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【思考の型】論理的思考(ロジカルシンキング)の紹介と使い方

今回の記事では、思考法で最も有名な論理的思考(ロジカルシンキング)について紹介したいと思います。

この思考法をマスターすることができれば、以下のようなことができるようになります。
・頭の中でなんとなく考えていることを言語化できる
・自分の言葉で考えを表現できるようになる
・相手に自分の伝えたいことを伝えられる
・伝わったことにより相手に動いてもらうことができる

また、下記のような場面で使えます。
・誰かと話す前の準備
・自分の思考の整理
・目標設定
・実験計画
・報告準備

一般的に知られている論理的思考ですが、やってみると意外と難しいです。
感覚的に“知っているけどできない“人が多いのではと思います。
つまずきやすいポイントとどのように考えればうまくできるかをセットで紹介します。


論理的思考(ロジカルシンキング)の紹介

さっそくですが、論理的思考の説明に入ります。
下図のようなピラミッド型の構造がよく使われます。

論理的思考の型

一番上には「主張」、上から二段目に主張の「根拠・理由」、一番下の段は「具体例」という構造です。
見た目の通り、「主張」は「根拠・理由」に支えられ、「根拠・理由」は「具体例」に支えられています。
「主張」と「根拠・理由」のつながり、「根拠・理由」と「具体例」の関係・つながりを意識することが重要です。
この関係が成立しない、もしくは足りない場合は、論理的思考として成り立たないので、主張したいと思ったことは相手に伝わらない可能性が高いです。
考えた自分もモヤモヤが残るはずです。
その際は、別の論理的思考のピラミッドを考える必要があります。

「主張」は場面によって、「結論」や「伝えたいこと」、「相手にしてもらいたいこと」などと言い換えても良いです。
「根拠・理由」は「主張」するための土台です。この土台がしっかりしていないと主張することはできません。

「根拠・理由」は、相手に何かを伝え動いてもらいたい場面では、”相手の立場に立った”根拠・理由であると効果的です。
自分が主語の「根拠・理由」の場合、ただわがままを相手に聞いてもらうだけになってしまうため、
また、何か実験を行った際の結論を支えるための根拠を示す場合は、”客観的な事実”であることが重要です。

「具体例」は、なぜ根拠・理由がそう言えるのかイメージできるストーリー、事実、経験である必要があります。
例のように「部屋がきれいだと心が晴れる」という理由の具体例として、「部屋がきれいで友達に褒められた」経験を書きましたが、より具体的に書くとイメージが湧きます。「遊びにきた○○君が部屋に入った瞬間、「お前の部屋きれいだなぁ!車とか飾ってあってなんだかおしゃれ!」と言ってくれて”うれしい気持ちになった”と親に話してくれたことがある」といった具体例があれば、「根拠・理由」に対して確かにそうだなぁとより納得できるようになります。
そのようなエピソードが複数あるとさらに説得力のある「根拠・理由」となります。

この3つの項目をしっかりと埋めることができれば、大抵の「主張(結論)」は自他共に納得できる内容にまで仕上がります。
自分の考えに自信が持てるようになります。
逆にどこかの項目が埋まらない、もしくは項目同士のつじつまが合わなくなってしまった場合、自分のモヤモヤは晴れず、相手に伝えた際にも理解してもらえません。
その際は、「主張(結論)」は成り立たないと諦め、考え直すことが必要です。
つじつまの合わない主張を相手に押し付けた場合、相手に理不尽な想いをさせるうえ、最悪の場合関係が難しくなってしまうこともあります。

論理的思考という「型」の使い方

①項目(「主張」「根拠・理由」「具体例」)を埋める
②項目の関係が成立しているか確かめる。成立してない場合は書き直す。
③上から下への流れに不自然が無いか確かめる。成立してない場合は書き直す。
④上から下への流れに不自然が無いか確かめる。成立してない場合は書き直す。
⑤上記が成立していれば完了

論理的思考フロー

意識して思考し始めたときは、「主張」「根拠・理由」「具体例」を埋めるだけでも苦労するかと思います。
そのようなときは下記のような質問を活用してみてください。

「主張」を導き出す問い
 ・何を伝えたいのか?
 ・論点は何か?
 ・論点を仮に結論にすると?
 ・どんな結論がほしいのか

「根拠」を導き出す問い
 ・主張の理由は?
 ・主張はなぜ?
 ・相手のメリットは何?
 ・自分のメリットは?

「具体例」を導き出す問い
 ・たとえば?
 ・具体的に?
 ・根拠はなぜそう思ったのか?
 ・実際に起きたことは?
 ・実際の経験は?

論理的思考で使える質問

質問する際に意識してほしいことは、”どの項目(「主張」「根拠・理由」「具体例」)を対象にしての質問か”ということです。
質問(問いを立てる)という思考のコンパスを持って、論理的思考という思考の世界地図の中を歩くイメージを持ってください。
そうすれば、思考の中で自分はどこにいるのか、次はどこに進めば良いのか、ここにとどまって深く掘れば良いのかが全体感が理解できるようになります。

「主張」「根拠・理由」「具体例」を一度埋めることができたら、それぞれの関係がうまくつながっているかチェックします。
下図を参考に説明していきます。

論理的思考のポイント①

ポイント①「主張」➡「根拠・理由」➡「具体例」の”流れ”で筋が通っているか

「主張」「根拠・理由」「具体例」のつながりを強く意識してチェックしていきます。
「主張」➡「根拠・理由」➡「具体例」の上から下への流れでピラミッドの内容を読んだ際に違和感が無いかを探します。例えば、「「主張」に対して「具体例」がこれではない方がよさそう」や「「主張」するためには「理由」が弱そう」などの気づきが得られれば良いです。
違和感に気づきよりよく修正できそうであれば修正しましょう。
主張に合うもっと良い「具体例」や「根拠・理由」があれば、修正する方が良いです。

ポイント②「主張」➡「根拠・理由」という流れをイメージできるか

ここで意識してほしいことは“関係”と“強さ”です。
「主張」と「根拠・理由」の“関係”は因果関係または目的-手段の関係になっている必要があります。因果関係とは、”あることが原因である結果が引き起こされる”という原因と結果の関係です。
また、”関係”の“強さ”も重要です。「主張」から「根拠・理由」をイメージした際に、その「主張」をするのであれば、その「根拠・理由」では少し弱いなぁという印象を持ってしまった場合は、修正が必要な可能性が高いです。
「根拠・理由」がふわっと曖昧であるとなんとなくあっていそうだけど、合ってない気もする…という言葉で表現されている場合も修正が必要です。
“関係”が成立していたとしても、その関係の“強さ”も必要になるということです。
実際に「「主張」なぜなら「根拠・理由」」と声に出してみると意外と違和感に気づきやすいです。

ポイント③「具体例」は「根拠・理由」を具体化しているか

「根拠・理由」で書いた内容の「具体例」がきちんと具体化した内容になっているかチェックします。
例題の「根拠・理由」は「散らかったおもちゃでケガをしない」とありますが、「散らかったおもちゃでケガをした」と読み替えていただくのが良いかと思います。事実として「おもちゃを(自分で)踏んで痛かった」と「おもちゃで友達にケガをさせて怒られた」は、根拠の具体例として適切な関係となっているかと思います。
おもちゃを片づけてほしいと依頼された側は、親に“怒られる”という苦痛から避けたいため、この苦痛から避けられるのであれば片づける方が良いと思うかもしれません。

論理的思考のポイント②

ポイント④~⑥:「具体例」➡「根拠・理由」➡「主張」の"流れ"に筋が通っているか

今度はポイント①~③と逆の流れで同じことを行います。
「具体例」➡「根拠・理由」➡「主張」の流れに筋が通っているかをチェックします。
「具体例」と「根拠・理由」のセットが他の「主張」が強く言える理由となってしまっていることがよくあります。
下流から上流へ読んだ際に、「主張」へたどり着くかどうかを確認しましょう。
「主張」ありきで無理やり「根拠・理由」「具体例」を書いた場合は、具体例から読み直した際につながらないことが多いので、注意が必要です。

まとめ

ここまでで論理的思考(ロジカルシンキング)のポイントを説明しました。

論理的思考という「型」を使うためには、質問する(問いを立てる)ことで言葉を型(「主張」「根拠・理由」「具体例」)にはめ、はめた言葉同士の”関係”や”強さ”、”流れ”という言葉同士のつながりを意識することを説明しました。

細かいことをたくさん書きましたが、大事なことは頭で考えていると言葉同士のつながりを頭の中だけでチェックすることは非常に困難であるため、一度書き出してみて言葉同士のつながりを納得いくまで推敲してみてください。

自分のモヤモヤが晴れ、相手にもしっかり自分の考えを自分の言葉で伝えられるようになります。

ここまで長文読んでくださりありがとうございます。
質問や疑問、意見をコメントいただけますとうれしいです!


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