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【学位別】「研究力」を身につけるためには

研究者を目指すうえで身につけなければいけない能力、たくさんあると思います。

論理性の向上、実験を計画してそれを実行する能力、仮説をたてる力、研究成果の社会還元…

言い出すとキリがありませんが、どれもゴールまでの道のりがぼんやりしていて、何も考えず日々のうのうと過ごしてしまうと何も成長せずに卒業、下手すりゃ学位をとることすら出来なくなってしまうかもしれません。

当たり前ですが学位には順番があり、大学を卒業すれば学士号、大学院修士課程を卒業すれば修士号、大学院博士課程を卒業すれば博士号が授与されます。

言い換えれば、それぞれの学位で順序だてて会得すべき目標を達成すれば、博士号を取得するころにはそこそこの能力を身についているはずです。

さらに言えば、より上を目指すならば、今いる課程の一つ上の学位の目標を意識して行動すればいいわけです。

本記事では、学位別に目指すべき目標について、「論理性」と「実験を計画してそれを実行する能力」の二つの観点から紹介したいなと思います。
以下の指標をどう役立てるかは、アナタ次第です!!


1. 論理性

よく言われることとしては、

学士はwhat、修士はwhy、博士はwhy notを
説明できるようになりなさい

です。

学士では起きているその現象はいったいどういうことなのか、説明できるようにならなければなりません。学問の基礎中の基礎ですね。つまり教科書に書いてある知識を説明出来ることが目標です。

そして修士では、その現象はなぜ起こるのか、説明する必要があります。なぜなら、自分の実験結果を論理的に説明しなければいけないからです。いわば教科書の知識を応用して練習問題を解けるようになることが目標です。

最後に博士は、その論理はなぜ違うか、を説明します。自分の実験結果に対する論理性を様々な角度から検証し、自分の立てた仮説をブラッシュアップします。違うことの証明は正しいことの証明より何十倍、何百倍も難しいです。切り込む角度だけ論理が存在し、それらを否定しなければいけないのですから。それに対して正しい論理の筋道は数少ないものです。

教科書例えを続けるならば、教科書に新たなページを刻むため自問自答を繰り返すようなものです。間違った内容を教科書に載せるわけにはいきません。


2. 実験計画・実行力

これもよく言われることですが、

学士:教員に言われたことを着実にこなす
修士:自分で計画を立てて、実行する
博士:自分でテーマを立てて、終結させる

ですね。

学部生の頃は研究室に入りたてで右も左も分からないので、まずは先輩や先生に指導されたことを模倣できるようになることが大事です。それが今後の実験力の土台となっていきます。

修士に入ると、仮説は与えられますが、それを立証するための実験を考え、計画を練り、実行してその仮説を検証しなければなりません。計画力の土台であり、研究者として自立する第一歩です。

博士ではアシストはゼロです。論文を読み仮説を立て、それを検証するためのストーリーを描き、その研究を完成させなければなりません。まあこの自由な所が研究の魅力的な部分でもありますが、学士、修士で鍛えられた確かな実験力・計画力がなければ当然ながらこれが達成されることはありません。


最後に

いかがでしたか。言っていることは当たり前なことばかりでしたが、これを意識しているのとしていないのとでは天地の差だと思います。

そして、特に1. 論理性で説明したことは別に研究者だけでなく誰もが普段から生きるうえでも必要なことなのではないかと思います。

特にこのネット現代において、匿名を良いことに誰もが批評家気取りになっています。ですがもう一度言います、違うことの証明は正しいことの証明より何十倍、何百倍も難しいのです。

だれだれが〇〇して炎上した。確かにその〇〇を咎めることは簡単だ。でもその裏にはそうせざるを得なかった様々な△△要因があるのかもしれない。批判するからにはその全ての△△を否定できるのか?why notを証明できるのか?その批判は本当に正しいのか?批判することはそう簡単ではないと気づくはずです。

だから博士号はPh.D、Doctor of philosophy 「哲学のドクター」と言うのかもしれません。

なんか話が脱線したような気がしなくもないですが、本記事は以上になります。最後まで読んでくれた方々、ありがとう。

僕の研究を応援して頂ければ幸いです!