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AIvs教科書が読めない私たち

コロナ禍において、急速に発展しているテクノロジー技術。コロナショック以降の株価の推移を見ていても、特にGAFAM+テスラ社等の成長には度肝を抜かれる。
そんな中ある危機感を抱く。2019年ビジネス書大賞を獲得した「AIvs教科書が読めない子供たち」が指摘する最悪な未来がより早く到来するのでは…ということだ。
同時に、看護師だからこそ伸ばしやすいスキルを磨き続けることで、この先もAIに代替され難い人材を目指せるのではと淡い期待を抱く。
今日は著書に書かれている内容を共有した上で、私の考えを共有したい。

シンギュラリティは来ない。AI技術の限界点

2016年11月15日、とある記事が新聞に載る。

この記事の結論は、東大入試を受けたAI(東ロボくんプロジェクト)は合格することができなかった。
AIの偏差値は50を超えたが言葉の意味を理解する読解力には課題が残る。人工知能ができることはあくまで計算(論理·確率·統計)であり、人と話すコミュニケーション能力・ニーズを読み取る力はAIには困難だというものだ。

例えば、SiriやAlexaに対して「この近くにある不味いイタリア料理を教えて。」「近くのイタリア料理“以外”のお店を教えて」と伝えると意味を理解できずにイタリア料理店を指し示す。
また、家族で食事中子供が親に向かって「母さん、水」というシーンや、授業中生徒が先生に向かって「先生、トイレ」というシーン。これらは人とヒトの間ではなんとなく意図が伝わるが、AIには意図・意味が分からないというのだ。


言葉の意味や意図が読み取れないAIが、シンギュラリティ(技術的特異点)を起こすことは有り得ない。
AIが意思を持って人間に反旗を翻す・AIがAIを作り出すことは現実的ではないということだ。

ターミネーター、アイ・ロボット、AI崩壊等の映画はあくまで映画の中の話ε-(´∀`*)ホッ

しかし、ε-(´∀`*)ホッとしたのも束の間。。。



では私たちはAIに勝てるのか。

論理・確率・統計を意味する「計算」の分野においては人間は分が悪い。しかし、言葉の意味を理解する読解力は人間に分がある。

果たして本当にそうか。
著者が考案した読む力を測定するリーディングスキルセット(RST)。中学生の半数以上は、なんらかの意味で問題文が読めていないことが分かったそうだ。実際に設問を6問ほど解いてみる。

正直、ヒヤヒヤする感覚がある。2018年に実施した調査結果は以下のようになる。



いかに言葉の意味や文章を読み解く力が低いのか分かる。もちろん私も例外ではなく、危機感を抱く。

さらに、著者が様々な角度からありとあらゆる研究・統計・調査を行うも

後天的に読解力が伸びることは分かっているが、「読解力を伸ばす方法は分からない」と言うのだ。

もう危機感のミルフィーユ状態だ。


看護職の私の考え

この先、生き残る人材と職種は
①高いコミュニケーション能力(看護師・保育士・介護士・セラピスト・教員等)
②抽象的な知識・理解(医師・メカニック・エンジニア・心理学者等)
③感覚的なことや柔軟性(クリエイター・探偵・セラピスト等)

と言われている。危機感を抱いた私はというと、ただのしがない一般看護職(黒子の存在)。

転職こそすれど、この業界に9年間入り浸る中での経験として、どの看護の場面においても


①人の話を受け入れる傾聴力
②良い質問は心を開く質問力
③人の感情に寄り添う共感力
が必要だと感じており、信頼関係が築けた後のコミュニケーションは、
④その人の新たな可能性を伝える伝達力
⑤負の側面を正に変換する言い換え力
が、関わる人を未来志向に向ける関わりだと信じている。

人に感謝されるのは、人であり
人が感謝するのは、人なんだ。という当たり前のことに気づけたのも看護を通してだ。


本書を通してAIに代替されない人材になるために、看護職を続けた上で、地域に貢献できるカウンセラーを目指していきたい。改めて進みたい道を明確に出来た。あと英語を話せるようになるという目標を立てた。
そういう意味で本書に出会えて良かった。感謝している。


最後に

著者の言う最悪の未来。
「企業は人材を求めているのに、社会には失業者や低賃金労働者が溢れている」

新井紀子教授は、迫りくる悲観的な未来に対して教育界や経済界に読解力を養うための教育をとマクロな視点で問題提起を行っている。

この本がより多くの人に読まれ、一人ひとりが危機感を抱き、自分自身や子供たちに新井紀子教授の意図が伝わることを願いたい。ミクロからマクロへ。日本の教育・経済界に変革を起こし、AIをうまく扱える国民になったとき、日本の未来はきっと明るくなる。そんな気がしている。




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