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詩作品まとめ

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日々の詩のまとめ。
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2022年9月の記事一覧

8月21日~31日の詩(Nos. 125~133)

8月21日~31日の詩(Nos. 125~133)

作品No. 125(8月21日)

君は言った
僕がいなければ無差別殺人鬼になっていたと
僕は防波堤の責任で
君を守り、支え、救うと誓った

だけど救いを求めない者は
神様にだって救えはしない
僕は神でも天使でもなく
悪魔でさえなく
独りぼっちの人間で
君から逃げるので精一杯

拗ねていないで叫んでごらんよ
助けて、ってさ

作品No. 126(8月22日)

どうかママ
お外での僕を見ないでいて

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8月11日~20日の詩(Nos. 113~124)

8月11日~20日の詩(Nos. 113~124)

作品No. 113(8月11日)

それはふとした思い付きか
誰かの指図を受けたのか
それとも逡巡の末なのか

いきなり身近に灯った熱に
私は蒸発してしまいました

気体の私は散り散りになって
衝突しながら逃げ道を探し
雲の鎧をかき集めました

貴方の熱が不意に去り
私は迷いと後悔に濁る液体になり
恐怖は去ったと知るのです

作品No. 114(8月11日)

男に興味が無いのなら
レズビアンに違

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8月1日~10日の詩(Nos. 99~112)

8月1日~10日の詩(Nos. 99~112)

作品No. 99(8月1日)

我慢していると
人に優しくできなくなる

我慢することは
規範の檻を閉じ
正しさの鎖を巻き
纏足を誇ること

檻を壊そうとする者を
嫉妬し憎み排除すること

飛び方も知らないのに
自由の空に放り出されるのは
何より怖いから

我慢することは
自分を嘘に塗り込めること
魂を飼い殺しにすること

作品No. 100(8月1日)

あの頃僕は生きてなくて
人肌の悪夢を食い

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7月1日~30日の詩(Nos. 83~98)

7月1日~30日の詩(Nos. 83~98)

作品No. 83(7月1日)

旅に出られるのは身体が痛くないからで
本が読めるのは心に隙間があるからで
人を愛せるのは愛されたことがあるからで
未来が怖いのは明日が来ることを信じているから

作品No. 84(7月2日)

蝉の殻が腹を見せて
朝のアスファルトに長い影を落としている
琥珀を透かす儚い薄緑
詰まったままの夢

作品No. 85(7月3日)

記念日は
行動を起こすための口実

カレ

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6月13日~29日の詩(Nos. 71~82)

6月13日~29日の詩(Nos. 71~82)

作品No. 71(6月13日)

わたしは蜘蛛の巣
そばにいる巣を土台にして
掛けられた同心円の網

見渡す限り連なる網の雲
わたしの隣にはあなた
境目も無い糸のつながり

突風があなたを連れ去った
わたしの一部を引き裂いて

あなたが抜けた空白を
勤勉な蜘蛛がちまちま埋める
いつかわたしが去るその時まで

作品No. 72(6月14日)

僕がいなくなった後は
楽しい思い出だけ飾っていてね

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6月1日~12日の詩(Nos. 59~70)

6月1日~12日の詩(Nos. 59~70)

作品No. 59(6月1日)

遊びに行こうとわがままを言って
心配事から君を引き離したい

あれが観たいと駄々をこねて
君の好きな映画を観て
あれが食べたいと腕を引いて
君の好きなアイスを食べて

君が言えないわがままを
君の代わりに叶えてあげたい

作品No. 60(6月2日)

平和な時
人の命は何より重い

狂乱の時
命は容易く消えてゆく
大義のために
国のために
家族のために
あるいは無

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