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プロジェクトの範囲は広い

「プロジェクト」と言えば「課題解決学習」ととらえる人が多いようである。しかし、キルパトリックが提唱した「プロジェクトメソッド」の「プロジェクト」はもっと広い。芸術鑑賞や上達練習も含まれている。作ったり演じたりする活動も含まれている。もちろん課題解決も含まれているが、それがすべてではない。

キルパトリックは、プロジェクトを次の4種類に分類している。( )内は、キルパトリックによる英文原著を参照して首藤が付けた補足説明。

①小舟を作ったり手紙を書いたり劇を上演したりする、作る・演じるプロジェクト(目的を意識して計画を立てて実施し、目的に照らして省察する過程で、問題解決的思考も成立する)

②物語・交響楽・絵画などを楽しむプロジェクト(キルパトリックは、これをプロジェクトとして位置付けることには異論があるかもしれないと認めながら、楽しむという目的を持ったプロジェクトとして位置付けている。)

③露は降るものかどうかを明らかにしたり、ニューヨークがいかにしてフィラデルフィアを追い越して成長したかを確かめたりするというような問題解決的プロジェクト)

④書写や文法など、技能や知識の向上を目指すプロジェクト(キルパトリックは、これはドリル学習と混同される危険性があるが、学習者自らが能動的にこれに取り組む場合に限って、効果的なプロジェクトになるとしている)

以上のような趣旨のことが、キルパトリック(William Heard Kilpatrick)による原著『The Project Method』(New York: Teachers College, Columbia University, 1918)に述べられている。
その原著は次のURLから無料ダウンロードすることができる。http://www.educationengland.org.uk/documents/kilpatrick1918/index.html

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