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「売れねえ時こそ、出続けるんだよバカ!」売れないクリエイター、叱られる(笑)

問題は、何を言われたか、ではなく『誰に言われたか』である。
今日は、そういうお話です。

私の知り合いは、異常に自営業者が多い。
まず家族や親族の多くが『自営』であるし、
自分自身も、ごくみじかいアルバイト期間を除いて、
ほぼ自営、フリーランスだった。

だからこそ、
『金がない!!!』という事態に
慣れてしまっている感じがある。
収入には波があるのが当然で、
入ってこない時期は、なんとかして稼いでくるしかない。

そういう大勢いる自営業・フリーランス友人の中でも
飛びぬけて
『自由業』
なのが通称・ハチさん(仮名)だ。




ハチさんとは、知り合って10年以上たつ。
年齢はとっくに50歳を超え、
家族は、再婚した奥さんと成人した子供さんが二人。

ちゃんと暮らしているのに、
何が本業か、全く分からない。
本人に聞いても、わからない(笑)。
「まあ、いろいろやっているから」という。

ときにはウェブデザイナーだったり、
写真を撮ったり、
じゃあクリエイター系かと思うと、
建築会社のアドバイザーの名刺を持っていたりする。

とにかくもう
神出鬼没(笑)。

何で稼いでいるかわからないけれども
子どもを二人、大学まで行かせた人だ。

とはいえ、本業らしきもの、がある。
バンドマン。

ハチさんは、バンドでバイオリンを弾きまくるヒトなのだ。
もちろん、バンドでは稼げない。
そしてもともとは、クラシックのバイオリニストになるべく、
英才教育を受けていたという。

わけが分からない(笑)。
ただ、ひょうひょうとしたハチさんをみていると、
『なんでもいいか』という気になるのも
不思議(笑)

そんなハチさんは、
私のメンターで、
めそめそしたいときは
真っ先に連絡する。


そのときも、私はちっとも仕事がなくて、
月収2000円とか
ザラにあった。

クライアントさんがお情けで回してくれる仕事だけでは
とうてい生きていけない状況だった。
居酒屋でぐずぐずと泣き、

「ハチさん、あたしもうだめ!
 クリエイターなんかやめて、牛丼屋でバイトする!」

という私を、ハチさんはじろっと見た。

「何いってんだ、肉も食えないくせに」
「牛丼は、作るんだもん。自分で食べなくてもいいんだもん!
 お金欲しい!!
 定収入がほしいいいい!」

お酒も入っていて、すっかりグズグズの私に、
ハチさんは、噛んで含めるようにいった。

「あのな、ヒスイ。
 売れねえ時こそ、出し続けるんだよ!
 そこで止まったら、
 ほんとにおしまいなんだよ!」

「……だって、うれないじゃん。
 描いても作っても、誰も買ってくれないじゃん。
 お金いりますよ、食べていかなきゃ」

「金がなきゃ、そのへんの雑草でも食え。
 いいか、
 定職に就くんなら、クリエイターはあきらめろ。
 仕事している時間があったら、なんか作れ、出しつづけろ!」
「びえええええん!!」

酒の入っていた私は、そこでギャン泣きした記憶がある(笑)。


だが。

今にして思うのだ。

ハチさんが言ったことは、
自営業の基本だと。


自営業、自由業、フリーランス。
呼び名はいろいろありますが、
つまりは、自分ひとりで働き、稼ぎ、
自分の口は自分で養うのが、仕事です。

収入を得るためには、
ナニカを作って
外へ出しつづけなければなりません。

ウケようが、ウケなかろうが、
売れようが、
まっったく売れなかろうが、
作って、露出しつづけるしか、ないのです。

作る手を止め、
外へ出さなくなったら
それを『仕事』にする資格はない。

だから、
出つづけるしかない。
新しいものを作り、
どんどん、出しつづけることで
クリエイターとして生きていける。

定職に就き、
作品を作っている人もたくさんいる。
すばらしいものを生み出している人も多い。

ただし、クリエイターで生きていこうとするなら、
雑草を食べてでも、
時間を確保し、
物を作り続けていくしかない。

ハチさんがいうのは、
そういう事で、

『できもしない牛丼屋で働かせてもらうより、
 ぺんぺん草を食ってでも
 何か作れ』

という事だった。


フリーランスは、
定収入はないが、
好きな仕事を選べる。
あるいは、
好きじゃなくても、食べていくための仕事を
選べる。

ポイントは
やるにせよ、やらないにせよ、
「自分で仕事をコントロールできる」ということ。

ハチさんは、ありとあらゆる仕事をこなし、
同時に
バンドマンとして露出しつづけることで
『自由業で生きていく形』のひとつを
見せてくれたのだった。


いま、私はかろうじて
クリエイターの端っこで生きている。
定職にはつかず、
ぺんぺん草を食べて生きている(笑)。

作る時間を確保し、
発信しつづけるためだ。


そしてハチさんは、
今日も謎の仕事で奔走している(笑)。

最後に会った時は、
旅行会社の名刺を持っていた(笑)。

「なに、これ、ハチさん?」
「お、友達に頼まれてな、しばらく手伝ってんだ」

そういって、
次に出るライブのフライヤー、チラシをくれた。


……ここ、ハチさんの行きつけの飲み屋じゃん。
ライブこなしたあと、
朝まで飲む気だな……(笑)




というわけで、話はややクリエイター寄りになりましたが、
会社にお勤めの方も
やっぱり、
『何かを作りつづけること(書類でも、絵でも同じことです!)』
『発信しつづけること』

を念頭に置かれると
イイかと思います。

ハチさんの言葉、もう一度出しておきますね。

『売れねえ時こそ、出つづけるんだよ!
 そこで止まったら、
 ほんとにおしまいなんだよ!」』


……で。
ヒスイのブレイクは、いつ来るのよ(笑)??


#大切にしている教え

ヘッダーはUnsplashMehran Biabaniが撮影



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