「『伝説の安心感』は、壊されるためにある」ヒスイの毎週ショートショートnote
ある日、居酒屋である男と会った。
知り合いのような気がして一緒に飲んでいたら、ヤツは汚い本を取り出し、
「これは『伝説の安心感』についての本だ。読めば誰でも売れる。やるよ」
本を置いて消えた。
俺は途中まで読んで、ぼやいた。
「なんだよ、『伝説の名画』の制作説明文じゃねえか」
本は、『伝説』の絵が出す『安心感』のシステムを超わかりやすく説明した技術テキストだった。
「いらねえよ!」
本を投げ出すと、はずみで最後のページが見えた。
「……えっ!?」
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