新居に台所製品はほとんど付いているが、照明器具もないし、家具付きではない。ベッ

          【地中海北縁の旅と生活】第4章<南仏マルセイユ生活始まる>⑥

          【地中海北縁の旅と生活】第4章<南仏マルセイユ生活始まる>⑤

          香高堂 【地中海北縁の旅と生活】第4章<南仏マルセイユ生活始まる>⑤ 《やっとヤドカリ生活が終わるか、ユニクロとダロワイユ》  9月末の日曜、マルセイユの最大の観光地、旧港にてストリートジャズを聴く。ジャズはどんな街角でも心地よく響いてくるが、陽光の海辺で聴くのも清々しい。フランス語に慣れるため毎日のようにテレビを見ているが、あまり聴くことは少ない。早くコンサートやライブハウスでも行きたいと思っているのだが、生活拠点が無いと落ち着かない。  9月下旬から昼間は半袖1

          【地中海北縁の旅と生活】第4章<南仏マルセイユ生活始まる>⑤

          第4章<南仏マルセイユ生活始まる>④【地中海北縁の旅と生活】

          香高堂 【地中海北縁の旅と生活】第4章<南仏マルセイユ生活始まる>④ 《数少ない日本人に出会う機会》  9月のある日曜、エクサンプロバンスの日本人との懇親ゴルフに参加した。この日も強い風が吹き付け、手持ちの衣類を重ね着して何とか寒さ対策をした。あの夏の暑さは何であったのかと思うが、幸い身体を動かして風邪も吹き飛ばす。スコアは問題にならないぐらい酷いものだった。  夕方からのエクサンプロヴァンスの寿司屋で打ち上げ、久しぶりの日本語でもあり、会話が弾んで帰りは23時過ぎになっ

          第4章<南仏マルセイユ生活始まる>④【地中海北縁の旅と生活】

          【地中海北縁の旅と生活】第4章③<南仏マルセイユ生活始まる>

          【地中海北縁の旅と生活】第4章③<南仏マルセイユ生活始まる> 《牢獄のような部屋からの脱出、長引く部屋探し》  地中海岸近くにあるアパートメントホテルの部屋は1階1号室、客が出入りする玄関の隣、小さなテラスはあるが、陽はそれほど差し込まない。ここに出入りする人々の視線に晒され、窓もあまり開けられないから部屋の空気も重くなる。窓から見えるのは植栽と2本のヤシの木、段々と牢獄にいると思えるようになっていた。  家のカミサマは車で出勤しているが、唯一開放感を味わえるのは午前と

          【地中海北縁の旅と生活】第4章③<南仏マルセイユ生活始まる>