見出し画像

シリコンバレーと日本のフリーランスの違いを聞いてみた

はじめまして、GNUSでネットワーク周りを担当しております松倉です。初めてnoteに挑戦してみます。

先日、複業マッチングプラットフォームを運営するAnother worksさんとGNUSが共同で、オンライントークセッションを行いました。
海外進出を視野に入れているフリーランスの方や、キャリアアップを目指すフリーランスの方に役立つ内容だと思うので、その内容を紹介したいと思います。

また、12月15日にもフリーランスや移住を考える方を対象としたイベント開催が決定しました!
こちらのレポートも開催後noteにて公開予定です。
https://peatix.com/event/1721351/view


『シリコンバレーから学ぶ、フリーランスの戦い方~なぜGAFAをやめてフリーランスになるのか~』

今回は3名でセッションしました。アメリカで多くのフリーランスたちとの勤務経験があるGNUSの文分さん、日本で複業プラットフォームを運営するAnother worksの大林さん、日本で活躍し海外移住を視野に入れているフリーコンサルタントの小野さんに、アメリカと日本のフリーランス文化の違いについて、7つのテーマをもとに話してもらいました。

登壇メンバー紹介

画像1

■大林 尚朝 株式会社Another works,代表取締役/CEO
早稲田大学在学中に株式会社リアライブに参画しマーケティング責任者として強固な集客基盤を構築。その後、株式会社パソナ パソナキャリアカンパニーに新卒入社し顧問やフリーランスを業務委託紹介する新規事業に従事。全社総会にて史上最年少で年間最優秀賞を受賞するなどギネス記録を数多く樹立。2018年に株式会社ビズリーチのM&A領域の新規事業における創業メンバーとして参画。2019年5月7日に株式会社Another worksを創業。業界初の成功報酬無料の総合型複業マッチングプラットフォーム「Another works」を立ち上げる。
■文分 邦彦 株式会社GNUS,CEO
2004年電通入社後、営業局を経て、電通の新規事業である電子雑誌販売アプリの立ち上げを担当。その後、クライアントの新規事業を支援。2017年からニューヨークのオフィスで米国企業と共同してクライアントのデジタルトランスフォーメーションや新規事業開発を推進。2019年帰国しGNUSを設立。
■小野 圭祐 フリーコンサルタント
2006年リクルート入社。HR領域での法人営業や新事業所立上げを経験。現在はユーザーとのタッチポイント設計を中心にセールスやマーケティング領域で複数社のクライアントのビジネス支援を行っている。月の半分は仕事をし、もう半分は子育てや稼ぐことを目的としないプロジェクト参加などに時間を使う生活スタイル。

当日は参加者の方に随時Zoom内のチャットで質問をいただきながら進めていきました。中にはヨーロッパGAFAで勤務経験のある方がおり、突如トークに参加いただきヨーロッパのフリーランス事情もお伺いするなど、ユニークな会でした。

以下より早速内容紹介に入りたいと思います。

1.日本とシリコンバレーにおけるフリーランスの働き方の違い

アメリカのフリーランスには大きく3パターンある
 ・一般的なフリーランス
 ・事業売却を経験してからフリーになった、「シニアアントレプレナー」
 ・住所不定、世界中を旅しながら働いている、「新人類的リアルノマド」

日本だとシニアアントレプレナーがフリーランスになるというケースはほぼなさそうですし、ノマドという言葉はだいぶ広がってきているとは思いますが、こちらもなかなか出会わないイメージです。日本ではまだ一般的なフリーランスがメインの層だと思うので、フリーランス市場において、アメリカは日本よりもだいぶ多様でありそうです。


2.海外はなぜフリーランスが多いのか

【グローバルで活躍するフリーランスには、アメリカで学位取得や勤務の経験がある方が多いのではという仮説】
アメリカだけでなくナイジェリア・コロンビア・フランスなどいろいろな国の出身の方とプロジェクトを進める中で、海外はフリーランスが多いというイメージを持っていたが、実はそうではなさそうだということがわかった。ヨーロッパは労働組合が強く雇用が安定しており、いい大学を出て就職して、、という文化は日本にも近しい感じがあった。海外にフリーランスが多いかどうかはわからないが、アメリカでフレキシブルな働き方を覚えた人が、世界中どこにいながらもアメリカと仕事をして、自分の最先端な情報をアップデートしていく、という方が多いのではという印象だった。

アメリカは雇用の流動性が高い一方で、働き方は最先端なんですね。流動性が高いからこそなんでしょうか。アメリカから新しい働き方を取り入れて自分流にアップデートしていくことが、フリーランスとして多様な働き方を実現していくうえで参考になるかもしれません。


3.アメリカと日本において、フリーランスを取り巻く固定観念の違い

【日本】
労働集約型。コロナ禍のリモートワーク・副業ブームもあり最近崩れてきているものの、新卒一斉入社や終身雇用の文化が根付いていたせいか、「フリーランス」にはまだ作業者的なイメージが強い。企業がコストを安くするためにフリーランスへ依頼するというケースがほとんどであり、マジョリティ(会社員)かフリーランスかの2択にまとめられがち。世に出ているフリーランス案件の多くがジョブ型の案件。
【アメリカ】
マーケットとしては日本のような労働集約型の作業から始まったが、一気に拡大し、「プロフェッショナルフリーランス」という概念としてよりレベルの高い人たちまで広がってきた。契約社会がベースにあり、業務に入るときのロールや期待することが明文化されている。フリーランスは契約として決められた中で最大限のパフォーマンスを出していく。それができるなら働き方はめちゃめちゃ柔軟で、どこでいつ働こうが、会議にオンラインで参加しようが自由である。

日本はまだまだフリーランスといえばクラウドソーシングというイメージが強いので、ジョブ型の案件が多く、そのほとんどが時給制だと思います。
一方アメリカは成果ベースなので、日本よりも時間に縛られない働き方をしていそうですね。

日本でもコロナ禍でリモートワークや副業を始めたり興味を持つ人が増えてきているので、これからもっとフリーランスや複業としての働き方が当たり前の世界になっていくんだろうなとは思います。が、「プロフェッショナルフリーランス」という概念の知名度はまだまだ低そうです。プロフェッショナルフリーランスという概念が広まればフリーランスの立場の向上が見込めるので、以下のようなメリットが生まれるのではと思いました。

・ジョブ型案件だけでなく、顧問やアドバイザーなど、スキルを活かしたレベルの高い仕事が増える→報酬アップややりがいにつながる

・正社員とフリーランスとの間でできてしまっていた、上下関係のようなギクシャクした雰囲気がなくなる→市民権の向上につながる


4.海外のフリーランスコミュニティ~名刺交換以上のLinkedIn~

アメリカは契約社会なので、ネットワーキングにかなり積極的である。案件をもらうためにはレジュメを良くすることが必要で、そのために自分のLinkedInを太らせていくことが主流である。オフライン、オンラインともにLinkedInを用いながら交流し、一緒に働いた人のスキルや人格等をレビューし合っている。

なるほどこれは理想的だなあと思いました。互いを認め合い、それを外部に公開しながら働いている。日本は同じ職場内でさえ、そういった機会を作らないかぎりなかなか褒め合えたりできないのに、アメリカでは職場に関わらず一緒に働いた人たちを尊重し合う。アメリカ文化ならではなのかもしれないですが、やろうと思うとけっこう照れてしまいますよね。
誰かから評価されたら評価し返す、たまには自分からも評価してみる。こういったことを地道にコツコツ続けていくことが、セルフブランディングになるんですね。


5.シリコンバレー(GAFA)の裏側

みんな3年くらいすると、転職や独立など次のステップへポジティブに移っている。GAFAの中で転職を繰り返すケースもありがちだとか。

例えばランチ無料や仮眠室など、オフィスの環境を限りなく良くしてずっとオフィスに居られるようにするということは、それだけ1分でも長く仕事をしてほしいということの現れなんだとか。福利厚生を充実させるのは辞められたくないからで、経営者の立場からするとそうだよね、ていう話なんですが、GAFA内で転職を繰り返すケースもそれなりにあるようです。採用したい人材層が似通っているんですね。

ちなみに、2018年働きたい会社No.1のFacebook社について特集されていました。(2019年はトップ10圏外だそうです・・)


6.案件探しのコツ

ドラクエでいう「パーティー」を作る。
フリーランスとして1人でやっていると、どうしても売れるか売れないかの2択となるが、チームでやるとメリットが多いということが最近わかってきている。メリットは、チームメンバーからフィードバックを得られるのでスキルアップしながらできることや、案件獲得の幅が広がりアウトプットレベルや収入を安定させられること。こんな感じでうまくいっているケースが増えてきている。

アメリカではフリーランスチームという動きが出てきているんですね!
チームにはメリットしかなさそうでとても魅力的です。

チームを見つけるためにはまず1人で実績を積むことが大事だと思うのですが、その後の仲間探しができる場や環境ってなかなかないのでは?と思いました。フリーランスといえば個人で仕事を探して個人で受けて、また仕事を探して、、の繰り返しというイメージですが、その延長線上にフリーランスチームがあったらどうでしょう。案件探しから報酬アップ、スキルアップ、モチベーションアップなど、いろいろ高められそうな気がしました。


7.日本も含めて価格交渉のやり方、どういうふうにお金の話をするのか

【アメリカ】
日本でいう価格交渉みたいなものはあまりない。企業がバジェットを決めて、ある程度相場を踏まえてフリーランスに投げて、それにはまらなかったら受けないだけの世界なので、交渉をしてまで仕事を受けるっていうのがカルチャーとしてない。企業対フリーランスだとしても、企業間だとしてもない。たぶん全員でGDPを上げていこうぜという文化だからなのではないか。
【日本】
金額を支払う側が「ディスカウントしてよ」というケースが多い。日本はGDPを下げる(値段を安くする)ことに自分たちの労働力を使っていたりして、海外からは非合理だよなと思われているらしい。
日米ともにフリーランスの価格交渉の方法は、自身の経験を考慮し相場を踏まえた提示をすることだと思う。一方、個人で交渉することに限界があるのではという仮説がある。価格はその人の持つスキルやバリューのみで決まるわけではなく、最終的には交渉力で決まるからである。フリーランスが安い労働力になってしまう1つのポイントは、この交渉が1人で行われるからであり、チームで交渉ができると交渉力を上げることができるのではないか。(例:5人チームに1人スーパースターがいたとしても、スーパースター1人では買えず5人パックで買わないといけないので、全体の単価が上がる。)

単純に作業者にタスクを渡すということであれば、企業はより価格を安くしたいと思うのでしょうが、タスクの依頼だけではなく、「あなたのこのスキルや経験を貸してほしいんです!」といった、まさにプロフェッショナルに仕事をお願いするという文化であれば、価格を下げたいっていう話はそもそも出てこない、というのがアメリカなのですね。日本でもプロフェッショナルフリーランスという概念がもっと広まって、フリーランスの価値向上や報酬アップ、そして個人のスキルやモチベーションアップなどができたらいいですね。それが延いてはGDPを上げることにもつながるとなると、なんだか奥が深いです。

以上で、イベントレポートは終了となります。


最後にちょこっとGNUSの紹介を

GNUS(ヌース)は、プロフェッショナルなフリーランスネットワークを運営し、フリーランスの方々とともに新規事業に特化したコンサルティング~開発を行う会社です。
ご興味をお持ちいただけた方は、審査制フリーランスネットワークGNUSにぜひ登録ください!
↓↓↓

12/15(火)19:00よりイベント開催しますのでこちらもぜひ!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?