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韓国-仁川国際空港 ハリー君

初渡韓。
私、仕事帰りの関西空港。

妹が、来ない。

なぜ。

妹から連絡。
見送りに行くと言っていたはずの父と姪が新大阪駅にこない。
荷物を届ける筈なのにどうして。

荷物の中にはパスポートが。
どうする。

私の前に現れた、母。
妹の荷物を持っている。

なぜ。

母「なんか持ってきといた方がいいかな〜と思って〜」

はい!ナイス!
約束も段取りも無視した特大ホームランを時々放つ、母!
この予測不可能な行動に、我々姉妹は時々、ほんの時々、救われる。

妹が身体一つで到着し、いよいよ出国。
初めての海外旅行である妹に先輩風を吹かせ、あれこれ面倒見る。
もちろん、事前レクチャー済みだ。
100mL以下の液体をしっかりジップロックに入れて。

無事に出国し、いよいよ搭乗。
3人シートの通路側に私、真ん中に妹、窓側に男の子。

20:00関西国際空港→21:50仁川国際空港
1時間50分の空の旅

実は、まだ今夜の宿泊場所を決めていない無謀な私たち。
こんな姉によくついてくるものだ、我が妹よ。
韓国は찜질방(チムジルバン)とい健康ランドのようなものがある。
夜遅くに到着する予定なので、そこで一晩過ごす計画だった。
ただし、まだ場所は決めていない。
まあ、都会に行けばなんとかなるだろう。
お気楽思考の私である。

国際線では、機内で「入国申告書」と「税関申告書」が配られる。
そこで必須なのが、ボールペン。
意外に忘れがちだが、私はメモ魔なので常に携帯。
と、何やら窓際でゴソゴソ動き出している男の子ひとり。
どうやら、ペンがないようだ。

「ペン、ありますか?」と話しかけてみる。
やはり無いようだ。
話してみると、韓国人の大学生のようだ。
京都・嵐山観光を一人でしてきたと言っている。

ちなみに、日本語はできないようなので、韓国語歴3ヶ月、中学生英語で会話していた。
意外に通じるもんだな!
人は気持ちと表情と少々の言葉で、通じ合えるものだ。

実感。

携帯の中の写真を見せあったり、日本と韓国の観光地の話をしながらあっという間に1時間50分経ってしまった。

まずい。
今日泊まる予定のチムジルバンの場所を調べてない。
初めて降り立つ土地で、宿無しは問題だ。
妹も連れているのに。

「地球の歩き方」を手に、飛行機を降りる。
とりあえず、「龍山」に行こう。
なにやら大きなチムジルバンがありそうだ。

仁川空港内で両替を済ませ、空港鉄道(A’REX)乗り場を探す。
ここからが問題だった。
どこに行けば空港鉄道(A’REX)があるんだ!!

ウロウロとしていると、飛行機で一緒だった男の子に遭遇!
何やら焦った様子で「Hurry up!」と言われた気がした。
今、思えば韓国語の「빨리!(パルリ!)」「早く!」だったかもしれない。
どちらにせよ、温厚そうな彼が、めちゃめちゃ私たちを急がせているのは伝わった。

空港鉄道(A’REX)の「A」を探して、下の階に降りる。

次の試練だ。
切符。券売機。ふう。

1回用カード、T-moneyカード(ICOCA、Suicaのようなもの)があるのは知っていた。
どっちが良いなんてわからん!
とりあえず、1回用カードを購入。

明日にはT-moneyカードを購入している。
地下鉄を乗り回し、韓国ソウルを渡り歩く私には必須アイテムとなる。

改札を入ったところで、あの男の子にまたもや遭遇。
その子は仁川に住んでいるとの事なので、桂陽という駅で降りて行った。

やっと龍山までの道筋が見えた私たちは、安心したのもあり顔を見合わせて。
いや、あの子、めちゃめちゃイケメンやん!
ずっと思ってたけど、モデルさんみたいやんな!
すらっと背も高く、優しい笑顔のハリー君。

私たちの思い出、Hurry upのハリー君。
名前は聞いていなかった。

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