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生き物からのラブレター

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私と海のほねなし(海産無脊椎動物)たちとの出会いや体験を振り返るエッセイ。
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#カニ

【生き物からのラブレター#0】ラブレター解読のためにエッセイを書いてみることにした

私はヒトデや海の生き物から膨大な数のラブレターを貰っているらしい。

郵便受けがもうパンパンだから、読んであげて!とある人に先日言われて驚いた。

え?どうゆうこと?

そりゃ私は海の生き物大好きだし、生き物と接することで学んだことはたくさんあるけれど・・・ラブレターはちょっとよく分からない・・・

と思っていたのだが、ピコーンと今閃いた。

私が出会ってきた海のほねなしたちのことを書いてみよう!

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厳島神社は名カニスポット【生き物からのラブレター#36】

厳島神社は名カニスポット【生き物からのラブレター#36】

研究をやっていて楽しいことの一つに学会への参加がある。最新の研究内容を聴ける貴重な機会・・・という真面目な理由もある。けれど楽しい理由はもうひとつ。学会は毎年違う場所で開催されるので、プチ旅行も兼ねているのだ!

2015年の動物分類学会は広島県で開催された。せっかく広島へ来たのだから!と立ち寄ったのは、厳島神社。海の上に建つ幻想的な神社には誰もが憧れるのではないだろうか。

訪れるのは中学校の修

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最高のカニ?【生ラブ#28】

最高のカニ?【生ラブ#28】

あなたが今まで食べたものの中で一番美味しかったものはなんですか?
私は迷うことなく、ハナサキガニ!と答えます。未だ不動のナンバーワンです。

ハナサキガニは北海道の根室周辺でしか獲れないカニで、漁獲地である根室の「花咲」という地名に由来して花咲蟹と呼ばれています。

大変おいしいカニで人気があるので稀に流通もしていますが、もちろん私が食べたのは北海道!北海道へ調査に行った際に食べさせてもらいました

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それでいいのか、シオマネキ!俺の嫁は発泡スチロール【生ラブ#22】

それでいいのか、シオマネキ!俺の嫁は発泡スチロール【生ラブ#22】

ハクセンシオマネキという生き物を知っているだろうか?
かんたんに説明すると、干潟にいる片方のハサミだけが大きいカニだ。

シオマネキという名前は、この大きなハサミを“潮を招く“ように振る行動に由来する。
また、ハクセンは“白扇“。繁殖期になるとこのカニは色が白くなる。白いハサミを扇に見立ててハクセンシオマネキというわけだ。

見た目も名前も実にシャレている。私のお気に入りの生き物の一つだ。

私が

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【ほねなしエッセイ#4】スナガニの悲劇

【ほねなしエッセイ#4】スナガニの悲劇

新潟、砂浜の思ひ出その②

花の大学生!やっぱり楽しいのは飲み会♪夏には近くの海でバーベキューなんてこともよくあった。

そんな楽しい楽しい部活の飲み会の後、海で花火しようぜー!となり、みんなで海へ。

新潟大学近くの五十嵐浜は市街地からは少し離れている上に海水浴場ではないので、街灯もなにもなく夜には真っ暗。本当に真っ暗。

そんな中、懐中電灯と花火と酒をぶらさげて酔っ払いたちは突き進む。

海風

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