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卒論・修論研究の攻略

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卒論・修論研究に挑もうとする学生さんにおすすめの記事をまとめていきます。諸先輩方がどう挑み、いかに悩み、どうやって乗り越え、何を学んだのかを知ることで、経験値を積んだような状態で… もっと読む
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#研究

素晴らしい研究室生活を送らせていただいたのです。

修了式と学位授与式を終えた。 この6年間、研究室での学生としての生活を送ってきて、色々と感じたことがある。 研究室生活の中でよかったなぁと思うことは、自分にとって色々と新しく貴重な体験ができたことだ。 例えば、学会発表や論文投稿に取り組ませていただいた。 自分の研究として取り組んだ、成果にもならないと思えるような小さな内容について、先生方や先輩方のご協力のおかげで何とか発表できるクオリティにまで上げてもらって、学会発表に臨んだ。初めての国内学会、初めての国際学会、それ

プレゼンテーション・アドバイス(6):発表本番時に守るべきルール

発表までに十分な準備をしてきました.いよいよ発表本番です.ここでは,発表本番で守るべきルールを示します. <発表のルール> 1) 発表原稿は見ない.もし持つなら工夫する. 2) 発表態度で好印象を与える. 3) 聴衆を見ながら話す. 4) ゆっくりと大きな声で話す. 5) 強調すべきところで強調する. 6) ポインターを振り回さない. 7) 時間を厳守する. このルールを守るだけで,拍手喝采を浴びるプレゼンにはならないまでも,目的を達成できいるプレゼンに近付きます.ここで

修士をラクに生き抜くのに心がける7つのこと

こんにちは、kotapです。 3月に筑波大学 大学院 システム情報工学研究科を修了しました。 なんと専攻の総代に選ばれ、研究科で研究科長表彰をいただいた。 大変恐縮。 正直、修士の二年間でやめたくなるほど辛かったことはなくて、割と恵まれた研究生活を送れた。 (生存バイアスもあるかもしれない。 もちろん研究で辛いこともたくさんあった。 でも、研究生活以外に悲しかったことのほうが多くあるように思える。 (一つは麻雀で4半荘で-280を記録したこと) 楽に生きるためには2つあ

アカデミックスキルのゆるふわ図解

いらすとやさんに全力のおんぶにだっこで作成した、アカデミックスキルのゆるふわ図解の一覧です。文章・論文の書き方、発表の仕方、議論の仕方、テーマの決め方などもりだくさん。大学教員である著者のTwitterで先行公開したものをこちらにまとめています。 非商用の教育目的であれば、連絡不要で自由にお使いいただけます。むしろ、教育目的で作ったものですので、是非活用いただきたいです。すでに中高の授業で使用していただいていたり、図書室に貼りだしてもらっていたりしているようで、ありがたい限

【読書録】卒論・修論研究の攻略本を読んでみた

正月は院生のくせに寝正月,どうも井戸中です. 寝正月をかましていましたが,読書はしました. その中でも,12/30に家へ届いてそのまま実家へ持って帰り,読破した 「卒論・修論研究の攻略本」(石原 尚 著) の感想を書きたいと思います! この本を手に取ったきっかけ私がこの本を手に取ったきっかけは,Twitterでこの本を見かけたことでした. 何気なーくTwitterのタイムラインを見ていたところ,研究活動に必要なスキルをイラストで説明しているユーザーを発見しました.それが石

卒論の「おわりに」の書き方を作者の例と共にわかりやすく解説

 今回は、卒論のおわりに(終章/まとめ)の書き方をわかりやすく解説していきます。「おわりに」で押さえておくべきポイントは以下の5点です。  下記は作者の結論の例です(もっと書いておりますが、中略です)。 結論 ナボタス町サント・ニーニョ村のフィリピン人海外労働者 103 名に聞き取り調査を行った結果、トラブルの無い海外就労と関係が見られたのは、友人との会話と Direct Hiring(渡航先のエージェンシーや会社を利用して仕事を得ること)のみであった。  但し、Dir

論文とは何か?

はじめにこの文章は、拙著『卒論・修論研究の攻略本(森北出版)』の初稿には書いていたものの、テンポ重視で割愛することにしたものです。たたき台として書いた初稿ですので推敲等不十分ですが、そのまま掲載しています。 割愛した『論文とは何か?』のセクション論文は「挑戦を後世に引き継ぐために紡ぐ物語」である 卒業研究・修士研究の締めくくりは、論文の執筆です。いくらよい研究を進めたとしても、論文を執筆して受理されなければ卒業・修了はできませんから、誰しもが論文を書くことになるでしょう。

論文執筆の『建築基準法』 -守るべき3つの基本ルール-

建築物に対して『認可されるためにはこの形式で建てなさい』という建築基準法があるように、論文にも『受理されるためにはこの形式で書きなさい』という基本ルールがあります。この基準を守らなければ、提出先に認可されませんし、好まれず、また信頼して読んでもらえないおそれがあります。この記事では、論文を書くうえで知っておくべき3つの基本ルールを、建築のルールになぞらえて紹介します。 3つのルールこの記事で紹介するルールは「①外観基準」「②構成基準」「③構造基準」です。下の図をみてください

サッカーで理解するラボ内研究発表会での学び方

細かい内容について少人数(もしくは1on1)で議論する研究相談会とは別に、研究室メンバー全員の前で学生さんが進捗状況を発表する研究発表会を定期的に実施している研究室も少なくないだろうと思います。この記事では、研究室内での研究発表会を【サッカーの練習試合】だと捉えることで、この発表会がどのような機会であり、またどのような学びが得られるのかをすっきりと理解できることを説明したいと思います。 ※著者はサッカーは素人ですので細かい点の語弊はご容赦ください… 研究発表会の形式著者が見

【学位別】「研究力」を身につけるためには

研究者を目指すうえで身につけなければいけない能力、たくさんあると思います。 論理性の向上、実験を計画してそれを実行する能力、仮説をたてる力、研究成果の社会還元… 言い出すとキリがありませんが、どれもゴールまでの道のりがぼんやりしていて、何も考えず日々のうのうと過ごしてしまうと何も成長せずに卒業、下手すりゃ学位をとることすら出来なくなってしまうかもしれません。 当たり前ですが学位には順番があり、大学を卒業すれば学士号、大学院修士課程を卒業すれば修士号、大学院博士課程を卒業

英語論文の読み方③ 英語論文を効果的に読むために必要不可欠なスキルである「能動的な論文の読み方」を伝授します

「時間をかけて丁寧に論文を読んだはずなのにいまいち理解できていない気がする」なんてことはありませんか? そんなあなたにおすすめしたいのが「能動的な論文の読み方」です。 今回は、現役の人間栄養学者・村上健太郎が、英語論文を効果的に読むために必要不可欠なスキルである「能動的な論文の読み方」を伝授します。「能動的な論文の読み方」とは、①明確な意図をもったうえで、②気になることを書き込みながら、③知らない単語をその都度調べつつ、④分からないところにこだわりすぎないで、⑤毎日時間を見

先行研究で「何が明らかにされて、明らかにされていないのか」調べよう

【『勉強力大全(上):インプット編』・『勉強力大全(下):アウトプット編』という本を僭越ながら創らせていただきました!】 『勉強力大全(上):インプット編』 https://amzn.to/3DDHvvX 『勉強力大全(下):アウトプット編』 https://amzn.to/3LltswG 良かったらどうぞ! ***  卒論・修士論文テーマ決めで最も重要なのは「先行事例を調べる」ことです。先行研究で「何が明らかにされて、何が明らかにされていないのか」調べましょう。  そ

研究発表の話の組み立て方 -5つの戦略目標の段階的達成を目指そう-

研究発表の話をどう組み立てるかは、なかなか悩ましいものですね。研究背景、目的、手法、結果、考察、という順で話を構成することはなんとなく知っていても、ちぐはぐな話になってしまうことはよくあります。 研究発表を成功させるためには、単に構成順を知っているだけでは不十分です。発表で達成すべき【戦略目標】を明確に意識して、それらの目標を段階的に達成するように話を組み立てることが大切なのです。 そこでこの記事では、基本となる5つの戦略目標を紹介し、それらの段階的達成を目指して話を構成

修士の研究に価値はあるのか

この記事は修士課程への進学を考えている人に読んでいただいて進学の参考になってくれればと思います。 私自身も化学系の大学院で修士課程を卒業して企業に就職して働いております。 働き始めたときは、学部の卒業時に就職をした同期たちは2年の就業経験の差ができておりました。 そこから1~2年経つと、中には転職を経験する人もいてキャリアで言えば、彼らの方が一歩先を進んでいるのかなと感じてしまう時もあります。 大学院で2年間を費やした経験は意味あるものなのかどうなのかと考えてしまうこともあ