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ある男の物語=再開発なのか災禍発か
●ある男の物語=再開発なのか災禍発か
5月下旬、その男は<食生活ジャーナリストの会>出席のため日比谷図書館に向かうと、日比谷公園の噴水広場がは囲われ、工事も停止したままだった。日比谷公園再整備計画には囲む大木伐採して、三井系のミッドタウンと新たな再開発ビルから、日比谷公園内にデッキを降ろす構想があるようだ。
神宮外苑再開発、築地再開発、晴海の都有地再開発、この大型開発を主導するのがすべて<三井不動産>、この三井不動産グループに東京都の幹部十数人が天下りしていたことが分かった。三井不動産は神宮外苑地区に土地を有していないが、都の文書には「地権者」と記されていた。
大阪の公園の多くの樹木は伐採され、維新政治の市場原理が入り込み、公共的で万人に開放された空間は有料スペースへ転換しているようだ。その男は関西の友人から「屋外型の巨大なフードコート」と呼んでいると聞いた。
その男はよく日本橋、三越前界隈を散歩するが、街角やストリートに緑は少なく、無機質さを感じる。再開発されたビルも見かけは立派だが、画一的建築物ばかり。三菱地所の丸の内再開発計画はパブリックスペースと緑の樹木を育てることが大きなコンセプトだったが、日本橋にはパブリックスペースも少ない。
東京都は「社会貢献」と言うが、これでは「ヒートアイランド効果貢献」であろうと思った。「再開発」を検索したら「災禍発」と出てしまった。
建築エコノミストの森山高至氏は「伐採によって失われるのは樹木だけではない。東京都から自然が失われる中で、緑を回復しようとする考えや人々の努力が否定される。一部エリアの話だからと伐採を容認してしまえば、悪しき前例となり連鎖してしまいかねません」と語る。
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