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ある男の物語 夏越の祓=1日一粒、1日一歩、1日一遍

●ある男の物語=1日一粒、1日一歩、1日一遍
 
明日から7月、文月だが、文披(ふみひら)月や袖合(そであい)月の名称もあり、愛し合う織姫と彦星が逢う月という意味で<愛逢月(めであいづき)>とも言う。

梅雨の時期、気圧の変化がその男の身体を襲い、不調の底を彷徨わせる。だがその男は復活を目指して、そして、織姫に逢うためにも「元気じゃないけど、悪くない」程度には活きて行きたい。1日一粒、1日一歩か、1日一遍でも書き継ぐ心意気を持ちたい。昔はグリコ一粒で1875分、300メートル走ることが出来ると言われた。
 
その男はTVメディアはサクランボが<1粒1万円>と伝えるが、買うの誰なのだろうか考え込んだ。伝えるメディアには気候変動への懸念や訴求、安定した食糧供給のための自然の植物への畏敬の念は見えない。それにしても今の世の中「人間の弱さや卑しさ、暴力性が浮き彫りになり、金儲けのため権力を手にすることに長ける人間ばかり」で、本当に《下品》になった。その男の生きた日本の60~70年代はワイルドな時代だったが、ルールとマナーがそれなりに活き、「下品」ではなかった。
 
アベノミクス頃から政治のモラル崩壊し、公の場で嘘を平気でついたり、法の抜け穴をついて無茶苦茶やるのが当たり前になった。ほころびを下手に繕い、忖度して、力あるものに迎合、傲慢、言葉への拘りも無くなり、コスパ、タイパなど短縮言葉で界隈する人々が増える。その男はその度に検索をして意味を知る。
カネカネカネ、それは人々の心の怨念を生み出し、お互い様を忘れた社会は壊れていく。東京のタヌキ様は福祉予算を削って、派手なPRに予算が注ぎ込む。また、神宮外苑、葛西臨海公園、日比谷公園等々、首都東京の緑は少なくなっていく。
 
スマホと下ばかりを見て、青い空と自然の緑を目にしないと、「キレる人」が増える。子どもにキレる、街でキレる、仕事を失う、希望を失う、生活を失い、命を失う。その男は「キレる人」には一言で割りきれない複雑な痛みを感じる。

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