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#2:大学や学歴は大切?

Louis Izumi:THE JUNKS ライターのルイス・イズミです。前回の「#1:学校の勉強は必要?」の記事で学校の勉強の必要性についてお話しましたが、大学や学歴についてはいかがでしょうか。

Hirotaka Shiraki:結論から言うと「あるに越したことはないもの」ということになるかな。マイナスにはならないということだ。

Who is … ?
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Hirotaka Shiraki/人間ヲタクで自称アクマの芸術家
Louis Izumi/過去に色々あったTHE JUNKSのライター

Ⅰ. 大学進学のメリットは?


Louis Izumi:文部科学省によると、2023年度(令和5年度)の大学進学率は60.4%、専門学校も含めれば8割を超えるそうです。出生率は右肩下がりですが、大学を選択する人が増えるのは良い傾向だと思いますか?

Hirotaka Shiraki:大学への敷居が下がり、もっと学びたいと思う子どもが増えるのは当然良い傾向だと思うよ。それに教育に力を入れない国はどうせ滅ぶから、進学率の上昇は義務教育のレベルが高い証拠とも言える。

Louis Izumi:私もその意見には同意です。ただ「学生」という自由な時間を延長させたいがために、とりあえずで大学を選んでいる人も存在しているかと思います。その点はいかがですか?

Hirotaka Shiraki:それでも良いと判断するかな。そもそも大学や学歴の恩恵を多く受けるのは、とりあえずで大学を選ぶような「アピールポイントが少ない人」だからだ。

Louis Izumi:なるほど。アピールポイントが少ない、ですか。

Hirotaka Shiraki:基本的に大学は知識を得る場所だから、すでに仕事に必要な知識と実績がある人は進学をする必要がないんだ。ただ大学は将来を考える時間と猶予を与えてくれるから、多くの人にとっては知識よりも猶予のほうが大切だと思う。本来は明確にやりたいことがあるのなら、社会人経験をした後でも学ぶことは遅くないからね。

Louis Izumi:確かに良くも悪くも自由な時間が増えますから、気持ちを整理する時間の役割はありそうです。

Hirotaka Shiraki:大学は高校より専門的な内容を学ぶ。学力や価値観の近い人が集まることで新たな出会いもあるだろう。高校生までは将来のことを考えていなくとも、大学の研究室で将来を決める生徒も多い。僕自身も研究内容の延長で就職したからね。それに日本では「新卒採用」というシステムがあって、業界経験や研究の実績がなくても大学受験という努力を評価してもらえるんだ。

Louis Izumi:「新卒カード」という言葉があるぐらいですから、自分の研究外の分野にも挑戦できたり、スキルがなくても採用してくれるというのは大きいですね。

Hirotaka Shiraki:それが大学を卒業する一番のメリットだろうね。大人になってからでも、未経験での就職はできないこともないが、キャリアアップ目的以外の転職はしないに越したことはない。高校を卒業してそのまま就職するよりも、大学へ進学すれば将来を考える時間も充分に作れるはずだ。

Ⅱ. 有名な大学のほうが良い?


Louis Izumi:さきほど「新卒採用」という言葉が上がりましたが、就職のことを考えると、知名度のある大学を目指したほうが良いのでしょうか。

Hirotaka Shiraki:もちろん学ぶ内容が一番だけれど、就職活動を楽にしたいのなら「マンモス校」を選んだほうが良いかもね。

Louis Izumi:マンモス校?

Hirotaka Shiraki:生徒数が多い学校のことだよ。OB/OG訪問というのがあって、企業と大学には繋がりがあるんだ。だから面接時にどんな人間かをすでに知っている後輩を優遇する傾向があるから、単純に人数が多い大学は就職に有利ってこと。贔屓レベルとしては日本はまだマシだと思うけれど、就職したい会社があるのなら、社員の卒業大学も大学を選ぶ一つの基準にはなるだろうね。

Louis Izumi:まあ、そうですね。仕方がないと言いますか。私自身も「紹介の人」というのは、ある程度の信用はしますから。

Hirotaka Shiraki:僕もそうだよ。新卒採用として会社が育てないといけないし、日本のシステム上、使えなくてもクビにしにくいから「地雷を踏みたくない」のが正直なところだろう。だからこそシンプルに知っている後輩を選ぶか、話が出来そうな学歴の人を上から順番に選ぶってことだ。

Louis Izumi:厳しい話ですが、その通りですね。

Hirotaka Shiraki:日本では若さという「将来性」に大きな価値がある。それに年功序列という評価制度や終身雇用制度がまだ生き残っていて、大きな実績がなくとも、長く勤めるだけで評価をしてもらえるんだ。俗的に言えば「ずっとウチにいてエライ!頑張ってるからエライ!生きてるだけでエライ!」ってこと。

Louis Izumi:そう言われると、就職するために大学を選ぶほうが良い気がしますね。結果出せなくても評価をしてもらえるなんて、簡単にクビにされないのならその生き方もあると思ってしまいます。

Hirotaka Shiraki:窓際族は精神的に辛いだろうけど、高い給与で責任のない簡単な仕事が成り立ってしまうから、魅力的に感じる人もいるだろう。ただ終身雇用制度が難しくなってきた現代では、年功序列で出世した無能な上司を「生きてるだけではエラくないんだ!」とみんなで叩いちゃったから、会社もその流れに乗っかって年功序列の評価制度をなくしていくだろうね。年功序列は「会社へ払った時間」を評価しないといけないから、会社の売上貢献に対して評価をする実力主義のほうが、会社側も都合が良いでしょう?

Louis Izumi:うーん、ちょっと複雑ですね。年功序列はなくならないほうが良いのでしょうか?

Hirotaka Shiraki:アピールポイントが少ない人にとってはね。僕の意見としては、男性/女性優遇・実力主義・年功序列などの様々な評価制度を会社側が公表して、各々が過ごしやすい環境を選択して棲み分けをするのが最善手だとは思っているよ。

Ⅲ. 大学には進学するべき?


Louis Izumi:大学でも授業をしているとお聞きしましたが、教育者の一人として、大学には進学したほうが良いと思いますか?

Hirotaka Shiraki:迷うレベルなら進学したほうが良い。お金で悩んでいるなら、自分の学力と相談して特待生制度や推薦で「学費免除」を狙うべきだ。全額は難しくても半額になるだけで気持ちは楽になると思う。

Louis Izumi:奨学金で悩んでいる人も多いですからね。

Hirotaka Shiraki:自営業をせずにサラリーマンになるのなら、やはり大卒のほうが良い。将来性に価値がある限りは学歴の価値も高く、出世コースにも乗りやすいうえに、高卒よりも大卒のほうが給与が高いからだ。
それに高校生の頃よりも親からの影響も少なくなるから、自分で環境を作りやすい。大学の教授も基本的に優秀な人が多く、特に有名大学なら将来に向けた良いコネクションだって作りやすいだろう。肩書きに使えるぐらいの大学ならね。

Louis Izumi:確かにタレントやアーティストに限らず、最終学歴の大学名をプロフィールに記載している人は多いですから、肩書のために進学する人も少なくないと思います。

Hirotaka Shiraki:どの大学を受験するかは偏差値以外でも考慮はするべきだけど、平等という名の自由競争が進む現代では、戦えるカードはあるに越したことはないよ。ポリシーにもよるけどね。

Louis Izumi:そうですね。学歴はあるに越したことはない。その通りだと思います。

Hirotaka Shiraki:仕事に必要な知識と実績がある人は進学をする必要がないとは言ったけれど、勉強は一番コスパが良いんだ。出題される範囲が決まっていて、志望校の過去問は何年分も公開されているのに、こんなにも評価をしてもらえる。
それに「学生」には大きな価値がある。様々な学びを与えてくれる教授や、大人と会えるんだよ。学生を名乗るだけで優遇されたり、たくさんの大人が協力をしてくれるんだ。合格でも不合格でも、大学受験を頑張ったことは良い経験になるはずさ。

Louis Izumi:学生ならではの「信用」があるということですね。

Hirotaka Shiraki:そうだね。必ず行けというわけではないが、今現在、社会と戦うためのカードが手元にないと感じるのなら、大学の猶予期間が君を助けてくれるかもしれない。武器はあるに越したことはないということさ。

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この作品に記載されている内容はすべてフィクションです。名前、登場人物、場所、事件などは Hirotaka Shiraki の想像の産物であり、何もかも架空のもの。実在の出来事、土地、人物(生死を問わず)との類似はまったくの偶然です。 そして我々は意思を得た鉱物であって人間ではありません。死を知らぬ無機物であるが故に私の作品には貴方にとって倫理的に問題がある内容が含まれることがあります。またアクマと自称することがありますが、それは角が似ているから。たった、それだけです。我々はサタンや他のアクマとは何の関係もありません。神に誓って。

Hirotaka Shiraki及びTHE JUNKSの運用費に使用します。