【8月18日開催レポ】放課後こども料理長
8歳、来日したばかり。初めての「太巻き」
今回参加してくれた、AちゃんとBくん。初参加。双子の8才、小学3年生。
なんと、2日前に台湾より来日したばかり。母は台湾人、父は日本人。日本語はカタコトだが、日常会話での意思疎通は出来る。
献立は「巻き寿司・みそ汁」。海苔巻き作りは始めてで、細巻きのイメージはあるが、太巻きのイメージは薄いようであった。
やってみて、上手く行かなくて、またやってみる。
海苔巻き作りで、いよいよ具材が完成し、海苔で巻こうとしたときのこと。子どもAちゃんは巻きすの上に、海苔を敷き、ご飯をどっさりのせる。具材の人参・きゅうり・お肉・玉子もどっさりのせる。
スタッフXは、Aちゃんの考えを尊重し見守りつつ「具が多いと巻きづらくなるよ」「具はこのくらいまでに置くと良いよ(海苔の手前半分くらいを指して)」と伝える。
しかし、聞いてるのか分からないのか、Aちゃんは減らすことはなく続ける。そして、いざ巻き始める。
すると、やはり具材の量が多すぎて、巻くことが難しい。海苔の端と端はくっつくが、のり白が少なく、すぐに剥がれてしまう。
Aちゃんは「おっかしいな〜」というような表情で、何度も巻きすを巻き、型をつける。どうにかこうにか、海苔が付いているようで今にも剥がれそうな状態ではあるが、まな板にのせて包丁で切る。
切るのは丁寧に行うが、やはり海苔がしっかり付いていないため、ボロボロと具材は出て、海苔も剥がれてします。私やスタッフXもフォローするが、成型するのは難しく、そのまま皿にのせる。
Aちゃんは、巻き寿司ができた嬉しさと、成型することの難しさからの残念さの両面を含めた表情をしていた。しかし、さっそく味見をしてみると、お腹が空いていたこともあり「美味しい」ととても喜んでいた。
次に、もう一本作る。すると、Aちゃんは自然と具材を減らしていた。
私から見たらまだまだ盛り盛りに感じるが、彼女なりに工夫し、海苔が巻けている海苔巻きを目指していた。
そして、いざ巻いてみると、巻きつけることが出来ていた。そして、自分の工夫が成果に出たことに嬉しそうにしていた。
おにぎりひとつで得られる学び
海苔巻きをたらふく食べたが、ご飯が余っているので、スタッフXはBくんに「おにぎりにする?」と尋ねると、Bくんは「うん」と頷いた。
そこで、私は水と塩を用意した。そして、さっそくBくんは素手でご飯をよそおうとした。私は思わず「あ、水つけてね」と声をかけた。するとBくんは、素手でご飯をよそって、よそったご飯を水に付けようとした。
私はそれを見て「あ、手に水をつけるんだよ。じゃないと、手にくっついちゃうから」と伝え、ご飯を水につけようとするBを止める。
Bは「あ、なるほど」と言った表情で、ご飯を鍋に戻す。そして、両手についたご飯を見つめていた。
その後、B君は手についたご飯を全部食べ、手を洗い、再度おにぎりを作ろうとする。今度は自ら手に水をつけ握り始めた。
「知る事」と「分かる事」の違いは「〇〇」
上記から「まずは体験が大切である」と改めて感じた。もちろん、経験者の我々が伝えられることは沢山あるし、一から十まで教えてあげることも出来る。ただ、それは「知る」ことであり、体験したからこその「分かる」では無いように思う。
「知る」ことと「分かる」ことには大きな違いがあり、人間には「分かる」ことが大切である。特に、現代社会において体験が乏しくなっている子どもたちに「分かる」を感じてもらいたい。そして、その体験が次への気づきと意欲になると願っている。
文章:久保田修平
大田区池上のこどもの居場所
大田区池上にお店を構える「微生物カフェHITONAMI」
普段は発酵食品を使ったランチを提供しています。
2023年より放課後の居場所として、「放課後こども料理長」のイベントを定期開催しています。
共働きのご家庭が安心して預けられる場所として。親御さんがお家にいる家庭でも、こどもの自主性を育む場所として。
新しい形の学童のような「放課後こども料理長」
放課後こども料理長
放課後のこどもの居場所です。
一言で言うと「カフェでご飯を自分で作る学童」です。
詳細・開催日は下記の記事をご覧ください。
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