不条理との戦いの果てに 〜 THE YELLOW KONKEY 「JAM」
この歌はライブ(生演奏)で聴いてみたい。
そういう曲がいくつかありまして。
1999年、時はまさに世紀末。なんとなくモラトリアムな時期を過ごしておりました。
世間では終末論なんかも流行ってて、就職決まったのに、「あした世界が終わるとしたら」嫌だな不条理だななんて呑気に思っていて。なんかそんな終末論の時期の脳内BGMは、デイヴィッド・ボウイの「スペース・オディティ」でした。
これは何を血迷ったか、世の不条理から条理の虚空に逃げ出したかったのか、宇宙船から宇宙空間という果てない世界に飛び出してしまう男の物語。
これを聞いていると、記憶の奥底から、、そういえば、、そう言う不条理に立ち向かうような曲があったなと。そのバンドは、グラムロック、デイヴィッド・ボウイ好きな方々だったなという囁きが。
そう、このイエローモンキーの「JAM」という曲は妙に記憶に残っていて。
これは不条理との戦いの果てに、見出す希望は、逢いたい誰かの存在であるということを歌い上げていて。
世界が終わるとしても、君に逢いたい、それこそが僕の身の守り方。
とは、人生の普遍的なテーマなのかもしれません。
余談ですが、こんな小説を思い出しました。
夏目漱石の「それから」。
この小説は、何不自由無い恵まれた環境にいる男が主人公。まさにモラトリアム期を気ままに過ごしている。が、不条理にも親友の妻を愛してしまう。「突然炎のごとく」燃え上がった魂は沸点を超え、最後には夕焼けの中、からだに、たぎる熱さを抱え走り出す。周りに見えるものは全て赤く染まって見えたまま。
あれから、結局、世界は終わらず、終末は来ず。
あれから10年も、この先10年も、不条理はたたみかけてきます。しかし音楽にはチカラがある。チェコやルーマニアの群衆がヘイジュードに勇気づけられたように。春風亭小朝は落語は世界を救うと言ってました。なんせ落語は業の肯定ですから。同じように音楽も世界を救う。
カラダに熱っぽさを感じながら、そんなことを改めて感じた日々でした。
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