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今日も自然の声を聴きに行く ~「海の声」 桐谷健太・BEGIN

誰かを想うとき。

どこか遠くの、誰もいない場所に行きたくなることがある。

大きく広がる空、父の存在のような山、自分をやさしく包む母のような海。

そんな場所に行くのは、自然の声を聴きたいから。

そういう場所に身をおくと、確かにどこかから何かの音が聞こえてくる。

それは自然の世界の音。

音のない世界は存在せず、あるとすれば人工的な音が存在しない世界のみ。

その自然の音=声の向こうに。

大切に想う人がいる。

その人の声が自然の声を通して聞こえてくるような気がする。

たとえ、想う人が彼方の世界にいるとしても。

そんな何かを求めて、今日も自然の声を聴きに行く。



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