マガジンのカバー画像

卒論・修論研究の攻略

397
卒論・修論研究に挑もうとする学生さんにおすすめの記事をまとめていきます。諸先輩方がどう挑み、いかに悩み、どうやって乗り越え、何を学んだのかを知ることで、経験値を積んだような状態で… もっと読む
運営しているクリエイター

#論文

素晴らしい研究室生活を送らせていただいたのです。

修了式と学位授与式を終えた。 この6年間、研究室での学生としての生活を送ってきて、色々と感じたことがある。 研究室生活の中でよかったなぁと思うことは、自分にとって色々と新しく貴重な体験ができたことだ。 例えば、学会発表や論文投稿に取り組ませていただいた。 自分の研究として取り組んだ、成果にもならないと思えるような小さな内容について、先生方や先輩方のご協力のおかげで何とか発表できるクオリティにまで上げてもらって、学会発表に臨んだ。初めての国内学会、初めての国際学会、それ

修士をラクに生き抜くのに心がける7つのこと

こんにちは、kotapです。 3月に筑波大学 大学院 システム情報工学研究科を修了しました。 なんと専攻の総代に選ばれ、研究科で研究科長表彰をいただいた。 大変恐縮。 正直、修士の二年間でやめたくなるほど辛かったことはなくて、割と恵まれた研究生活を送れた。 (生存バイアスもあるかもしれない。 もちろん研究で辛いこともたくさんあった。 でも、研究生活以外に悲しかったことのほうが多くあるように思える。 (一つは麻雀で4半荘で-280を記録したこと) 楽に生きるためには2つあ

論文執筆の方法「研究課題とは?」

国内の院生は、少なくとも自ら設定した一つ以上の「研究課題:テーマ」に関して論文を執筆する必要があります。今回は「どうやって」を研究テーマを設定するべきなのか、その進め方に関して考察したいと思います。 院試で設定した研究課題は変えざるを得ない我々院生は入学試験の際、必ず研究計画書を提出し、その内容を面接で発表 するといった関門を突破してきました。しかし、修士課程入学前に作成する研究計画書は、基礎・専門知識がほぼない状態で執筆することが多く、その内容は実質使えない場合が普通とさ

卒論・修論のテーマの選び方/時代性との距離感

佐藤ひろおです。会社を休んで早稲田の大学院生をしています。 三国志の研究を学んでいます。 ぼくは修士論文の準備をしていますし、周囲の学部生は卒業論文の準備をしています。基本的に、指導教員が「いいよ」「仕方ないね」といえば、卒業論文のテーマ、修士論文のテーマは自由です。しかし、「テーマは自由だああ!!」と言われても、ぎゃくに困るわけで。 特定の先生に言われたわけではないが、ぼくが何となく複数の先生たちのしゃべりを聞いて思った、卒論のテーマ選定のコツを書いてみようと思います。

論文とは何か?

はじめにこの文章は、拙著『卒論・修論研究の攻略本(森北出版)』の初稿には書いていたものの、テンポ重視で割愛することにしたものです。たたき台として書いた初稿ですので推敲等不十分ですが、そのまま掲載しています。 割愛した『論文とは何か?』のセクション論文は「挑戦を後世に引き継ぐために紡ぐ物語」である 卒業研究・修士研究の締めくくりは、論文の執筆です。いくらよい研究を進めたとしても、論文を執筆して受理されなければ卒業・修了はできませんから、誰しもが論文を書くことになるでしょう。

論文の自己流の書き方 3/3 (wordに書き出す編)

こんにちはKazuです。 前回、前々回に引き続き論文の自己流の書き方をまとめます。 今回で最後になります 前回までの工程でパワーポイントに論文の雛形は出来上がっています。 最後の仕上げとして、論文の雛形をwordで書いていきます。 前回に引き続き前提として以下の事を主張したい論文とします 目的:ある新規手法を盛り込んだAというモデルは、従来のモデルBよりもある骨腫瘍Cの鑑別性能がいいはずである これを証明したい 言いたい結論:Aというモデルは従来のBモデルよりもあ

論文の自己流の書き方 2/3 (パワーポイントに書き出す編)

こんにちはKazuです。 前回に引き続き論文の自己流の書き方をまとめます。 前回は紙に書く編をご紹介しました。 紙に書く際に大事なのは、とりあえずざーっと迷わず書きたいことを書いて論文の全体像を自分の中で作成することです。 そして今回は紙に書いた内容をパワーポイントにまとめる作業をしていきます 全体としては3段階に分かれています。 ①各セクション(イントロ、方法、結果、考察)ごとに内容をパラグラフに分ける ②各パラグラフで最も言いたいことを決める ③最も言いたいことを

[見本付き]実践的な論文の書き方 -設計からしっかり3工程で-

論文を書き上げるのは大変な作業です。大切なことは、細かく書き始める前に「構造の設計」と「骨格の組み立て」を済ませておくことです。この記事では、論文の骨格である【アウトライン】を設計して組み上げて、ある程度の文量のある論文を作り上げるまでの工程について解説します。 ※この記事は著者のブログ「駆け出し研究者のための研究技術入門」の過去記事のリライト版です 論文を書く3段階の工程論文を実際に書いていく手順は、建築物を建てていく手順をイメージするとよく理解できます。建物が組み上げら

論文執筆の『建築基準法』 -守るべき3つの基本ルール-

建築物に対して『認可されるためにはこの形式で建てなさい』という建築基準法があるように、論文にも『受理されるためにはこの形式で書きなさい』という基本ルールがあります。この基準を守らなければ、提出先に認可されませんし、好まれず、また信頼して読んでもらえないおそれがあります。この記事では、論文を書くうえで知っておくべき3つの基本ルールを、建築のルールになぞらえて紹介します。 3つのルールこの記事で紹介するルールは「①外観基準」「②構成基準」「③構造基準」です。下の図をみてください

英語論文の読み方③ 英語論文を効果的に読むために必要不可欠なスキルである「能動的な論文の読み方」を伝授します

「時間をかけて丁寧に論文を読んだはずなのにいまいち理解できていない気がする」なんてことはありませんか? そんなあなたにおすすめしたいのが「能動的な論文の読み方」です。 今回は、現役の人間栄養学者・村上健太郎が、英語論文を効果的に読むために必要不可欠なスキルである「能動的な論文の読み方」を伝授します。「能動的な論文の読み方」とは、①明確な意図をもったうえで、②気になることを書き込みながら、③知らない単語をその都度調べつつ、④分からないところにこだわりすぎないで、⑤毎日時間を見

先行研究で「何が明らかにされて、明らかにされていないのか」調べよう

【『勉強力大全(上):インプット編』・『勉強力大全(下):アウトプット編』という本を僭越ながら創らせていただきました!】 『勉強力大全(上):インプット編』 https://amzn.to/3DDHvvX 『勉強力大全(下):アウトプット編』 https://amzn.to/3LltswG 良かったらどうぞ! ***  卒論・修士論文テーマ決めで最も重要なのは「先行事例を調べる」ことです。先行研究で「何が明らかにされて、何が明らかにされていないのか」調べましょう。  そ

論文タイトルの決め方 -5ステップで決める方法の実例付き解説-

タイトルは、論文中で最も短いながらも最も重要な文言です。論文の内容を把握していない他の研究者達にとって、まずは40字程度の論文タイトルこそがその論文の全てであり、読むべきか否かを最初に判断する材料だからです。 タイトルを決めるのは、中々悩ましいパズルのような工程です。限られた文字数に収まるように、書籍や映画の題名のように目を惹きつつも、内容を正確に反映する言葉をうまく選んで組み合わせないといけないからです。 ここでは、卒論・修論・博論だけでなく、学会誌論文も含めた論文タイ

論文イントロの書き方 -封じるべき「そもそも論」6選-

論文のイントロダクション(序論・緒言・はじめに)を書くのはなかなかやっかいです。研究の科学的プロセスの中で実証していない「そもそも論」の論理を説得力をもって単純かつ明快に述べなければならないからです。この記事では、イントロの役割についておさらいした上で、イントロを書く上で記載すべき6つのポイントと、それを指針としてイントロを書く方法を紹介します。 ※この記事は、著者のブログ「駆け出し研究者のための研究技術入門」の記事のリライト版です。 イントロの役割は先手を打って「そもそ

論文アブストラクトの書き方 -4つのステップを実例付きで-

多くの人に論文を読んでもらおうとするとき、タイトルの次に重要な部分がアブストラクト(Abstract/概要)です。大抵の読者は、その論文が自分に関係しそうかのあたりをつけるためにまずタイトルを読み、その次に『さらに時間と労力をかけて実際に読みこんでいく価値があるか否か』を判断するためにアブストラクトを読むからです。この記事では、そんな大切なアブストラクトの書き方を、例を挙げて解説します。 アブストラクトを書く手順の概要この記事で紹介する手順は以下の4ステップです。 この記